皮膚の遺伝関連性希少難治性疾患群の網羅的研究

文献情報

文献番号
201811059A
報告書区分
総括
研究課題名
皮膚の遺伝関連性希少難治性疾患群の網羅的研究
課題番号
H29-難治等(難)-一般-049
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
橋本 隆(大阪市立大学大学院医学研究科 皮膚病態学)
研究分担者(所属機関)
  • 金澤 伸雄(和歌山県立医科大学 皮膚科学講座)
  • 森脇 真一(大阪医科大学 皮膚科学)
  • 米田 耕造(大阪大谷大学 薬学部臨床薬理学講座)
  • 古村 南夫(福岡歯科大学 口腔歯学部)
  • 大畑 千佳(久留米大学 医学部皮膚科)
  • 照井 正(日本大学 医学部)
  • 鶴田 大輔(大阪市立大学大学院医学研究科 皮膚病態学)
  • 川上 民裕(東北医科薬科大学 医学部)
  • 下村 裕(山口大学 大学院医学系研究科)
  • 中野 創(弘前大学 大学院医学研究科)
  • 新谷 歩(大阪市立大学大学院医学研究科 医療統計学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
12,126,000円
研究者交替、所属機関変更
所属機関変更 研究分担者 川上 民裕 聖マリアンナ医科大学 医学部→東北医科薬科大学 医学部(平成30年10月1日以降)

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の第一の目的は、研究代表者の橋本隆の総括のもと、11名の研究分担者により、皮膚の遺伝関連性希少難治性疾患群、10群、18疾患に関して、最終的な診断基準・重症度分類を作成および改定することである。新たに対象疾患に追加した、2種の自己炎症性皮膚疾患、4種の穿孔性皮膚症については新規に診断基準・重症度分類の試案を作成する。
第二の目的は、全国の施設へのアンケート等による疫学調査およびその解析を継続することである。さらに、その必要がある疾患については、新たに患者および患者家族のQuality of Life(QOL)の調査を施行する。
第三の目的は、各疾患に関するレジストリとレポジトリの作成である。すでに作成を開始している疾患については、そのレジストリとレポジトリの内容を更改・充実する。また、まだレジストリとレポジトリがない疾患については、その作成を開始する。そして、これらのレジストリとレポジトリを用いてデータシェアリングを推進する。
第四の目的は、各疾患について、クリニカルクエスチョン(CQ)作成・文献渉猟・システマティックレビューによる診療ガイドラインを策定し、その診療ガイドラインを和文・英文論文として発表しホームページで公開する。
さらにそれ以外の目的として、研究対象の遺伝性皮膚疾患の遺伝子診断を行い、診断技術の向上を進め、それらの結果から病態解明し、さまざまな臨床研究も進める。そして、本研究班で行われたいろいろな臨床研究の成果を多数の和文および英文論文として発表して、国内外に発信する。さらに、市民公開講座などの開催および患者会への支援などにより、一般市民・医療関係者への社会啓発も進める。
研究方法
本年度は、本研究班が対象としている10群、18疾患の診断基準・重症度分類に関して、それぞれの疾患の状況に応じて、新たなる作成や、既存のものの更新などの異なった作業を進めた。
疫学研究に関しても、本研究班が対象とする多くの疾患について、それぞれの疾患の状況に応じて、全国の施設へのアンケート等による疫学調査、患者家族、特に両親のQOLの調査、ジューリング疱疹状皮膚炎におけるセリアック病の合併頻度の調査などを施行し、その集計と解析を継続的に行った。
レジストリとレポジトリの作成に関しても、それぞれの疾患の状況に応じて、現在有しているレジストリとレポジトリの検討を開始し、まだ、レジストリとレポジトリがない疾患に関しては、その作成のための検討を開始した。さらに、一部の疾患で診療ガイドラインの作成を進めた。
本研究期間中に、本研究班の研究成果および関連疾患の研究成果について、多くの学会報告、和文・英文論文として発表した。この間、多くの疾患について、その疾患と関連する研究班および関連学会と連携して研究を進めた。また、さまざまな社会への啓発活動も行った。
また、本研究班の研究成果の検討のための班会議を2回行った。
結果と考察
本年度は、10群、18疾患のそれぞれの疾患について、診断基準・重症度分類を作成および改定した。新たに対象疾患に追加した、2種の自己炎症性皮膚疾患、4種の穿孔性皮膚症については新規に診断基準・重症度分類の試案を作成した。他の疾患については昨年までに作成した診断基準・重症度分類を改定した。
また、全国の施設へのアンケート等による疫学調査および患者および患者家族のQuality of Life(QOL)の調査を継続して行った。さらに、各疾患に関するレジストリとレポジトリの内容を更改・充実した。同時に、これらのレジストリとレポジトリを用いてデータシェアリングを進めた。さらに、一部の疾患については、診療ガイドラインの策定を開始した。
上記以外の研究として、研究対象の遺伝性皮膚疾患の遺伝子診断といろいろな臨床研究を行い、その成果を多数の和文および英文論文として発表して国内外に発信した。さらに、患者会への支援などにより、一般市民・医療関係者への社会啓発も進めた。また、コケイン症候群と家族性良性慢性天疱瘡について、Research Electronic Data Capture 「REDCap」を用いてレジストリを作成し、データ収集・管理を進めた。
以上のように、本年度は、研究代表者と11名の研究分担者により、順調に目的に沿った研究を遂行することができたと考える。
結論
上記のように、本年度は、研究代表者と11名の研究分担者により、本研究のすべての目的について、ほぼ順調に研究を進めることができた。また、2種の自己炎症性皮膚疾患と4種の穿孔性皮膚症を対象疾患に加えることにより、本研究班の活動性をさらに高めることができた。

公開日・更新日

公開日
2019-09-17
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2019-09-17
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201811059Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
15,763,000円
(2)補助金確定額
15,247,000円
差引額 [(1)-(2)]
516,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 3,585,605円
人件費・謝金 5,429,442円
旅費 1,337,363円
その他 1,257,841円
間接経費 3,637,000円
合計 15,247,251円

備考

備考
516,000円返還

公開日・更新日

公開日
2020-03-11
更新日
-