文献情報
文献番号
201822021A
報告書区分
総括
研究課題名
産業保健の観点からの健康経営の有用性の検証のための研究
課題番号
H30-労働-一般-008
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
永田 智久(産業医科大学 産業生態科学研究所)
研究分担者(所属機関)
- 山本 勲(慶應義塾大学 商学部)
- 松平 浩(東京大学 医学部付属病院)
- 森 晃爾(産業医科大学 産業生態科学研究所)
- 永田 昌子(産業医科大学 産業生態科学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
3,280,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は, 健康経営が有用であると経営者が強く認識するような啓発資料を作成することを最終成果とする。初年度である今年度は, 以下の点を明らかにすることを目的とした。
1.産業医の視点から, 経営者が従業員の健康問題をどう捉えており, 特に統括産業医からどのような報告を受けて健康施策の意思決定を行っているか
2.特に関心が高いメンタルヘルス対策について, 上司のマネジメントの良し悪しが, 部下のメンタルヘルスや労働生産性にどのように影響しているか
3.IoTを用いた健康施策を推進するために, どのような仕様を構築することが可能か
1.産業医の視点から, 経営者が従業員の健康問題をどう捉えており, 特に統括産業医からどのような報告を受けて健康施策の意思決定を行っているか
2.特に関心が高いメンタルヘルス対策について, 上司のマネジメントの良し悪しが, 部下のメンタルヘルスや労働生産性にどのように影響しているか
3.IoTを用いた健康施策を推進するために, どのような仕様を構築することが可能か
研究方法
1.については, 産業医経験が豊富な産業医(嘱託, 専属)に対してフォーカス・グループ・ディスカッション等の方法で情報収集を行った。2.は独立行政法人経済産業研究所が実施している調査の個票データを用いて解析した。3.は研究者間で議論した。
結果と考察
現在, 多くの企業では人員確保が困難になってきており, 優秀な人財の確保や離職率の低減のための対策は優先順位が高かった。産業保健活動がこの課題に対して直接的に関わる場面は少ないものの, メンタルヘルス対策を含む健康対策の充実が課題解決に結びつくことは共通の認識であった。そのため, 産業医としては, 通常の産業保健業務(健康診断やストレスチェックおよびその事後措置等)を確実に遂行し, その効果を可視化すること, 経営者の関心事を把握するためにコミュニケーションをとることが重要である。特に後者については, 企業の健康活動を統括する立場にある産業医は, 経営者に対して健康度および施策の効果を定期的に報告しており, そのことが施策推進の鍵となっていた。
おり, そのプロセス(健康活動マネジメント)そのものが健康経営の活動といえる。
企業の関心の高いメンタルヘルス対策については, 上司の部下に対するマネジメントの仕方が, 部下のメンタルヘルスのみならず, 生産性にも影響しており, 経営者にとっても関心の高い知見となった。
IoTを用いた健康施策について仕様が固まったため, 2019年度には具体的なツールを使用した介入研究の実施を予定し, 良好実践事例を検討する予定である。
おり, そのプロセス(健康活動マネジメント)そのものが健康経営の活動といえる。
企業の関心の高いメンタルヘルス対策については, 上司の部下に対するマネジメントの仕方が, 部下のメンタルヘルスのみならず, 生産性にも影響しており, 経営者にとっても関心の高い知見となった。
IoTを用いた健康施策について仕様が固まったため, 2019年度には具体的なツールを使用した介入研究の実施を予定し, 良好実践事例を検討する予定である。
結論
2018年度の調査では, 健康経営を進めるうえで産業医の視点からの情報を収集することができた。2019年度は経営者にインタビュー調査を実施し, 健康経営を推進するために必要な情報を整理する計画である。
公開日・更新日
公開日
2019-06-17
更新日
-