文献情報
文献番号
201824006A
報告書区分
総括
研究課題名
個人輸入されるライフスタイルドラッグの実態に関する研究-主に美容関連薬及び脳機能調整薬について-
課題番号
H30-医薬-一般-001
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
木村 和子(金沢大学 医薬保健学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
- 前川 京子(同志社女子大学 薬学部)
- 秋本 義雄(金沢大学 医薬保健学総合研究科)
- 坪井 宏仁(金沢大学 医薬保健研究域薬学系)
- 大柳 賀津夫(北陸大学 薬学部)
- 吉田 直子(金沢大学 医薬保健研究域薬学系)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
6,247,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
個人輸入による未承認医薬品で美容整形した患者の健康被害が発生したことから、医療従事者による医薬品等の個人輸入の取扱いについて、一層の適正化が図られた(H28 )。一方、いわゆるスマートドラッグの個人輸入について、参議院厚生労働委員会(H29)で取り組み強化が要請され、H31年1月1日から健康被害や乱用につながる恐れが高い脳機能向上等を標榜する医薬品等を個人輸入する際に、医師の処方せんを確認することとされた。これらの動向を踏まえ、美容や脳機能増強を目的として個人輸入される医薬品や国内ネット販売化粧品について種類、量、品質、偽造性、有害性その他の問題を明らかにし、今後の施策の参考に資する。
研究方法
(1)医薬品(全般)の個人輸入実態調査
インターネットリサーチ会社の登録会員を対象に、医薬品個人輸入の消費者実態調査として、質問票を用いたアンケートによるインターネット調査を実施した。
(2)「まつげ美容液」の試買・調査・分析
ハンドサーチでインターネットで注文が可能なまつ毛美容液を網羅的に検索し、平成30年10月から平成31年2月に注文可能であった製品75種について、それぞれ1製品2本ずつを注文した。購入サイトと購入製品を観察した。
インターネットリサーチ会社の登録会員を対象に、医薬品個人輸入の消費者実態調査として、質問票を用いたアンケートによるインターネット調査を実施した。
(2)「まつげ美容液」の試買・調査・分析
ハンドサーチでインターネットで注文が可能なまつ毛美容液を網羅的に検索し、平成30年10月から平成31年2月に注文可能であった製品75種について、それぞれ1製品2本ずつを注文した。購入サイトと購入製品を観察した。
結果と考察
(1)医薬品(全般)の個人輸入実態調査: 医薬品の個人輸入経験者は有効回答者数の約1割存在し、平成20年の調査と比べ2倍であった。医薬品の個人輸入の動機は、回答者の半数がインターネットの手軽さや値段の安さ等であった。個人輸入した医薬品による副作用様症状経験者が約5人に1人の割合で存在し、平成20年の1.4倍だった。医療機関の通院が必要となったり、入院が必要となった重篤なケースもあった。
(2)まつ毛美容液であっても、まつ毛育毛剤と広告されていたり、日本未承認のまつ毛育毛剤が処方箋なしでインターネット注文できるなど、不適正使用につながる販売実態が明らかとなった。引き続き、含有成分分析を行い、インターネット上に流通するまつ毛美容液の実態を明らかにする。
(2)まつ毛美容液であっても、まつ毛育毛剤と広告されていたり、日本未承認のまつ毛育毛剤が処方箋なしでインターネット注文できるなど、不適正使用につながる販売実態が明らかとなった。引き続き、含有成分分析を行い、インターネット上に流通するまつ毛美容液の実態を明らかにする。
結論
インターネットを利用できるスマートフォンの普及が、医薬品の個人輸入に益々拍車をかける可能性がある。副作用症状の発現の増加も懸念され、個人輸入は国内で手に入らない緊急な治療のためなどの趣旨を周知し、安易に行わないよう啓発する必要がある。また、化粧品販売サイトでは医薬品のような記載もあり、化粧品の個人輸入やネット販売についても消費者の注意を促す必要がある。
公開日・更新日
公開日
2019-06-27
更新日
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