文献情報
文献番号
201821025A
報告書区分
総括
研究課題名
在宅及び慢性期の医療機関で療養する患者の状態の包括的評価方法の確立のための研究
課題番号
H30-医療-一般-011
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
飯島 勝矢(国立大学法人 東京大学 高齢社会総合研究機構)
研究分担者(所属機関)
- 田宮 菜奈子(筑波大学 医学医療系)
- 川越 雅弘(埼玉県立大学 大学院保健医療福祉学研究科)
- 石崎 達郎(地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター)
- 福井 小紀子(大阪大学 大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
9,231,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究では、医療・介護レセプトデータや住民調査により得た指標等を用いて、在宅及び医療機関で療養する者の状態像を評価するとともに、療養場所の分類を行い、医療政策に資する指標の開発・検討を行うことを目的とした。
研究方法
本年度は先行研究のレビューを通じて患者状態像を評価できる指標や在宅療養の継続要因を探索すること、医療・介護レセプトデータを用いて患者状態像や療養場所の分類・集計を行った。
結果と考察
療養場所の分類としては、入院・介護施設・集合住宅・それ以外の(狭義の)自宅という4分類を設定し、月次の推移が追える形とした。これにより、医療計画・介護保険事業(支援計画)において目標とした資源整備が実現できているのか、あるいはできていないのか、継時的に、あるいは地域間の比較を通じて検討をすることができるようになる。また、Ambulatory Care-Sensitive Conditions(ACSCs)、Potentially Avoidable Hospitalization(PAH)、Comorbidities、Frailtyといった患者状態像を評価する概念として先行論文で用いられているものを利用し、医療・介護レセプトから患者状態像を一定程度分類することを試みた。結果、ACSCsに該当する傷病のうち、脱水、肺炎、尿路感染症、糖尿病の合併症、インフルエンザといった傷病に罹患することで入院となる割合が高まること、逆に狭心症、慢性閉塞性肺疾患、鬱血性心不全、胃腸炎といった傷病では入院の割合は全体としては上がらないことが明らかとなった。
今年度実施した集計を医療機関・介護サービス事業所単位で行うと、地域内で良好な療養管理をしている実践例が明らかになる。在宅医療・介護連携推進事業を担当する市町村職員等がそのノウハウを聴き取り、他の機関に伝達していくことで、地域全体の療養管理の質を向上させるためのツールとしても今回の集計を活用することができると考えられる。
今年度実施した集計を医療機関・介護サービス事業所単位で行うと、地域内で良好な療養管理をしている実践例が明らかになる。在宅医療・介護連携推進事業を担当する市町村職員等がそのノウハウを聴き取り、他の機関に伝達していくことで、地域全体の療養管理の質を向上させるためのツールとしても今回の集計を活用することができると考えられる。
結論
今年度は当初予定通り、先行研究のレビューを通じた概念の探索と、医療・介護レセプトを用いた分析を行った。次年度以降、住民調査の実施による指標の検討及びレセプトデータと住民調査データの接合を試み、在宅医療(・介護連携)の政策等に活用できる指標・枠組み・データベースのあり方などを検討する。
公開日・更新日
公開日
2020-05-20
更新日
-