間質性膀胱炎の患者登録と診療ガイドラインに関する研究

文献情報

文献番号
201811085A
報告書区分
総括
研究課題名
間質性膀胱炎の患者登録と診療ガイドラインに関する研究
課題番号
H30-難治等(難)-一般-013
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
本間 之夫(東京大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 後藤 百万(名古屋大学 医学系研究科)
  • 武田 正之(山梨大学 医学部)
  • 横山 修(福井大学 医学部)
  • 井川 靖彦(東京大学 大学院医学系研究科)
  • 山西 友典(獨協医科大学 排尿機能センター)
  • 巴 ひかる(東京女子医科大学 東医療センター)
  • 柿崎 秀宏(旭川医科大学 医学部)
  • 酒井 英樹(長崎大学 医学部)
  • 石塚 修(信州大学 医学部)
  • 松原 昭郎(広島大学 医学部)
  • 舛森 直哉(札幌医科大学 医学部)
  • 長岡 明(山形大学 医学部)
  • 榎本 裕(三井記念病院 泌尿器科)
  • 新美 文彩(東京大学 医学部)
  • 野宮 明(東京大学 医学部)
  • 前田 大地(大阪大学 医学部)
  • 秋山 佳之(東京大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
3,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
間質性膀胱炎(IC)は、膀胱痛、膀胱不快感、頻尿などの症状を呈する原因不明の疾患で、ハンナ病変を有するハンナ型間質性膀胱炎が指定難病である。本疾患のガイドラインは我が国のものを含めて複数あるが、診断基準や分類基準が異なり、高い推奨度を有する治療法もない。不明確なハンナ病変の診断法、重症度基準、診療・治療の実態を明らかにするとともに、病態の解明に基づく画期的な治療の開発が必要である。今回の研究では、間質性膀胱炎患者のデータベース登録数をし、それを解析して上記の不明点を明らかにし、診療ガイドラインの確立をすることを目的とする。
研究方法
今回の研究では、診断法および重症度の妥当性の解析を目指し、まず基礎資料として、①患者データベースの登録数の増加を目的とする。それを利用して、②研究班ホームページ開設、③ハンナ型ICの診断方法の標準化、④重症度判定の標準化、⑤治療成績の実態調査、を行う。更に⑥ガイドラインの改訂も合わせて行う。
結果と考察
平成30年度は患者データのオンラインレジストリシステムへの登録数の増加を目的として、研究班班員および関連施設に登録の呼びかけを行った。その結果平成30年12月時点で登録数が80名から250名まで増加したことが確認できた。本データに基づき中間解析を行い、結果を班員が共有できるように平成30年6月30日に開催された班会議にて報告を行った。現在行われている治療について、治療別に効果の大きさや治療上の問題点などを検討し、実際の治療の有効性・安全性を明確にすることも目的としており、最終的には500名程度の症例が集まった時点で最終解析を行う予定であるが、平成30年に患者背景の第1回目の中間解析を行い、6月に行われた班会議にて報告した。
また、平成30年度の目標の1つとして、国民および一般臨床医へ広く啓発を行うことを目的とした研究班のホームページ開設を行うこととしていたが、これについては平成30年10月よりホームページ作成に着手し、現在開設に向けて準備を行っている。平成31年6月までには公開が可能な状態になる予定である。
間質性膀胱炎(ハンナ型)の診断方法および重症度判定の妥当性検討および標準化については平成31年度末での標準化を目指している。間質性膀胱炎(ハンナ型)の頻度分布や、困窮度スコアを最終的な目的変数として、症状(症状スコアや疼痛スコア)や QOL スコアの他、排尿記録の指標、内視鏡所見、病理所見など、客観的な項目を説明変数に加え、もっとも合理的で実際的な重症度判定基準を作成する。特に頻度の高い施設と低い施設の診断基準が異なることが想定されるので、それらの施設の研究者を含む研究班を構成して、内視鏡診断の標準化をはかる。また、病理所見での判別が可能かどうかも併せて検討し、内視鏡と病理所見を合せた総合的なハンナ型ICの診断基準を作成する。レジストリ登録が完了した時点で統計解析を行い検討するため、現時点ではまだ標準化の検討には至っていない。
本研究の目標の一つとして上げていた間質性膀胱炎の診療ガイドラインの改訂については、現在、既に日本泌尿器科学会等の関連学会の承認と協力のもとにガイドラインの改訂および上梓を完了した。
結論
本研究の目標の一つとして上げていた胱炎の診療ガイドラインの改訂については、日本泌尿器科学会等の関連学会の承認と協力のもとに2019年4月に上梓を完了した。
今後はデータベースの解析を行い診断および重症度評価の妥当性の評価を行う予定である。

公開日・更新日

公開日
2019-12-26
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2020-01-09
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201811085Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
4,940,000円
(2)補助金確定額
3,995,000円
差引額 [(1)-(2)]
945,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 60,960円
人件費・謝金 475,000円
旅費 288,960円
その他 2,030,152円
間接経費 1,140,000円
合計 3,995,072円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2020-04-03
更新日
-