文献情報
文献番号
201825010A
報告書区分
総括
研究課題名
化学物質の動物個体レベルの免疫毒性データ集積とそれに基づくMulti-ImmunoTox assay(MITA)による予測性試験法の確立と国際標準化
課題番号
H30-化学-一般-001
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
相場 節也(国立大学法人 東北大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
- 小島 肇(国立医薬品食品衛生研究所 安全性予測評価部)
- 大森 崇(神戸大学医学部附属病院 臨床研究推進センター)
- 木村 裕(国立大学法人東北大学 東北大学病院)
- 中島 芳浩(国立研究開発法人産業技術総合研究所 健康工学研究部門)
- 安野 理恵(国立研究開発法人産業技術総合研究所 バイオメディカル研究部門)
- 山影 康次(一般財団法人食品薬品安全センター 秦野研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 化学物質リスク研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
15,694,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
① 免疫毒性化学物質のin vivo毒性データを構築する。
② MITAによる免疫毒性clusteringの有用性を検討する。
③ IL-2転写活性抑制試験 (IL-2 Luc assay)に関するvalidation 試験の最終評価ならびにOECD提出用validation reportを作成する。
④ IL-1β転写活性抑制試験(IL-1 Luc assay)に関するPhase 0ならびにPhase I validation試験を実施する。.
⑤ MITAを用いた免疫毒性評価系国際化へ向けての国際評価会議のkick-off meetingを開催する。
② MITAによる免疫毒性clusteringの有用性を検討する。
③ IL-2転写活性抑制試験 (IL-2 Luc assay)に関するvalidation 試験の最終評価ならびにOECD提出用validation reportを作成する。
④ IL-1β転写活性抑制試験(IL-1 Luc assay)に関するPhase 0ならびにPhase I validation試験を実施する。.
⑤ MITAを用いた免疫毒性評価系国際化へ向けての国際評価会議のkick-off meetingを開催する。
研究方法
① 免疫毒性物質データを作成する。
National Toxicology Program (NTP)のDori Germolec博士の協力を仰ぎ、NTPのデータベースおよびPubMedを利用した文献検索に基づき個体レベルの免疫毒性の網羅的データベースを構築する。
② MITAによる免疫毒性clusteringの有用性を検討する。
本課題では個体レベルの免疫毒性が明らかな化学物質をMITAによる上記6種類のクラスターに分類し、クラスターごとの個体レベル免疫毒性発現の特性を明らかにする。
③ IL-2 Luc assayに関するvalidation 試験の最終評価ならびにOECD提出用validation reportを作成する。
④ IL-1 Luc assayに関するPhase 0ならびにPhase I validation試験を実施する。
⑤ MITAを用いた免疫毒性評価系国際化へ向けての国際バリデーション実行委員会を開催する。
National Toxicology Program (NTP)のDori Germolec博士の協力を仰ぎ、NTPのデータベースおよびPubMedを利用した文献検索に基づき個体レベルの免疫毒性の網羅的データベースを構築する。
② MITAによる免疫毒性clusteringの有用性を検討する。
本課題では個体レベルの免疫毒性が明らかな化学物質をMITAによる上記6種類のクラスターに分類し、クラスターごとの個体レベル免疫毒性発現の特性を明らかにする。
③ IL-2 Luc assayに関するvalidation 試験の最終評価ならびにOECD提出用validation reportを作成する。
④ IL-1 Luc assayに関するPhase 0ならびにPhase I validation試験を実施する。
⑤ MITAを用いた免疫毒性評価系国際化へ向けての国際バリデーション実行委員会を開催する。
結果と考察
① IL-2 Luc assayのvalidationに用いた25化学物質に関してNTPの協力を仰ぎ,免疫毒性データベースを構築し,それらをin vivo,ex vivo、in vitroデータに分類した。その結果、各化学物質の大凡の免疫毒性profileが俯瞰可能となった。
② IL-8 Luc assayと組み合わせたMITAにより分類された6つのclusterに関してその免疫毒性の特性を明らかにした。
③ 国際validation委員会にて,改訂クライテリアと最終プロトコールを作成した。このクライテリアを用いバリデーション研究を再評価し,Phase Iでは施設間再現性、施設内再現性はそれぞれ80.0 % (4/5),86.7 % (13/15),Phase IIでは施設間再現性が80 % (16/20)と良好な結果が得られた。
④ Germolec博士により提供された化学物質の免疫毒性に関するNTP情報をもとに,validation studyのpredictivityを評価し,Phase I, Phase IIを統合した際のpredictivityを66.7 % (16/24) と算出した。
⑤ 東北大学で検討した60化学物質の解析結果では,感度84%,特異度54%,精度78% であった。
⑥ 平成30年度:2018年10月4-6日、神戸にて第5回国際バリデーション実行委員会会議を行いvalidation 結果を総括した。
⑦ IL-2 Luc assayのOECDガイドライン化を目指しバリデーションレポートを作成した。
⑧ IL-1βレポーター細胞であるTHP-G1b細胞を用いた国際バリデーション試験を開始した。
⑨ 国際バリデーション実行委員会にて選定した3種類の化学物質について参加3施設、産総研つくば、食薬センター、産総研高松においてPhase 0 studyを実施した。
⑩ 国際バリデーション実行委員会にて選定した5化学物質に関してPhase I studyを実施した。
② IL-8 Luc assayと組み合わせたMITAにより分類された6つのclusterに関してその免疫毒性の特性を明らかにした。
③ 国際validation委員会にて,改訂クライテリアと最終プロトコールを作成した。このクライテリアを用いバリデーション研究を再評価し,Phase Iでは施設間再現性、施設内再現性はそれぞれ80.0 % (4/5),86.7 % (13/15),Phase IIでは施設間再現性が80 % (16/20)と良好な結果が得られた。
④ Germolec博士により提供された化学物質の免疫毒性に関するNTP情報をもとに,validation studyのpredictivityを評価し,Phase I, Phase IIを統合した際のpredictivityを66.7 % (16/24) と算出した。
⑤ 東北大学で検討した60化学物質の解析結果では,感度84%,特異度54%,精度78% であった。
⑥ 平成30年度:2018年10月4-6日、神戸にて第5回国際バリデーション実行委員会会議を行いvalidation 結果を総括した。
⑦ IL-2 Luc assayのOECDガイドライン化を目指しバリデーションレポートを作成した。
⑧ IL-1βレポーター細胞であるTHP-G1b細胞を用いた国際バリデーション試験を開始した。
⑨ 国際バリデーション実行委員会にて選定した3種類の化学物質について参加3施設、産総研つくば、食薬センター、産総研高松においてPhase 0 studyを実施した。
⑩ 国際バリデーション実行委員会にて選定した5化学物質に関してPhase I studyを実施した。
結論
1)25化学物質に関してNTPの協力を仰ぎ、免疫毒性データベースを構築した。
2)IL-2 Luc assayに関するvalidationを終了し、validation reportをOECD テストガイドライン化に向けて,peer review会議に提出した。2019年2月の東京における会議において外部委員により検討され修正点,改善点が示され現在対応中である。
3)IL-1 Luc assayに関する国際的validationを開始し、Phase 0,Phase Iを終了し,validation management teamによる評価結果をもとに今後の対応を検討する予定である。
2)IL-2 Luc assayに関するvalidationを終了し、validation reportをOECD テストガイドライン化に向けて,peer review会議に提出した。2019年2月の東京における会議において外部委員により検討され修正点,改善点が示され現在対応中である。
3)IL-1 Luc assayに関する国際的validationを開始し、Phase 0,Phase Iを終了し,validation management teamによる評価結果をもとに今後の対応を検討する予定である。
公開日・更新日
公開日
2019-07-11
更新日
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