文献情報
文献番号
201817038A
報告書区分
総括
研究課題名
New Long Stay防止統合プログラムの有用性の検証と汎用性の確立
課題番号
H30-精神-一般-003
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
伊豫 雅臣(国立大学法人千葉大学 大学院医学研究院)
研究分担者(所属機関)
- 渡邉 博幸(国立大学法人千葉大学 社会精神保健教育研究センター)
- 小松 英樹(国立大学法人千葉大学 医学部附属病院)
- 木村 大(国立大学法人千葉大学 大学院医学研究院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書（概要版）
研究目的
千葉大学大学院医学研究院精神医学および同大学社会精神保健教育研究センターでは，入院後概ね1年未満で退院する精神障害者に対する円滑な地域移行及び地域定着を支援する診療モデル『New Long Stay 防止統合プログラム』（以下プログラム）を2015年に立案し，2017年2月より千葉市内の200床規模の民間精神科『医療法人学而会木村病院』での実践を主導している。
本研究では，平成30-31年度に，このプログラムによる地域移行・地域定着のアウトカムを詳細に分析し，実施の効果を明らかにする。また，プログラム実施下での職員の実務量や業務負担の変化を明らかにし，既存の精神科病院運営上の人的・医療経済的課題を抽出し，広く他施設で導入するに当たっての課題を提示する。さらに，平成31-32年度に他精神科病院への研修や診療ツールの提供などを行い，当該施設への導入を図り,本プログラムの汎用性を確立する。
本研究では，平成30-31年度に，このプログラムによる地域移行・地域定着のアウトカムを詳細に分析し，実施の効果を明らかにする。また，プログラム実施下での職員の実務量や業務負担の変化を明らかにし，既存の精神科病院運営上の人的・医療経済的課題を抽出し，広く他施設で導入するに当たっての課題を提示する。さらに，平成31-32年度に他精神科病院への研修や診療ツールの提供などを行い，当該施設への導入を図り,本プログラムの汎用性を確立する。
研究方法
１）プログラム導入による臨床アウトカムを明らかにする（アウトカム分析研究）
医療法人学而会木村病院でのプログラム導入前（平成27-28年度）と後（平成29-30年度）の各2年間における種々の診療統計結果（３ヶ月退院率，１２ヶ月退院率，再入院率，退院後３ヶ月以内再入院率，精神科病床数，平均在院日数，退院後外来継続率，１日処方薬剤数，クロルプロマジン換算抗精神病薬処方量，持効性筋注製剤投与率など）をアウトカム指標として比較し,本プログラム導入による地域定着・再発防止に関する有用性を明らかにする。
２）プログラム導入による医業経営や労務管理への影響を明らかにし，現行診療報酬体系下での持続可能性を分析する（医業経営・労務分析研究）
本プログラム導入前（平成27-28年度）と後（平成29-30年度）の各2年間における医業収支，業務時間（人時・人日），職場のストレス尺度評価，職場の快適度チェックシートなどを評価指標として比較検討し，プログラム導入による医業経営や労務管理への影響を明らかにする。
また，個別治療チームやケア担当者会議での連携・協働を担う保健福祉行政や事業所、訪問看護ステーション等との連携や協働にかかる業務の質的量的負担を分析し，多施設連携遂行の実施課題を抽出する。
３）他精神科医療機関へのプログラム導入を支援する（プログラム導入支援研究）
①地域移行・地域定着の方法論共有のための公開講座・研修会の主催
②導入希望精神科医療機関の地域移行，地域定着の取り組みの現状について調査・分析を行い，長所や解決課題を明らかにし，各医療施設の特性に応じた体制構築支援計画を作成し，導入・実施に協力する。
③1年間のフォローアップを行い，プログラムのアウトカムを，１）と同様の方法で明らかにし，さらにわが国の精神科臨床実地で汎用性に富む有用な診療サービスモデルへの改良を図る。
医療法人学而会木村病院でのプログラム導入前（平成27-28年度）と後（平成29-30年度）の各2年間における種々の診療統計結果（３ヶ月退院率，１２ヶ月退院率，再入院率，退院後３ヶ月以内再入院率，精神科病床数，平均在院日数，退院後外来継続率，１日処方薬剤数，クロルプロマジン換算抗精神病薬処方量，持効性筋注製剤投与率など）をアウトカム指標として比較し,本プログラム導入による地域定着・再発防止に関する有用性を明らかにする。
２）プログラム導入による医業経営や労務管理への影響を明らかにし，現行診療報酬体系下での持続可能性を分析する（医業経営・労務分析研究）
本プログラム導入前（平成27-28年度）と後（平成29-30年度）の各2年間における医業収支，業務時間（人時・人日），職場のストレス尺度評価，職場の快適度チェックシートなどを評価指標として比較検討し，プログラム導入による医業経営や労務管理への影響を明らかにする。
また，個別治療チームやケア担当者会議での連携・協働を担う保健福祉行政や事業所、訪問看護ステーション等との連携や協働にかかる業務の質的量的負担を分析し，多施設連携遂行の実施課題を抽出する。
３）他精神科医療機関へのプログラム導入を支援する（プログラム導入支援研究）
①地域移行・地域定着の方法論共有のための公開講座・研修会の主催
②導入希望精神科医療機関の地域移行，地域定着の取り組みの現状について調査・分析を行い，長所や解決課題を明らかにし，各医療施設の特性に応じた体制構築支援計画を作成し，導入・実施に協力する。
③1年間のフォローアップを行い，プログラムのアウトカムを，１）と同様の方法で明らかにし，さらにわが国の精神科臨床実地で汎用性に富む有用な診療サービスモデルへの改良を図る。
結果と考察
１）評価対象となる臨床指標について，データベースを構築し，数値の入力を継続的に行っている。
２）医業経営および労務管理上の指標について，参照する資料の収集，整理を行っている。
３）他精神科医療機関へのプログラム導入支援として，下記の学会，研修会で教育講演等を行った。
①2018年1月28日 平成29年度千葉県精神障害者ピアサポート専門員養成研修（もりんぴあ公津）
『精神疾患の基礎知識－当事者も支援者も社会に拡がっていこう－』
②2018年3月11日 千葉市精神障害者地域移行支援研修会（千葉市総合保健医療センターにて）
『精神科医療のこれまでとこれから－精神障害者の地域移行の観点から－』
③2018年3月14日 千葉労働局主催障害者就労支援セミナー（千葉教育会館にて）
『発達障害の人の特性と就労支援』
④2018年7月21日 日本精神科看護協会千葉県支部研修会（千葉市文化センターにて）
２）医業経営および労務管理上の指標について，参照する資料の収集，整理を行っている。
３）他精神科医療機関へのプログラム導入支援として，下記の学会，研修会で教育講演等を行った。
①2018年1月28日 平成29年度千葉県精神障害者ピアサポート専門員養成研修（もりんぴあ公津）
『精神疾患の基礎知識－当事者も支援者も社会に拡がっていこう－』
②2018年3月11日 千葉市精神障害者地域移行支援研修会（千葉市総合保健医療センターにて）
『精神科医療のこれまでとこれから－精神障害者の地域移行の観点から－』
③2018年3月14日 千葉労働局主催障害者就労支援セミナー（千葉教育会館にて）
『発達障害の人の特性と就労支援』
④2018年7月21日 日本精神科看護協会千葉県支部研修会（千葉市文化センターにて）
結論
３年間の研究の初年度であるが、予定通り順調に進捗している。
公開日・更新日
公開日
2019-08-28
更新日
-