免疫アレルギー疾患対策に関する研究基盤の構築

文献情報

文献番号
201812006A
報告書区分
総括
研究課題名
免疫アレルギー疾患対策に関する研究基盤の構築
課題番号
H30-免疫-指定-003
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
玉利 真由美(東京慈恵会医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 松本 健治(国立研究開発法人 国立成育医療研究センター・免疫アレルギー・感染研究部・部長)
  • 海老澤 元宏(国立病院機構相模原病院 臨床研究センター・副臨床研究センター長)
  • 藤枝 重治(国立大学法人福井大学・医学部学術研究院医学系部門・教授)
  • 天谷 雅行(慶応義塾大学・医学部・教授)
  • 足立 剛也(国立研究開発法人 日本医療研究開発機構・戦略推進部難病研究課・主幹)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(免疫アレルギー疾患等政策研究 免疫アレルギー疾患政策研究分野)
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
3,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我が国において、免疫アレルギー疾患患者数は非常に多く社会問題となっている。アレルギー疾患対策基本法(以下、基本法)が平成26年6月に成立し、それらの推進に関する基本指針が平成29年3月に告示された。この中で疫学研究、基礎研究、治療開発及び臨床研究の長期的かつ戦略的な推進が必要であることが示されている。本研究は関係学会との連携を基盤に、免疫アレルギー基盤の醸成、国際連携を念頭に置いた研究基盤の構築を目的とする。免疫アレルギー疾患に対して安心して生活できる社会を構築するため、我が国の免疫アレルギー分野における研究状況や国際情勢を正確に把握し、産官学民の連携と患者の参画に基づいた研究戦略を適切に立て、研究戦略の進行状況を随時確認し、研究戦略を適切に実践していく。
研究方法
2018.12.5,および2019.2.5に主任・分担研究者による班会議を行なった。さらに複数回のミーティングを行なった。この免疫アレルギー10か年戦略の内容について、一般の方に幅広く知っていただくため、一般向け日本語冊子を作成した。原稿を作成し、内容を理解していただくための図表の作成、サムネイルの作成、冊子に使用可能な写真の収集を行った。班会議及びミーティングにおいて加筆・修正すべき点や強調すべき点の討議を行った。
本戦略の評価方法について検討した。アレルギー疾患の患者数の把握のため、NDB等のデータベースをアレルギー領域で活用することが可能か、NDBを用いた疫学研究を実際に行なっている研究者に研究協力者として参画してもらい、討議した。
本研究戦略の工程について、どのような研究体制の構築が望ましいか、また効率的な支援のあり方等について検討した。また本研究戦略を政策や実用化研究等に活かしていくためにはどのような体制が必要か検討した。
結果と考察
一般向け日本語冊子、免疫アレルギー疾患研究10か年戦略2030~「見える化」による安心社会の醸成~が、2019.3.29に冊子(pdfファイル)が完成した。今後、アレルギー関連の各学会に配信していくこと、工学系の組織や企業にも本冊子を送付し、本戦略を周知していくこととなった。今後、国際連携可能な研究基盤情報の構築とグローバルデータシェアリングの推進等を行うためにも、国内外への本戦略の周知は必要と考えられた。
また、各班会議およびミーティングにおいて本研究戦略の評価方法について検討を行った。レセプト情報・特定検診等情報データベース(NDB)等のデータベースの活用について検討した。NDBでは疾患定義が重要であり、本研究班の研究分担者が中心となり、それぞれの専門領域の疾患定義について議論することとなった。またその集計結果を一定の期間ごとに男女別、都道府県別、年齢別に評価できるか検討していくことになった。一方、現在基本法、基本指針に基づき、医療提供体制の構築が進められている。これらの医療機関との円滑な連携を構築し、詳細なデータベースを構築することも検討していくこととなった。また本研究戦略の工程について、どのような研究体制の構築が望ましいか、また効率的な支援のあり方等について検討し、優先事項や、活用していくべき研究プログラム等の確認を行った。国際連携については2020年に、日本アレルギー学会と世界アレルギー機構(World Allergy Organization: WAO)とで共同開催される第69回日本アレルギー学会学術大会(JSA/WAO Joint Congress 2020)において、若手研究者のためのシンポジウムを行うこととなった。今回策定された免疫アレルギー疾患研究戦略10か年戦略は、これまで厚生労働省を含む省庁やAMED等で行われてきた研究課題と大きく逸脱するものではなく、適切な課題設定がなされてきたと言える。一方で、10か年戦略の策定により、新たな取り組みやさらなる連携が必要な戦略が明らかとなった。各戦略がその特性に応じて、今後も政策研究、実用化研究の枠組みの中で適切に実行されていくことが重要である。
結論
本研究班の報告書をもとに、一般向け小冊子を作成した。このpdfファイルを厚生労働省の補助事業である日本アレルギー学会のアレルギーポータルサイト(https://allergyportal.jp)にて公開し、各関連学会および団体に送付して周知していく。この戦略の報告書の内容を世界の研究者に周知し、国際連携を推進するため、報告書の英語化を行った(投稿準備中)。今後、免疫アレルギーの学術雑誌(日本語、英語)に投稿して情報発信をする予定である。また免疫アレルギー研究10か年戦略の評価方法について、工程表案を作成した。引き続き、国内外の研究状況を把握し、研究戦略の進行状況を確認していく。

公開日・更新日

公開日
2020-03-13
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2020-03-13
更新日
2023-07-14

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201812006Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
4,934,000円
(2)補助金確定額
4,934,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 527,091円
人件費・謝金 120,000円
旅費 1,308,804円
その他 1,845,689円
間接経費 1,134,000円
合計 4,935,584円

備考

備考
各研究分担者への補助予定金額が20万円であったが、一名の研究分担者の旅費、消耗品等の実支出合計金額が201,584円となり、1584円の超過となった。自己資金より支出した。

公開日・更新日

公開日
2020-03-13
更新日
-