救急医療体制の推進に関する研究

文献情報

文献番号
201821029A
報告書区分
総括
研究課題名
救急医療体制の推進に関する研究
課題番号
H28-医療-指定-027
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
山本 保博(一般財団法人救急振興財団)
研究分担者(所属機関)
  • 横田 裕行(日本医科大学大学院)
  • 坂本 哲也(帝京大学医学部)
  • 森野 一真(山形県立中央病院)
  • 浅利 靖(北里大学医学部)
  • 成松 英智(札幌医科大学医学部)
  • 高山 隼人(長崎大学病院)
  • 中尾 博之(兵庫医科大学医学部)
  • 織田 順(東京医科大学)
  • 野田 龍也(奈良県立医科大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成30(2018)年度
研究費
4,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
救急車による搬送人員の増加が予測される中、将来にわたり国民の安心、安全を確保するためには、救急医療体制をより一層、強化・充実させる必要がある。本研究では、救急医療体制の現状分析を行うと共に、その体制を強化・充実させるための方策について提言することを目的とした。
研究方法
各研究分担者は、厚生労働省、総務省消防庁、自治体の公表している資料、新たに研究班で実施したアンケート調査などの分析、文献調査、会議形式の議論などを中心に研究を推進した。研究分担者は、研究代表者の調整のもと各研究の方向性を一致させた。3カ年計画で研究を進め、最終年度は具体的な提言を行うこととした。
研究内容を次の通りとした。
【①病院前医療の課題】(ア)地域包括ケアにおける救急医療と在宅医療の連携に関する研究(イ)メディカルコントロール体制と救急救命処置に関する研究【②救急医療機関の課題】(ウ)二次救急医療機関の現状と評価に関する研究、救命救急センターの現状と評価に関する研究、高度救命救急センターの現状と要件に関する研究【③両者の連携を支援する体制】(カ)救急患者搬送受入の実態と実施基準の効果に関する研究(キ)ドクターカーの活用と類型化に関する研究
結果と考察
地域包括ケアにおける救急医療と在宅医療の連携に関する研究(橫田、中尾、辻)では、在宅患者がどのような状態になったときに救急医療機関への受診を考慮すべきかが迅速に判断でき、かつ視覚的にも判断可能なリーフレットを作成し、その有用性も検証した。その結果、医療側のスタッフや医療知識が十分でない在宅患者の家族からも評価が高いことがわかり、その内容等の普及の有用性を提言した。・メディカルコントロール体制と救急救命処置に関する研究(救急救命士の業務の場の拡大に関する研究)(山本、田邉研究協力者)では、救急救命士が医療機関において業務を行うとした場合の利点、課題等について整理し、多数を占める消防機関の救急救命士やその養成課程に十分に配慮した制度設計が必要となることを提言した。二次救急医療機関の現状と評価に関する研究(浅利、織田)では、各施設は、自己評価票により全国の二次医療施設と自施設とを比較することが可能で、これにより自ら質の改善に取り組むことも期待でき、その変化について検討していくことが我が国の救急医療の質の向上に役立つと提言した。救命救急センターの現状と評価に関する研究(坂本)では、平成30年に実施された評価結果の見直し後のはじめての評価結果を取りまとめた。その評価の適切性について十分に担保する取り組みが必要であることを提言した。ドクターヘリ・ドクターカーの活用と類型化に関する研究(高山、野田)では、24時間運用できない理由として、医師を含めた人員不足であったことを明らかにした。
結論
年間の研究として、前半では救急医療体制の現状分析を行うことを中心とし、最終年度は、その体制を強化・充実させるための方策について提言することを目的とし、救急搬送と医療機関の受入れ体制を ①消防機関による搬送、病院前救護などの病院前医療の課題 ②搬送された患者を受け入れる救急医療機関の課題 ③両者の連携に関する課題 の3分野に大別し研究を推進した。それぞれの分野について、救急医療体制の現状分析を行うと共に、その体制を強化・充実させる方策を提言した。

公開日・更新日

公開日
2019-11-22
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2021-05-17
更新日
2021-11-09

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201821029B
報告書区分
総合
研究課題名
救急医療体制の推進に関する研究
課題番号
H28-医療-指定-027
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
山本 保博(一般財団法人救急振興財団)
研究分担者(所属機関)
  • 横田 裕行(日本医科大学大学院)
  • 坂本 哲也(帝京大学医学部)
  • 森野 一真(山形県立中央病院)
  • 浅利 靖(北里大学医学部)
  • 成松 英智(札幌医科大学医学部)
  • 高山 隼人(長崎大学病院)
  • 中尾 博之(兵庫医科大学医学部)
  • 織田 順(東京医科大学)
  • 野田 龍也(奈良県立医科大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成30(2018)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
救急車による搬送人員の増加が予測される中、将来にわたり国民の安心、安全を確保するためには、救急医療体制をより一層、強化・充実させる必要がある。本研究では、救急医療体制の現状分析を行うと共に、その体制を強化・充実させるための方策について提言することを目的とした。
研究方法
各研究分担者は、厚生労働省、総務省消防庁、自治体の公表している資料、新たに研究班で実施したアンケート調査などの分析、文献調査、会議形式の議論などを中心に研究を推進した。研究分担者は、研究代表者の調整のもと各研究の方向性を一致させた。
研究内容を次の通りとした。
【①病院前医療の課題】(ア)地域包括ケアにおける救急医療と在宅医療の連携に関する研究(イ)メディカルコントロール体制と救急救命処置に関する研究【②救急医療機関の課題】(ウ)二次救急医療機関の現状と評価に関する研究、救命救急センターの現状と評価に関する研究、高度救命救急センターの現状と要件に関する研究【③両者の連携を支援する体制】(カ)救急患者搬送受入の実態と実施基準の効果に関する研究(キ)ドクターカーの活用と類型化に関する研究
結果と考察
地域包括ケアにおける救急医療と在宅医療の連携に関する研究(橫田、中尾、辻)では、在宅患者がどのような状態になったときに救急医療機関への受診を考慮すべきかが迅速に判断でき、かつ視覚的にも判断可能なリーフレットを作成し、その有用性も検証した。その結果、医療側のスタッフや医療知識が十分でない在宅患者の家族からも評価が高いことがわかり、その内容等の普及の有用性を提言した。・メディカルコントロール体制と救急救命処置に関する研究(救急救命士の業務の場の拡大に関する研究)(山本、田邉研究協力者)では、救急救命士が医療機関において業務を行うとした場合の利点、課題等について整理し、多数を占める消防機関の救急救命士やその養成課程に十分に配慮した制度設計が必要となることを提言した。二次救急医療機関の現状と評価に関する研究(浅利、織田)では、各施設は、自己評価票により全国の二次医療施設と自施設とを比較することが可能で、これにより自ら質の改善に取り組むことも期待でき、その変化について検討していくことが我が国の救急医療の質の向上に役立つと提言した。救命救急センターの現状と評価に関する研究(坂本)では、平成30年に実施された評価結果の見直し後のはじめての評価結果を取りまとめた。その評価の適切性について十分に担保する取り組みが必要であることを提言した。ドクターヘリ・ドクターカーの活用と類型化に関する研究(高山、野田)では、24時間運用できない理由として、医師を含めた人員不足であったことを明らかにした。
結論
3年目の研究として、救急医療体制の現状分析を行うと共に、その体制を強化・充実させるための方策について提言することを目的とし、救急搬送と医療機関の受入れ体制を ①消防機関による搬送、病院前救護などの病院前医療の課題 ②搬送された患者を受け入れる救急医療機関の課題 ③両者の連携に関する課題 の3分野に大別し研究を推進した。それぞれの分野について、救急医療体制の現状分析を行うと共に、その体制を強化・充実させる方策を提言した。

公開日・更新日

公開日
2019-11-22
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2021-05-17
更新日
2021-11-09

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201821029C

成果

専門的・学術的観点からの成果
救急医療体制の現状分析を行うと共に、その体制を強化・充実させるための方策について提言することを目的とし、救急搬送と医療機関の受入れ体制を ①消防機関による搬送、病院前救護などの病院前医療の課題 ②搬送された患者を受け入れる救急医療機関の課題 ③両者の連携に関する課題 の3分野に大別し研究を推進した。それぞれの分野について、救急医療体制の現状分析を行うと共に、その体制を強化・充実させる方策を提言した。
臨床的観点からの成果
地域包括ケアにおける救急医療と在宅医療の連携に関する研究(橫田)の成果は、みんなで育てる救急医療、第16回都民公開講座(東京都医師会)において発表された。
ガイドライン等の開発
二次救急医療機関の現状と評価に関する研究(浅利)によって整理された調査項目は、厚生労働省における二次救急医療機関の全国調査に活用されることとなった。
その他行政的観点からの成果
救命救急センターの現状と評価に関する研究(坂本)の成果が、厚生労働省の第12回医療計画の見直し等に関する検討会、第59回社会保障審議会医療部会において活用された。
その他のインパクト
「メディカルコントロール体制と救急救命処置、救急救命士についての研究 救急救命士の業務の場の拡大について」(田邉)の研究内容は、平成31年3月1日に開催された自民党「救急医療に関する議員勉強会」において、発表された。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
5件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
4件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2021-05-17
更新日
-

収支報告書

文献番号
201821029Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
4,500,000円
(2)補助金確定額
4,500,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,112,633円
人件費・謝金 663,494円
旅費 1,041,372円
その他 1,683,893円
間接経費 0円
合計 4,501,392円

備考

備考
研究分担者のうち3名に自己負担金が発生しています。坂本先生:794円、森野先生:28円、織田先生:570円の合計1,392円が差異の理由です。

公開日・更新日

公開日
2020-03-17
更新日
-