地域医療支援病院等の医療提供体制上の位置づけに関する研究

文献情報

文献番号
201821041A
報告書区分
総括
研究課題名
地域医療支援病院等の医療提供体制上の位置づけに関する研究
課題番号
H30-医療-指定-003
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
伏見 清秀(国立大学法人東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 医療政策情報学)
研究分担者(所属機関)
  • 清水 沙友里(医療経済研究機構 研究部)
  • 石川ベンジャミン 光一(国際医療福祉大学 赤坂心理・医療福祉マネジメント学部)
  • 佐方 信夫(医療経済研究機構 研究部)
  • 新城 大輔(国立成育医療研究センター 情報管理部情報解析室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
平成30(2018)年度
研究費
4,956,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、地域医療支援病院・地域医療支援病院の承認業務を担当する自治体・郡市区医師会の質問紙調査を通して、承認要件の見直し検討に資する基礎データを入手し、地域医療支援病院のあり方・地域医療において期待されている役割等を把握することを目的とした
研究方法
本研究は、以下の手順に沿って実施した。

(1)質問紙調査票の設計
下記の通りの目的に従い、3つの質問紙調査表の設計を行った。
① 地域医療支援病院調査
地域医療支援病院の診療実績のばらつきが指摘されているが、特に救急医療、夜間休日対応、在宅医療への支援、医師派遣、地域医療との連携に焦点を当て、既存データで把握できていない内容について実態を明らかにする。
調査対象:47都道府県の地域医療支援病院の承認を担当する部局
調査方法:電子調査(悉皆調査)

② 自治体調査
地域医療支援病院の承認に関する各自治体の対応・意識の実態調査を行う。承認の地域差、承認への取組状況、要件を満たさなくなった場合の対応等について各自治体の違いを明らかにする。
調査対象:全国の地域医療支援病院
調査方法:電子調査(悉皆調査)

③ 郡市区医師会調査
郡市区医師会の位置する地域における地域医療支援病院についての認識度、当該地域の医療の過不足、地域医療支援病院に期待する病院像などを明らかにする。
調査対象:全国の郡市区医師会
調査方法:郵送調査(悉皆調査)

地域医療支援病院調査においては、医療機関において回答可能な項目の精査を実施した。

(2)質問紙調査の実施
2019年1月から2月にかけて、質問紙調査を実施した。過去に実施された郵送調査法の知見に基づき、回答率向上のための対策(返信用の封筒への記念切手の貼付、調査用紙の色、督促状(お礼状)の送付、調査主体の名称、回収方法の工夫)を実施した。調査設計時には、期待回収率を45%とした。調査票配布後は、メールによる質問対応を行った。

(3)質問紙調査のデータ化・集計・分析
地域医療支援病院調査及び自治体調査はexcel形式で回答を受領したが、郡市区医師会は郵送調査のため、回答票のデータ化を実施した。その後得られたデータの集計並びに分析を行った。
結果と考察
本研究では、地域医療支援病院・地域医療支援病院の承認業務を担当する自治体・郡市区医師会の質問紙調査を通して、承認要件の見直し検討に資する基礎データを入手し、地域医療支援病院のあり方・地域医療において期待されている役割等を把握することを目的とし実施した。地域医療支援病院は88.4%、自治体は100%、郡市区医師会は67.6%から回答を得た。
これらの結果から、地域医療支援病院に対する重要性は認識されているものの、実際に行われている地域に対する医療支援は医療機関によって様々であり、地域の実情に応じた支援が必要であると考えられた。現在の4要件に対する各医療機関の取り組みも多種多様であり、地域独自の必要性に合わせた地域医療支援機能の評価を行うことの必要性が示唆された。本研究班で収集したデータは、オープンサイエンスの観点から、匿名化加工後に公開を予定している。
本調査に多大なるご協力・ご理解を頂いた地域医療支援病院、自治体、郡市区医師会の皆様方に、厚く御礼を申し上げます。
結論
本研究により、地域医療支援病院・承認を担当する都道府県の担当部局、郡市区医師会の質問紙調査の結果から、地域医療支援病院ついては、自治体・郡市区医師会ともに90%以上が重要性ありと認識していることが明らかとなった。
地域医療の支援のあり方は地域の実情によって多様であり、それらのニーズに合わせた地域医療支援機能の評価を行うことの必要性が示唆された。本研究結果は、地域医療支援病院の役割やあり方の検討を進める際の基礎資料の一つになると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2020-03-27
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2019-06-10
更新日
2020-04-13

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201821041C

成果

専門的・学術的観点からの成果
地域医療の支援のあり方は地域の実情によって多様であり、それらのニーズに合わせた地域医療支援機能の評価を行うことの必要性が明らかとなった。
臨床的観点からの成果
臨床的研究ではないため対象外
ガイドライン等の開発
臨床的研究ではないため対象外
その他行政的観点からの成果
平成30年11月16日開催「第15回 特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」

平成31年4月25日開催「第16回 特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」
その他のインパクト
メディ・ウォッチ2018年11月16日『地域医療支援病院、「在宅医療支援」「医師派遣」等の機能をどう要件化すべきか』
CB news 2019年4月25日『地域医療支援病院、都道府県の9割が「重要」厚生労働省の研究班調査結果、在宅や救急に期待も』
m3.com 2019年4月25日 『「医師少数区域の支援」全地域医療支援病院の責務、厚労省提案』
メディ・ウォッチ2019年5月3日『すべての地域医療支援病院が医師派遣等の医師少数区域支援機能を持つべき』

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
1件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2020-03-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
201821041Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
5,256,000円
(2)補助金確定額
5,256,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,100,608円
人件費・謝金 0円
旅費 632,819円
その他 3,228,210円
間接経費 300,000円
合計 5,261,637円

備考

備考
データ分析のためのデータ保管機器等が増え、物品費が増加し、調査内容等が増え、その他経費の雑役務費が増加したため、自己資金を追加で使用したため

公開日・更新日

公開日
2020-03-11
更新日
-