地域連携に基づいた医療機関等における薬剤耐性菌の感染制御に関する研究

文献情報

文献番号
201818004A
報告書区分
総括
研究課題名
地域連携に基づいた医療機関等における薬剤耐性菌の感染制御に関する研究
課題番号
H28-新興行政-一般-004
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
八木 哲也(名古屋大学 大学院医学系研究科 臨床感染統御学)
研究分担者(所属機関)
  • 大毛 宏喜(広島大学病院 感染症科・感染制御学)
  • 村上 啓雄(岐阜大学医学部附属病院 生体支援センター・感染制御学)
  • 飯沼 由嗣(金沢医科大学医学部 臨床感染症学・感染制御学)
  • 具  芳明(国立国際医療研究センター病院 AMR臨床リファレンスセンター情報・教育支援室)
  • 村木 優一(京都薬科大学 医療薬科学系 臨床薬剤疫学分野)
  • 藤本 修平(東海大学医学部 基礎医学系 生体防御学・微生物学、医療情報学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成30(2018)年度
研究費
2,263,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班においては、本年度は我が国で制定されたAMR対策アクションプランに基づく薬剤耐性菌対策を推進するために、その基盤となる我が国に特徴的な感染制御の地域連携ネットワーク機能を改善・支援するために、一つのネットワークモデルの提示、共有・活用可能な資料やガイドの作成、ネットワーク支援ツールの開発と普及を目的とした。さらに、3年間で得た知見をもとに地域連携に基づいた医療機関等における薬剤耐性菌対策の提言をまとめることとした。
研究方法
ネットワークモデルとしては、広島大学(大毛)の取り組みをモデル化し、実際の活動を通じてその課題と改善に取り組んだ。資料やガイドの作成(八木、飯沼、村上、具)は、昨年度までの国内外のエビデンスの収集、アンケート調査などをもとに作成した。国公協から参加施設を募り、CRE感染症患者の臨床的解析を行った。ネットワーク支援ツールの開発については、J-SIPHEの開発を支援し、JACSデータの統合、新しい抗菌薬使用量算出法の開発を行った。J-SIPHE開発とは別に、ネットワークでのサーベイランス情報を可視化するツールを開発し普及、改善を行った。
結果と考察
地域ICTの組織化と運営を通じて、人材派遣上の経済的、安全上の課題、人材育成の重要性が見出された。またJANISデータを活用できるサーベイランス法を鳥取大学から導入した(大毛)。資料・ガイドとしては、「CRE/CPE対策のエッセンス」(八木)、「グラム陰性薬剤耐性菌制御に関わる環境整備に関する資料集」(飯沼)、「介護施設等における薬剤耐性菌対策ガイド」(村上)、「外来における急性気道感染症に対する抗菌薬適正使用の実践を推進することための患者向け説明用資材」(具)を作成し、ホームページ上に公開した。我が国でのCRE感染症症例の臨床的特徴を明らかにし、合併症が多いこと、菌血症であることが死亡リスク因子であることを明らかにした。支援ツールは、J-SIPHE開発に連動して抗菌薬使用量調査法を開発し、JACSデータに基づき我が国での抗菌薬使用量データを解析した(村木)。またJ-SIPHEとは独立して複数施設での薬剤耐性菌検出状況を可視化するようなツール(複数施設解析版2DCM-web、Σ-alert matrixなど)を開発した(藤本)。3年間の班活動を通じ、班員、研究協力者全員で討議し地域連携に基づいた医療機関等における薬剤耐性菌対策の提言をまとめた。
結論
薬剤耐性菌対策の推進という区政労働行政の課題解決に直接的・間接的に資する、感染制御の地域連携ネットワークモデルの提示、ガイドや資料の作成、ネットワーク活動支援ツールの開発と支援を行った。我が国の抗菌薬使用状況を明らかにし、提言をまとめることにより政策決定に有用な基礎情報を提供できた。

公開日・更新日

公開日
2019-08-01
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2019-08-01
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201818004B
報告書区分
総合
研究課題名
地域連携に基づいた医療機関等における薬剤耐性菌の感染制御に関する研究
課題番号
H28-新興行政-一般-004
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
八木 哲也(名古屋大学 大学院医学系研究科 臨床感染統御学)
研究分担者(所属機関)
  • 大毛 宏喜(広島大学病院 感染症科・感染制御学)
  • 村上 啓雄(岐阜大学医学部附属病院 生体支援センター 感染制御学)
  • 飯沼 由嗣(金沢医科大学医学部 臨床感染症学・感染制御学)
  • 具  芳明(国立国際医療研究センター病院 AMR臨床リファレンスセンター情報・教育支援室)
  • 村木 優一(京都薬科大学 医療薬科学系 臨床薬剤疫学分野)
  • 藤本 修平(東海大学医学部基礎医学系 生体防御学・微生物学、医療情報学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成30(2018)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班においては、我が国で制定されたAMR対策アクションプランに基づく薬剤耐性菌対策を推進するために、我が国に特徴的な感染制御の地域連携ネットワークを有効に機能させるための、一つのネットワークモデルを提示すること、ネットワークで共有・活用可能な資料やガイドを作成すること、ネットワーク活動を支援するツールを開発することを目的とした。さらに、地域連携に基づいた医療機関等における薬剤耐性菌対策の提言をまとめる。
研究方法
ネットワークのモデルとしては、感染防止対策加算算定外の施設にも支援可能なネットワークの構築を目指し、課題も抽出した。ガイドや資料は、アンケート調査等で現状を把握しつつ、国内外のエビデンスを収集し作成した。多施設共同研究によるCRE感染症患者の臨床的検討、抗菌薬販売量・NDBから我が国の抗菌薬使用状況を解析した。ネットワーク支援ツールとしては、J-SIPHEの開発支援を通じて、抗菌薬使用量を簡易に算出するソフトを開発すると共に、J-SIPHEとは別に地域連携ネットワークでのサーベイランス支援ツールを作成した。3年間で得た知見をもとに医療機関等における薬剤耐性菌対策の提言をまとた。
結果と考察
ネットワークモデルとしては、行政や医師会などの参加が必須で、サーベイランスの情報共有、相互啓発と対策の標準化、有事での相互支援が重要である。特に相互支援時の人材派遣の仕組みつくり、ネットワーク内の人材育成などの課題が見いだされた(大毛)。「CRE/CPE対策のエッセンス」(八木)、「グラム陰性薬剤耐性菌制御に関わる環境整備に関する資料集」(飯沼)、「介護施設等における薬剤耐性菌対策ガイド」(村上)、「外来における急性気道感染症に対する抗菌薬適正使用の実践を推進することための患者向け説明用資材」(具)をそれぞれ作成し、ホームページ上に公開した。我が国の抗菌薬使用状況を明らかにすると共に、CRE感染症患者の臨床的特徴と死亡のリスクファクターを明らかにした。J-SIPHE開発を一貫して支援すると共に、販売量やNDB, JACSデータなど様々な情報源からの多面的な抗菌薬使用状況を明らかにした。(村木)複数施設での薬剤耐性菌検出状況を可視化するようなツール(複数施設解析版2DCM-web、Σ-alert matrixなど)を開発し、ホームページに公開し、普及・改良に努めた(藤本)。地域連携に基づく医療機関等における薬剤耐性菌対策についての提言をまとめた。
結論
薬剤耐性菌対策の推進という区政労働行政の課題解決に資する、感染制御の地域連携ネットワークモデルの提示、ガイドや資料の作成、ネットワーク活動支援ツールの開発と支援を行った。我が国の抗菌薬使用状況を明らかにし、提言をまとめることにより政策決定に有用な基礎情報を提供した。

公開日・更新日

公開日
2019-08-01
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2019-08-01
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201818004C

収支報告書

文献番号
201818004Z