医師国家試験のコンピュータ試験導入に関する研究

文献情報

文献番号
201821050A
報告書区分
総括
研究課題名
医師国家試験のコンピュータ試験導入に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H30-医療-指定-012
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
青木 茂樹(順天堂大学 大学院医学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 大西弘高(東京大学 医学系研究科)
  • 和田昭彦(順天堂大学 大学院医学研究科 )
  • 高木康(昭和大学 医学部)
  • 鈴木利哉(新潟大学 医学部)
  • 岡崎仁昭(自治医科大学 医学教育センター)
  • 井廻道夫(新百合ヶ丘総合病院 消化器・肝臓病研究所)
  • 奈良信雄(日本医学教育評価機構)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
1,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 医師国家試験は現在、冊子形式での多選択肢問題(MCQ)で行われている。MCQは知識を評価するためには適しているが、医師としての技能や態度の評価を充分に行うことができているとは言い難い。
現在、一部の外国や卒前臨床実習前の医療系大学間共用試験実施機構で実施されている共用試験では、CBT(computer-based testing)が採用されている。CBTでは、冊子形式では不可能であった動画や音声などマルチメディアを活用した出題が可能となる。また、後戻りできない問題形式にすることで、臨床推論能力をより正確に評価できるような出題も可能となる。冊子形式からCBTに移行するためには、新たにテストの実施および評価に関するシステムや必要な情報セキュリティシステムの検討および構築、テストを実施するためのデバイスの準備などが必要となる。
過去の研究班では諸外国で導入されているCBT形式の医師国家試験の調査を行ったが、これを踏まえ、そのシステムについての技術的な分析を行い、我が国でCBT形式の国家試験を導入する場合に、どのようなシステムが望ましいか、構築にあたっての課題は何か、国家試験としての充分なセキュリティは担保できるか、公平な評価が可能かなどのメリットとデメリットを整理し技術的な課題の検討を行う。さらに我が国で最も実施可能性の高いCBT導入のためのシステムの検証を行う。
研究方法
 諸外国および大学間医療系共用試験実施機構で実施されている共用試験の技術的分析および課題の整理を行い、我が国でCBT形式での医師国家試験を導入する際のシステムの課題と具体的な手法を検討する。検討の際は、国家試験問題の公表を前提とした場合と非公表を前提とした場合、また全受験生が同じ問題に解答する場合とランダム出題により異なった問題に解答する場合を想定し、それぞれの場合に適した手法を検討する。上記検討を踏まえ、我が国で最も実施可能性の高い複数の手法について、その実現に必要な条件を整理する。さらにシステムとして有望な手法につき、試作を行い、詳細に検討し、さらに班会議で研究分担者にそのシステムを供覧し評価をおこなう。
結果と考察
画像を伴うCBT形式の参照方法について:考えられる試験方法のメリット・デメリットについて
1) クラウド型、2)ダウンロード型、3)特定施設内のサーバ型、4)DICOM PDI(portable Data for Imaging: 可搬型媒体でのデータ交換規約)参照型について、比較検討した。
2) 最も有望と考えられる多数の画像や動画を含むクラウドベースの問題のひな形を作成する。実際に臨床で用いられているWindow/Levelの変更が可能(肺野条件や縦隔条件の変更が可能)なDICOMを用いたもの、通常の写真と同じJPEG(あるいはその類似)を用いたものなど、種々の条件で試作画面を作成し、動作確認後に、班会議でその評価を行った。
3) 多数の(20枚程度)の画像のページングにより異常のある1枚を探す過程は実際の臨床にあっていると概ね良好な評価であった。DICOMの利用によるWindow/levelを変えての観察は医学生には少し難しく、研修後のレベルであろうとの意見もあった。
4) 動画(羽ばたき振戦、心音)などについて、岡崎委員より提示があった。動画については問題に出来るものが比較的限られているが、試験に出るということ自体が医学生がその分野を学ぶモチベーションの1つとなり、実技への積極的な参加が促されるという意見もあった。
結論
 現状の同一試験日での一斉に行う形式であれば、漏洩や機械不良のリスクも考慮し、問題のみをCBT形式として、回答は紙ベースというのが最も安全かつ安価に行えると思われる。CBT形式の手法としては、iPADのようなタブレットを導入し、特定施設毎にパスワード付きでアクセス出来るようにするのが、現実的である。機構のCBTと異なり、医師国家試験は現状では公開するため、試験開始以降の問題漏洩に危惧は不要であるから、WiFi等の利用が可能と考えられる。問題は1万人が一度にアクセスする集中の問題で、それはいくつかに分散あるいはローカルにサーバを立ち上げれば解決可能となる。

公開日・更新日

公開日
2020-04-13
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201821050Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
1,430,000円
(2)補助金確定額
1,430,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 132,316円
人件費・謝金 0円
旅費 28,440円
その他 939,600円
間接経費 330,000円
合計 1,430,356円

備考

備考
出張費の算出方法につき検討し、一度ある程度確定したが、
やはりあとで他の算出方法のほうが良いということとなった。
すでに他の支出を行っていたため、300円ほどの支出超過となり、
それを自己負担とした。

公開日・更新日

公開日
2020-03-11
更新日
-