地域の実情に応じた医療提供体制の構築を推進するための政策研究

文献情報

文献番号
201821027A
報告書区分
総括
研究課題名
地域の実情に応じた医療提供体制の構築を推進するための政策研究
課題番号
H30-医療-一般-013
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
今村 知明(公立大学法人奈良県立医科大学 医学部 公衆衛生学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 松田 晋哉(産業医科大学 公衆衛生学教室 )
  • 藤森 研司(東北大学大学院 医学系研究科公共健康医学講座)
  • 伏見 清秀(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科・医療政策情報学)
  • 石川 ベンジャミン光一(国際医療福祉大学・大学院医学研究科 )
  • 長谷川 友紀(東邦大学 医学部 社会医学講座 )
  • 池田 俊也(国際医療福祉大学 医学部 公衆衛生学 )
  • 瀬戸 僚馬(東京医療保健大学 医療保健学部 医療情報学科 )
  • 小林 美亜(千葉大学医学部附属病院 地域医療連携部 医療の質向上本部 )
  • 副島 秀久(社会福祉法人恩賜財団 済生会熊本病院 検体検査管理室 )
  • 町田 二郎(社会福祉法人恩賜財団済生会 済生会熊本病院 )
  • 野田 龍也(公立大学法人奈良県立医科大学 医学部 公衆衛生学講座)
  • 河原 和夫(東京医科歯科大学大学院 医歯学系専攻 環境社会医歯学講座 政策科学分野)
  • 康永 秀生(東京大学大学院医学系研究科 公共健康医学専攻 臨床疫学・経済学)
  • 加藤 源太(京都大学医学部附属病院 診療報酬センター)
  • 佐方 信夫(一般財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会 医療経済研究機構)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
16,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成27年度より都道府県は地域医療構想を策定し、病床の機能分化・連携、在宅医療・介護の推進等に取り組んでいる。国内における先進的事例等を整理しつつ、病床の機能分化・連携の推進等を推進するそれぞれの施策について、効果の定量化、プロセスの分析・整理等を行い、都道府県や医療機関等における病床機能の分化・連携や病床の効率的利用等の推進に資することを目的とした。さらには、次期(第八次)医療計画の分析、策定にあたっての課題抽出及び今後の医療計画を推進し実行するための対策の検討、病床機能報告の定量的基準も含めた基準の開発及び活用方法の検討を行うものとする。
研究方法
平成30年度は研究班を5つの分担班(医療計画班、定量分析班、地域包括班、機能連携班、実地検証班)に分けて班会議を開催し、研究の推進・成果の共有を行った。
結果と考察
1.医療計画班・・・第七次医療計画の検討時期や体制、策定プロセスの手法(ロジックモデル)について沖縄県より情報収集を行った。国の医療計画指標の策定プロセスや検討体制について振り返りを行った。平成32年度末の中間見し、次の第八次医療計画を見据えて、指標を見直す上では今の指標がどのように利活用されていて、医療計画の評価に役立っているかの確認が必要と考えられる。
2.定量分析班・・・地域医療構想のさらなる推進に向けて、平成29年度の病床機能報告を用いて構想区域の類型化を行った。また、新しい入院基本料評価のためのツールの開発を行った。本研究により開発された視覚化ツールは客観データに基づく地域医療構想を効果的に支援することが期待される。
3.地域包括班・・・地域包括ケア病棟の運用石川県能美市、白山市の医療機関へ実地調査を行った。地域包括ケア病棟の良い適応となるケースは、退院調整により自宅療養できる見通しがあることであり、自宅退院の見込みが少ない方が多く入院する療養病床への転棟とは大きく異なっている。
4.機能連携班・・・急性期から急性期以降への患者を移行させるにあたって、「回復期等以降チェックリスト」と「看護実践用語標準マスタ」の紐づけを行った。各病院で、従来型の「情報共有シート」の是非について、負担軽減も含めた見直しを行い、回復期等移行チェックリストを実装するための検討が必要となる。
5.実地検証班・・・奈良県の国保レセプトデータ(医療・介護)を用いて、胃瘻造設の地域格差に着目した分析を行った。本研究の結果、胃瘻造設術の場が中小規模の一般病床主体の病院からケアミックス型の医療機関へと移行し、地域間格差が縮小しつつあることが示された。
結論
本研究の成果は、わが国の地域医療構想(病床機能分化・連携)および医療計画(5疾病5事業)の進捗管理にあたって有用なものとして考えられる。研究成果については、国の「地域医療構想ワーキンググループ」や都道府県を対象とする医療政策研修会などで利活用される予定である。

公開日・更新日

公開日
2020-04-22
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2021-07-09
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201821027Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
16,700,000円
(2)補助金確定額
16,700,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 596,032円
人件費・謝金 1,639,738円
旅費 3,022,670円
その他 11,441,560円
間接経費 0円
合計 16,700,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2020-03-11
更新日
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