在宅医療の提供体制の評価指標の開発のための研究

文献情報

文献番号
201821026A
報告書区分
総括
研究課題名
在宅医療の提供体制の評価指標の開発のための研究
課題番号
H30-医療-一般-012
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
川越 雅弘(公立大学法人埼玉県立大学 大学院保健医療福祉学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 飯島 勝矢(東京大学 高齢社会総合研究機構)
  • 川島 孝一郎(仙台往診クリニック)
  • 福井 小紀子(大阪大学 大学院医学系研究科)
  • 篠田 道子(日本福祉大学 社会福祉学部)
  • 山岸 暁美(慶應義塾大学 医学部衛生学公衆生成学教室)
  • 坂井 志麻(杏林大学 保健学部看護学科)
  • 石川 ベンジャミン光一(国際医療福祉大学 大学院医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
6,240,000円
研究者交替、所属機関変更
研究分担者の坂井志麻先生は,交付申請時の東京女子医科大学看護学部から,2019年4月に杏林大学保健学部看護学科に所属が変更されました。

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、3つのサブ研究(研究1:既存指標の検証と修正案の検討、研究2:指標の継続的な測定方法の検討、研究3:指標の効果的な活用方法の検討)を通じて、次期医療計画策定時に活用可能な在宅医療の評価指標修正案、ならびに実効ある計画遂行方法の提案を行うことを目的とする。
研究方法
研究1に関しては、1)既存指標の策定プロセス/指標活用状況及び課題等に関するヒアリング、2)第7次医療計画の内容分析(指標の設定状況、データソース等)、3)現行レセプトで収集可能な4機能別指標の抽出/整理、4)退院支援、看取りに関するアウトカム指標の多職種検討などを、研究2に関しては、1)データ利活用上の課題に関するヒアリング(有識者、都道府県担当者)、2)既存データ(レセプト等)の分析及び課題の整理などを、研究3に関しては、1)道府県/市町村担当者を入れた作業部会での検討、2)在宅医療4機能別にみたロジックモデルの検討などを実施した。
結果と考察
先行研究調査及び各種ヒアリングから、1)現行指標は、どのような指標をとるべきかの観点から検討されたものではなく、レセプト等からの収集可能性の観点をベースに選択されていたこと、2)7府県へのヒアリングから、アウトカム指標(QOD等)は継続調査の困難さから設定しにくい、②在宅死亡率には異常死が含まれるため指標に設定しにくい、③厚労省のデータブックはデータ加工過程が見えないため委員会等で説明しにくい、④指標を活用するためには、設定理由の開示と具体的な活用方法の提示が必要などの課題があること、3)47都道府県の第7次計画の内容分析から、①アウトカム指標を設定した都道府県は皆無であった、②ストラクチャー指標の目標値設定が主で、プロセス指標の目標値設定は少なかった、③設定した指標数は、2~20数項目に分布しており、都道府県間で大きな格差があること、4)ロジックモデルは、目的⇔目標⇔施策間の思考の妥当性の検証及び進捗管理の面で有用であるとの意見が多かったなどがわかった。
以上の結果から、1)指標選定に当たっては、指標のみを単独提示するのではなく、「目指す姿(ゴール)の設定」⇒「ゴール達成への必要要素別にみた具体的目標の設定」⇒「目標達成のための具体的施策の検討」⇒「目標達成状況をモニタリングするための指標の検討」といった一連の思考過程の中で必要な指標は何かを検討し、その上で測定可能性の観点も加味した指標を最終決定するといった手順が必要である(ロジックモデルに沿った計画策定と指標の検討),2) アウトカム指標は、測定の継続性を考慮すると、レセプトデータを活用した指標の算出(看取りであれば、死亡前半年間の在宅療養率など)が必要と考えた。
結論
実効性のある医療計画を推進するためには、1)ロジックモデルに沿った計画策定の推進、2)目標達成状況のモニタリングに対する有用性と継続的な測定可能性の両面からみた指標の検討が必要である。

公開日・更新日

公開日
2020-05-20
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2020-05-20
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201821026Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
7,800,000円
(2)補助金確定額
7,800,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 734,990円
人件費・謝金 4,100,310円
旅費 784,190円
その他 620,553円
間接経費 1,560,000円
合計 7,800,043円

備考

備考
分担研究者:山岸暁美(慶應義塾大学医学部衛生学公衆衛生学教室 講師)の自己資金43円のため

公開日・更新日

公開日
2020-03-11
更新日
-