文献情報
文献番号
201821013A
報告書区分
総括
研究課題名
災害時小児・周産期医療体制の構築と認知向上についての研究
課題番号
H29-医療-一般-010
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
海野 信也(北里大学 医学部産婦人科学)
研究分担者(所属機関)
- 津田 尚武(久留米大学・産婦人科)
- 鈴木 真(亀田総合病院・産婦人科)
- 和田 和子(大阪母子医療センター・新生児科)
- 井田 孔明(帝京大学医学部附属溝口病院・小児科)
- 米倉 竹夫(近畿大学医学部奈良病院・小児外科)
- 伊藤 友弥(あいち小児保健医療総合センター)
- 岬 美穂(鶴和 美穂) (独立行政法人国立病院機構災害医療センター)
- 菅原 準一(東北大学東北メディカル・メガバンク機構・周産期医学)
- 中井 章人(日本医科大学多摩永山病院・産婦人科)
- 大木 茂(聖隷浜松病院・総合周産期母子医療センター)
- 中村 友彦(長野県立こども病院)
- 井本 寛子(日本看護協会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
2,310,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
小児・周産期・産婦人科領域の諸学会・団体と連携協力し、災害時に小児・周産期医療領域の対応で必要となる情報システム(EMIS-PPM)を迅速に開発すること、それを活用した体制の整備を進めること、そのような活動を担う人材の効率的な養成とその活動を支援するためのツールの開発を行うことを目的とする。
研究方法
「災害時小児周産期リエゾン研修会の充実に関する検討」「小児・周産期医療災害時情報システム(EMIS-PPM)の構築と広域災害救急医療情報システム(EMIS)との連動に関する検討」「大規模災害時に収集・共有されるべき小児医療関連情報に関する研究」「小児周産期リエゾンの活動を支援する体制の整備に関する研究」の4分担研究課題を並行的に進めた。
研究組織としては、小児・周産期・産婦人科領域の学会・団体の災害対策担当者に研究分担者として参加してもらうことで、迅速な体制の整備と領域内の連携強化をはかった。
情報システムは日本産科婦人科学会が開発を進めてきた産科領域の災害情報システムをベースに開発を進めた。これにより平成29年度中に、新生児・小児領域を含むEMIS-PPMとしての稼働の実現及びEMISからの情報参照を可能とすることを短期的な目標とし、その後の研究期間内にその内容の充実を進める方針とした。
平成28年度に厚生労働省で養成が開始された災害時小児周産期リエゾンの活動を支援するためのツール開発を進めるとともに、これを研修会、訓練等で活用し検証を行うことを通じて、災害時にリエゾン活動が円滑に対応できる体制の整備を進めた。
研究組織としては、小児・周産期・産婦人科領域の学会・団体の災害対策担当者に研究分担者として参加してもらうことで、迅速な体制の整備と領域内の連携強化をはかった。
情報システムは日本産科婦人科学会が開発を進めてきた産科領域の災害情報システムをベースに開発を進めた。これにより平成29年度中に、新生児・小児領域を含むEMIS-PPMとしての稼働の実現及びEMISからの情報参照を可能とすることを短期的な目標とし、その後の研究期間内にその内容の充実を進める方針とした。
平成28年度に厚生労働省で養成が開始された災害時小児周産期リエゾンの活動を支援するためのツール開発を進めるとともに、これを研修会、訓練等で活用し検証を行うことを通じて、災害時にリエゾン活動が円滑に対応できる体制の整備を進めた。
結果と考察
1)「災害時小児周産期リエゾン研修会の充実に関する検討」:平成28年度から災害時小児周産期リエゾン研修が開始され、今年度より研修時間、プログラム内容がさらに拡大されたことに対応して、本研修のさらなる充実化を図ることを目的とし、受講生へのアンケート調査を研修前と研修後に実施し、分析をおこなった。2)「小児・周産期医療災害時情報システム(EMIS-PPM)の構築と広域災害救急医療情報システム(EMIS)との連動に関する検討」:平成29年度に本研究を通じて機能強化された日本産科婦人科学会大規模災害対策情報システム(EMIS-PPM)は、平成30年度に発生した実災害及び大規模災害医療訓練において有効に機能した。3)「大規模災害時に収集・共有されるべき小児医療関連情報に関する研究」:小児領域の災害情報は多岐に渡り、また急性期から慢性期にかけて変化するため、入力する内容に応じて、「診療支援」「医療搬送」「物資支援」「本部情報」「災害対策資料」の項目を設け、掲示板として活用する方向で検討を行った。アップロードの権限については、情報の混乱を防ぐために日本小児科学会やいくつかの分科会、日本小児医療保健協議会(四者協)小児周産期災害医療対策委員会、PICU協議会などの災害対策委員会に限定して付与することにした。4)「小児周産期リエゾンの活動を支援する体制の整備に関する研究」:平成30 年度の政府主催災害時医療活動訓練の際に、平成29 年度の本研究班で作成した災害時小児周産期リエゾンの活動チェックリストを用いて、リエゾン本部の立ち上げ訓練を行なった。5)「小児周産期リエゾンの活動を支援する体制の整備に関する研究-災害時小児周産期リエゾン連絡協議会の発足準備」:日本小児医療保健協議会(四者協)及び同協議会の小児周産期災害医療対策委員会における検討の支援を行った結果、2019年度における「災害時小児周産期リエゾン連絡協議会」の正式発足の見通しをつけることができた。
結論
2019年2月に厚生労働省から都道府県宛に災害時小児周産期リエゾン活動要領が示され、2019年度は各都道府県でリエゾンの体制整備と任命が、それぞれの地域の特性を反映して急速に進んでいくと思われる。本研究では、そのような現場の活動を支援するために必要な環境整備について、検討を進めていく必要がある。
公開日・更新日
公開日
2019-05-31
更新日
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