肝炎ウイルス検査受検から受診、受療に至る肝炎対策の効果検証と拡充に関する研究

文献情報

文献番号
201820006A
報告書区分
総括
研究課題名
肝炎ウイルス検査受検から受診、受療に至る肝炎対策の効果検証と拡充に関する研究
課題番号
H29-肝政-指定-003
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
江口 有一郎(国立大学法人佐賀大学 医学部 附属病院 肝疾患センター)
研究分担者(所属機関)
  • 是永 匡紹(国立国際医療研究センター 肝炎情報センター)
  • 考藤 達哉(国立国際医療研究センター 肝炎・免疫研究センター)
  • 四柳 宏(東京大学医科学研究所 先端医療研究センター )
  • 八橋 弘(国立病院機構長崎医療センター 臨床研究センター)
  • 小川 浩司(北海道大学病院 消化器内科)
  • 坂本 穣(山梨大学医学部附属病院肝疾患センター 山梨大学大学院総合研究部)
  • 玄田 拓哉(順天堂大学医学部附属静岡病院 消化器内科)
  • 小林 良正(浜松医科大学医学部  内科学第二講座)
  • 野ツ俣 和夫(福井県済生会病院 内科)
  • 西口 修平(兵庫医科大学 内科学 肝・胆・膵内科)
  • 池田 房雄(岡山大学病院 消化器内科)
  • 小野 正文(高知大学医学部附属病院 内視鏡診療部)
  • 日高 勲(山口大学医学部附属病院 肝疾患センター)
  • 井出 達也(久留米大学医学部 内科学講座 消化器内科部門)
  • 本田 浩一(大分大学医学部 消化器内科)
  • 佐々木 裕(熊本大学大学院 生命科学研究部)
  • 前城 達次(琉球大学医学部付属病院 第一内科)
  • 裴 英洙(ハイ エイシュ)(ハイズ株式会社)
  • 米澤 敦子(NPO法人 東京肝臓友の会)
  • 小川 朝生(国立がん研究センター)
  • 平井 啓(大阪大学 経営企画オフィス)
  • 浅井 文和(国立国際医療研究センター 肝炎情報センター)
  • 立石 清一郎(産業医科大学 産業医実務研修センター)
  • 古屋 博行(東海大学医学部基盤診療学系 公衆衛生学)
  • 滝川 康裕(岩手医科大学・内科学講座消化器内科肝臓分野)
  • 渡邉 英徳(国立大学法人東京大学大学院情報学環境)
  • 持田 智(学校法人埼玉医科大学・消化器内科・肝臓内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 肝炎等克服政策研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
30,760,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
肝炎ウイルス検査受検から受診、受療に至る肝炎対策の効果検証と拡充に関して、本研究では、全国自治体における肝炎ウイルス検査受検から受診、受療に至る肝炎対策への現状調査および拡充のためのヒューマンリソースとして、改訂された肝炎対策基本指針にも記載されている肝炎医療コーディネーター(以下、肝炎Co)の養成および活動の現状について調査を行っている。しかし自治体における肝炎ウイルス検査実施の実態や肝疾患診療連携拠点病院、職域でのCoの養成や活用には課題が多い。本研究ではこれらの課題を分析し、効果的な対策を見出し、全国レベルで展開することを目標として(1)受検・受診・受療・フォローアップの推移の実態・各ステップにおけるハードルを正確に分析。(2)ハードル解消のための肝炎Coに対する教育システムや資材(ツール)を整え、肝炎Coが効果的に活動できる体制を構築し、肝炎医療の拡充を図ることを目的にしている。平成29年度より肝炎ウイルス検査受検から受診、受療に至る肝炎対策の効果を検証し、また肝炎対策が効果的に進む切り札とも言える肝炎Co活躍のための促進・阻害要因を全国の肝炎Coおよび所属機関、肝臓専門医を含む周囲の医師、患者および患者家族を平成29年度から全国レベルで調査し、活動の現状および課題について明らかにしてきた。平成30年度はこの結果をもとに、具体的に課題を解決するための資材づくりに着手する。また、平成29年度に引き続いて肝炎Coを取り巻く現状及び課題について調査を継続する。
研究方法
(方法1)国内で実際に活動するCoや活動に関わる行政、拠点病院等の医療関係者に質的・量的調査を実施し、養成およびスキルアップのツールを作成する。
(方法2)研究班への協力県と共同で、47都道府県に対して、肝炎医療Co養成・スキルアップ等に関する都道府県の要項について広く調査を行い、その分析、総合報告を行う。
(方法3)肝炎医療Coの活動の制御要因のひとつである肝臓専門医や医療機関、行政機関の管理者のCoの意義の認識を高めるための説明資材を開発する。
(方法4)ヒト型ロボットPepperを用いた肝疾患の啓発の有効性および肝炎医療Coの活動支援の新たなツールとしての可能性の検討を行う。
(方法5)平成29年度に引き続き、肝炎対策の各ステップにおける肝炎Coの活動の事例を広く収集するため、国内で実際に活動するコーディネーターや活動に関わる行政、拠点病院等の医療関係者に個別またはグループによる半構造化面接を中心とした質的調査と質問票による量的調査を行った。さらに、班員全員で、事例収集に留まらず各事例を「誰の、どの活動が、誰に、どうインパクトを与えたか」と多方面から調査、分析することで、各地の肝炎コーディネーターの優良および反省事例など幅広い事例を収集し、全国展開可能な要素に分解し分析した。
結果と考察
(結果1)全国の肝炎Coの活動のイメージを補助するための視聴教材として動画コンテンツを8編(平成31年3月現在)作成し、研究班のウェブ上に掲載した。更に多数の職種や幅広い活動事例についてもコンテンツの充実を図っている。また、肝炎Coとして住民や患者への相談業務を行う上で、臨床現場を考慮したポケットマニュアルを作成した。更に、肝炎Coとして、特に肝がんと診断された患者や家族向けの説明資材として療養支援ハンドブックを作成した。
(結果2)全47都道府県の肝炎対策担当部署から回答を得た。H30年8月時点で肝炎医療コーディネーターの養成を43の都道府県で行っており、肝炎医療コーディネーター養成研修会の具体的な内容である、開催場所や時間、周知方法、講義内容や試験の有無、プログラムの作成の主体、運営の主体等に関して、研修会の実情がわかり、各自治体が養成研修会を実施する際の参考となる資料を作成した。
(結果3)肝炎Coの活動を支援する立場である肝臓専門医に向けた肝炎Co支援マニュアル「もしもコメディカルが肝炎医療コーディネーターだったら」を作成した。
(結果4)pepperを利用した肝炎ウイルス検査の啓発により、受検率が15〜18倍と大きく向上した。
結論
平成29年度より全国レベルで幅広い職種の肝炎Coの事例収集を開始し、促進・阻害要因を整理した上で、平成30年度には理想的な対策や様々な肝炎Coの教育ツールや手法、活動を支援する資材を開発し、モデル地区での導入を開始した。

公開日・更新日

公開日
2019-09-20
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2019-09-20
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201820006Z