文献情報
文献番号
201901004A
報告書区分
総括
研究課題名
児童虐待対応におけるリスクアセスメントのためのデータ収集基盤構築とAIを活用したリスク評価に向けた研究
課題番号
19AA1002
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
高岡 昂太(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 人工知能研究センター)
研究分担者(所属機関)
- 北村 光司(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 人工知能研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
4,616,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
リスクアセスメントデータ解析AIを他5自治体へ拡張を行い、現場に役立つ知見の創出を目的とした。
研究方法
これまでに24自治体に本調査の説明に伺い、データ提供の交渉を行った。その内5自治体とそれぞれ秘密保持契約または共同研究契約などを結び、データの提供を受けた。得られたデータをクレンジング後、①保護すべき確率、②対応日数、③再発率などを目的変数とし、基本属性・リスクアセスメント・テキスト情報などを説明変数として設定した。
(倫理面への配慮)
産総研内の人間工学実験事前審査非該当、愛育研究所における倫理委員会の承認を得た。
(倫理面への配慮)
産総研内の人間工学実験事前審査非該当、愛育研究所における倫理委員会の承認を得た。
結果と考察
5自治体のうち、1自治体のみリスクアセスメントを持っていることから詳細な分析が出来たが、それ以外の4自治体はリスクアセスメントデータを持っていない、あるいは付ける粒度にないことから、高い精度が出なかった。以下に主な研究結果を述べる。
① 一時保護予測では、決定木勾配ブ-スティングを用い、精度96%(Precision=75%、Recall=95%)という高い性能が得られた。
② 対応期間の予測では、通告時点での終結までの対応日数(6カテゴリ)について決定木勾配ブ-スティングから予測した結果、想定したカテゴリも含まれる確率は93.9%という高い性能が得られた。
③ 終結後一年以内の再発では、ランダムフォレスト、XGBoost、多層ニューラルネット、ベイジアン多層ユーラルネットの結果をアンサンブル法により予測した結果、精度90%以上を得られた。
その他の自治体では、同内容の目的変数においても、精度が70-80%程度しか出せなかった。リスクアセスメントのデータが取得できているかが重要な影響を与えていたと言える。
考察:児童虐待対応現場におけるAIは必要なデータがあれば、現場にとって非常な有用な知見を得られる可能性が見られた。今後はより精度の高い知見を取得するため、リスクアセスメントやその他地域性を示す指標など、標準化されたデータが必要不可欠である。今後児童虐待対応にAIを導入するならば、国の方針として、データの入力に関しても検討が必要である。
① 一時保護予測では、決定木勾配ブ-スティングを用い、精度96%(Precision=75%、Recall=95%)という高い性能が得られた。
② 対応期間の予測では、通告時点での終結までの対応日数(6カテゴリ)について決定木勾配ブ-スティングから予測した結果、想定したカテゴリも含まれる確率は93.9%という高い性能が得られた。
③ 終結後一年以内の再発では、ランダムフォレスト、XGBoost、多層ニューラルネット、ベイジアン多層ユーラルネットの結果をアンサンブル法により予測した結果、精度90%以上を得られた。
その他の自治体では、同内容の目的変数においても、精度が70-80%程度しか出せなかった。リスクアセスメントのデータが取得できているかが重要な影響を与えていたと言える。
考察:児童虐待対応現場におけるAIは必要なデータがあれば、現場にとって非常な有用な知見を得られる可能性が見られた。今後はより精度の高い知見を取得するため、リスクアセスメントやその他地域性を示す指標など、標準化されたデータが必要不可欠である。今後児童虐待対応にAIを導入するならば、国の方針として、データの入力に関しても検討が必要である。
結論
AIは虐待対応現場に役に立つ可能性が示された。まずは今後標準化された共通リスクアセスメントデータを集めることで、精度を高めていく。
公開日・更新日
公開日
2023-04-28
更新日
-