肝がん・重度肝硬変の治療に係るガイドラインの作成等に資する研究

文献情報

文献番号
201820009A
報告書区分
総括
研究課題名
肝がん・重度肝硬変の治療に係るガイドラインの作成等に資する研究
課題番号
H30-肝政-指定-003
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
小池 和彦(東京大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 泉 並木(武蔵野赤十字病院 消化器科)
  • 考藤 達哉(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 肝炎・免疫研究センター)
  • 工藤 正俊(近畿大学 医学部)
  • 久保 正二(公立大学法人 大阪市立大学 大学院医学部研究科)
  • 宮田 裕章(慶應義塾大学 医学部)
  • 建石 良介(東京大学 医学部附属病院)
  • 長谷川 潔(東京大学 医学部附属病院)
  • 江口 有一郎(佐賀大学 医学部附属病院 肝疾患センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 肝炎等克服政策研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
53,847,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
(1)肝癌・非代償性肝硬変患者の複数回入院・治療を把握できるデータベースを構築する。臨床調査個人票からのデータ収集を行う。
(2)肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業を促進するためのマニュアル等の環境整備を行う。
研究方法
(1)National Clinical Database(NCD)上に肝癌・非代償性肝硬変患者の複数回入院を把握できるデータベースを作成し、日本肝癌研究会追跡調査参加施設を中心としたNCD参加施設に入力を依頼する。肝癌患者データの収集項目は、肝癌研究会追跡調査を元に作成し、複数回入院に対応できるようにシステムを再設計する。肝硬変患者データに関しては、新たに設計を行う。分担研究施設にシステムのテストを依頼し、テスト終了後データの入力を開始する。登録症例数に応じたインセンティブを参加施設に支払うシステムの構築を行う。臨床調査個人票のデータ収集システムを構築する。(2)厚労省担当官と共にマニュアルの作成を行い、肝疾患診療連携拠点病院を通じて情報の周知を行う。
結果と考察
(1)NCD上に肝癌・非代償性肝硬変患者の複数回入院・治療を把握できるデータベースを構築し、データ収集を開始した。日本肝癌研究会追跡調査参加施設に案内を行い、平成30年度末までに140施設163診療科から初回入院6615人、入院情報8435件分の入力を得た。入力協力施設に対するインセンティブ支払いシステムを構築し、登録症例数に従ってインセンティブの支払いを行った。各病院との質疑応答、データベースの不具合修正を適宜行った。臨床調査個人票のデータ収集システムを構築し、データ収集を開始した。(2)マニュアル整備を行い全国肝疾患診療連携拠点病院と都道府県肝炎政策担当者によるブロック戦略会議にて同事業の周知と効率的な運用方法について協議した。
結論
当初の予定通り肝癌・重度肝硬変患者の複数回入院を把握できる我が国初のデータベース構築を行う事ができた。今後はさらに参加施設を増やし、データの充実を図る。得られたデータは、今後解析することによって当該患者の実態を解明し、さらには診療ガイドラインに資するエビデンスの供給を行えるものと考えられる。インセンティブ支払いは先進的な試みであったが、十分に機能することが実証された。タスクシフティングを促進し、医療現場の負担につながると期待される。肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業については、参加患者の増加を図るためにさらなる環境整備が必要であると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2019-09-20
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2019-09-20
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201820009Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
70,000,000円
(2)補助金確定額
70,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,438,591円
人件費・謝金 4,804,708円
旅費 3,412,230円
その他 37,741,911円
間接経費 14,519,232円
合計 62,916,672円

備考

備考
症例登録数に応じたインセンティブ費用について、当初の想定よりも若干少額であったため。

公開日・更新日

公開日
2020-03-10
更新日
-