文献情報
文献番号
201901007A
報告書区分
総括
研究課題名
外国人患者の受入環境整備に関する研究
課題番号
H30-政策-指定-002
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
北川 雄光(慶應義塾大学医学部 外科学(一般・消化器外科))
研究分担者(所属機関)
- 八木 洋(慶應義塾大学医学部 外科学(一般・消化器外科))
- 佐野 武(がん研究会有明病院 消化器外科)
- 熊谷 厚志(がん研究会有明病院 消化器外科)
- 岡村 世里奈(国際医療福祉大学大学院 医療経営管理分野)
- 柴沼 晃(東京大学大学院医学系研究科)
- 田倉 智之(東京大学医学部附属病院)
- 足立 泰美(甲南大学経済学科)
- 中島 範宏(東京女子医科大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
9,139,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
政府は、2015年「健康・医療戦略」において「在留外国人等が安心して日本の医療サービスを受けられる環境の整備」を掲げ、外国人が多い地域を中心に「外国人患者受入れ体制が整備された医療機関」を2020年までに100箇所整備する事を目標に整備を進めてきた。最近では、「未来投資戦略2017」において、地域の実情を踏まえながら、外国人患者の受入れ体制の裾野拡大に着手し、受入れ環境の更なる充実を目指している。
しかし、これまでの事業から、受入れ体制の裾野拡大を図っていく為には、外国人患者受入数が多くなく、受入れ体制整備の為の情報や社会資源が乏しい地域の医療機関への支援や、それぞれの地域の実情に応じた外国人患者受入れ体制整備構築(国や地方自治体の役割の明確化)等の課題へ対処していく必要があることが明らかとなっている。
本研究では、(1)医療機関における外国人患者受入れの体制整備に関する研究(2)都道府県における外国人患者受入れ体制整備に関する研究(3)インバウンド事業推進のための基礎的研究、(4)訪日外国人に対する適切な診療価格に関する研究、以上の4つの研究により、これらの諸課題への解決策や今後の施策の方向性を決める根拠や基礎資料を得ることを目的とする。
しかし、これまでの事業から、受入れ体制の裾野拡大を図っていく為には、外国人患者受入数が多くなく、受入れ体制整備の為の情報や社会資源が乏しい地域の医療機関への支援や、それぞれの地域の実情に応じた外国人患者受入れ体制整備構築(国や地方自治体の役割の明確化)等の課題へ対処していく必要があることが明らかとなっている。
本研究では、(1)医療機関における外国人患者受入れの体制整備に関する研究(2)都道府県における外国人患者受入れ体制整備に関する研究(3)インバウンド事業推進のための基礎的研究、(4)訪日外国人に対する適切な診療価格に関する研究、以上の4つの研究により、これらの諸課題への解決策や今後の施策の方向性を決める根拠や基礎資料を得ることを目的とする。
研究方法
(1)関係者へのヒアリング調査、研究班メンバーの関連会議・検討会への参加、既存マニュアルの分析、文献検索、医療機関・外国人患者受け入れ認定機関へのインタビューを含めた独自調査(2) 厚生労働省が「地域における外国人患者受入体制のモデル構築事業」を行った5都道府県(北海道、東京都、三重県、大阪府、京都府)に伴走する形で、昨年度実施した調査に加え、外国人患者受入体制に関係する医療機関、医療通訳者、コールセンター運営事業者などへの聞き取り調査(3)文献研究及び保険会社等、関連機関へのインタビューを含めた独自調査となっている。なお、(3)に関しては、当初計画していた海外医療機関でのインタビュー調査が、COVID-19の影響でやむを得ず取りやめたが、同医療機関を始めとする海外外国人患者受入れ医療機関で参照されている文献の分析・研究という代替研究方法を採っている。
結果と考察
(1)医療機関における外国人患者受入れの体制整備に関する研究
(2)都道府県における外国人患者受入れ体制整備に関する研究(分担研究者 東京大学 柴沼晃 担当)
(3)インバウンド事業推進のための基礎的研究(分担研究者 国際医療福祉大学大学院 岡村世里奈 担当)
(4)訪日外国人に対する適切な診療価格に関する研究
それぞれについて、(1)厚生労働省のHPに掲載した「外国人患者受入れのための医療機関向けマニュアル」修正のため、基礎資料となる情報収集を実施、(2)「地方自治体のための外国人患者受入環境整備に関するマニュアル」を作成、(4)「医科病院(入院・外来)パート」は、医療費原価計算の概要と進め方、医療費原価計算に必要な情報収集から構成された。診療価格算定ツールは、病院(大規模)向けのプロトタイプ版として整備された。
(2)都道府県における外国人患者受入れ体制整備に関する研究(分担研究者 東京大学 柴沼晃 担当)
(3)インバウンド事業推進のための基礎的研究(分担研究者 国際医療福祉大学大学院 岡村世里奈 担当)
(4)訪日外国人に対する適切な診療価格に関する研究
それぞれについて、(1)厚生労働省のHPに掲載した「外国人患者受入れのための医療機関向けマニュアル」修正のため、基礎資料となる情報収集を実施、(2)「地方自治体のための外国人患者受入環境整備に関するマニュアル」を作成、(4)「医科病院(入院・外来)パート」は、医療費原価計算の概要と進め方、医療費原価計算に必要な情報収集から構成された。診療価格算定ツールは、病院(大規模)向けのプロトタイプ版として整備された。
結論
前年度に公表した初版から各所の意見や、上述の研究結果を取り入れ、改訂・増強した「外国人患者の受入れのための医療機関向けマニュアル」あを、今後、全国の医療機関が活用できるよう、同マニュアルの周知活動を実施する。これと並行して、「地方自治体のための外国人患者受入環境整備に関するマニュアル」に基づき地方における外国人患者受入体制整備状況を評価するとともに、同マニュアルの内容を随時見直すことが求められる。同マニュアルが外国人患者受入体制実現の一助となることが期待される。両マニュアルの普及により、外国人患者受入体制モデルの構築を目指すと共に、外国人患者受入れ特有の国際倫理問題や国際医療事故訴訟対策等に関する情報も共有し、トラブル回避、インバウンド事業促進に活かしていく。
公開日・更新日
公開日
2020-10-19
更新日
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