文献情報
文献番号
201821035A
報告書区分
総括
研究課題名
地域包括ケアを支える看看連携を円滑にする体制の構築に関する研究
課題番号
H29-医療-指定-017
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
永田 智子(慶應義塾大学 看護医療学部)
研究分担者(所属機関)
- 川本 利恵子(公益社団法人日本看護協会)
- 村上 礼子(富山 礼子)(自治医科大学 看護学部)
- 坂井 志麻(東京女子医科大学 看護学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
平成30(2018)年度
研究費
8,900,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
地域包括ケアシステムの推進に当たっては、看護と看護の連携(以下、看看連携)の促進が重要と考えられる。本研究では、特に基幹病院を主軸とした看看連携体制の構築に関するガイドラインを策定し、その普及策を講じることにより、地域の看護の質向上を目指すことを目的とした。また、合わせて、特定行為研修が看護師の実践能力向上に寄与している要素を明らかにすることにより、基礎教育及び特定行為研修を含む継続教育における看護師の実践能力向上の方略を検討することを目的とした。
研究方法
看看連携体制の構築のプロセスを明らかにするため、先進的な取り組みを実施している5地域でヒアリングを行い、看看連携体制の構築プロセスおよび体制の維持等に関して具体的な内容を把握した。これらを踏まえて作成したガイドライン案を用いて、看看連携について関心を持つ地域の基幹病院や行政職員等を対象としたワークショップを行い、参加者のアンケート等を参考にして、看看連携ガイドラインの精錬を行った。また、特定行為研修にかんしては、文献検討を行うとともに、指定研修機関において研修指導にあたる看護職、医師及び研修修了者、計15名を対象に半構造化面接を実施した。
結果と考察
看看連携については、5地域のヒアリングを行った結果を踏まえてガイドライン案を作成した。それを用いて行ったワークショップには計109名が参加し、ガイドライン案の大筋に対しては分かりやすく活用可能との評価を得る一方、内容へは多様なコメントが得られた。最終的に「病院看護管理者のための看看連携体制の構築に向けた手引き―地域包括ケアを実現するために―」を完成し、公開の運びとした。また、特定行為研修に関する先行研究においては、特定行為研修受講により看護実践能力の向上が示唆される研究があるものの、能力向上と特定行為研修の要素の関連について示す研究はなかった。また、看護実践能力の向上の要因として、クリティカルシンキング等との関連が示されていた。ヒアリング内容の分析から、看護実践能力向上の観点から見た特定行為研修について6つのコアカテゴリー(A.特定行為研修により強化される看護実践能力の要素、B.研修が効果を挙げるために必要な受講者の素養、C.特定行為研修の活用のあり方、D.看護実践能力向上に寄与している特定行為研修の内容、E.看護実践能力向上に寄与するための特定行為研修の方略、F.看護師の看護実践能力向上に向けた課題)が示された。
結論
看看連携に関して作成した手引きは、今後研修等への活用が可能と考えられる。また、特定行為研修に関する研究成果は、研修の基礎教育及び継続教育での活用方策を検討するための一助となる。
公開日・更新日
公開日
2020-05-29
更新日
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