文献情報
文献番号
201819018A
報告書区分
総括
研究課題名
MSMにおける予防啓発活動の評価手法の確立及びPDCAサイクル構築のための研究
課題番号
H30-エイズ-一般-006
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
塩野 徳史(大阪青山大学 健康科学部 看護学科)
研究分担者(所属機関)
- 金子 典代(名古屋市立大学 看護学部)
- 健山正男(国立大学法人琉球大学大学院医学系研究科 )
- 松岡佐織(国立感染症研究所 エイズ研究センター)
- 山本政弘(独立行政法人国立病院機構九州医療センター AIDS/HIV総合治療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策政策研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
12,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
日本ではCBO(Community based organization)・医療者・疫学研究者等による協働のもと予防啓発が進められ、先行研究ではMSM(Men who have sex with men)のコンドーム使用行動は20%促進され、より感染リスクの高い層への啓発も進められているが、地方地域では都市部と比べ格差がある。日本全体では予防啓発活動基盤は脆弱で予防規範は未成熟であり、CBOは疲弊している。今後の活動にはスマートフォン普及によるゲイツーリズム活性化や外国籍MSMもふまえることが重要であり、オールジャパンでの取り組みが効果的な手法と考えられ、その体制を整備していく必要がある。
研究方法
初年度は現在展開されている予防啓発活動を整理し、実態の把握方法と評価の体制を整備し、2回の意見交換の機会を設定した。その中で①社会疫学的見地からの評価 ②CBOによる相互間の評価 ③相談支援者・HIV陽性当事者からみた予防介入の効果評価 ④予防行動に関する量的データ収集および包括的分析からの評価 ⑤日本のMSMにおけるHIV感染動向の把握と予防啓発活動の評価 ⑥医療者による新規患者・診療動向からの評価を試行した。
結果と考察
研究1では各地域CBOの予防啓発活動の実態についてはフォーマットを作成し予防啓発活動の可視化に繋がることを目的に試行した。またMSMにおける新しい予防(PEP/PrEP)の準備性の把握するためにインターネットモニターを活用した調査を実施した。研究2ではプログラムレベルのモニタリング体制としてコミュニティセンター利用者調査の実施方法について検討し、質問紙を作成し、実施体制を整備した。研究3では大阪市と協働し7回のHIV抗体および梅毒抗原抗体検査会を実施し、コホート調査を継続した。研究4では研究内容を再検討し沖縄に流入する外国人MSMを対象として、彼らの予防行動(検査行動および感染リスク行動)を明らかにすることを目的に研究を進めた。研究5ではHIV感染に関連する発生動向のデータを概ね入手し整理を進めた。解読不能な部分が時間を要したが、基礎データをまとめるための体制を整備した。研究6では、主な医療機関でのHIV/AIDS患者の傾向を把握するためにアンケート調査の内容を検討し、倫理委員会の承認を得て準備を進めた。
結論
次年度以降は研究1から研究6の成果を軸に、継続的に年に2回の意見交換の機会を設定し、当事者参加型で予防啓発活動の方向性を検討する。
公開日・更新日
公開日
2019-05-27
更新日
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