副腎ホルモン産生異常に関する調査研究

文献情報

文献番号
201811056A
報告書区分
総括
研究課題名
副腎ホルモン産生異常に関する調査研究
課題番号
H29-難治等(難)-一般-046
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
長谷川 奉延(慶應義塾大学 医学部 小児科学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 柳瀬 敏彦(福岡大学 医学部)
  • 成瀬 光栄(国立病院機構京都医療センター 臨床研究センター臨床研究企画運営部)
  • 笹野 公伸(東北大学 大学院医学系研究科)
  • 柴田 洋孝(大分大学 内分泌代謝/膠原病/腎臓内科学講座)
  • 山田 正信(群馬大学 大学院医学系研究科)
  • 武田 仁勇(金沢大学付属病院 内分泌/代謝内科)
  • 曽根 正勝(京都大学 大学院医学研究科)
  • 宗 友厚(川崎医科大学 医学部)
  • 岩崎 泰正(高知大学 医療学系臨床医学部門)
  • 佐藤 文俊(東北大学大学院医学系研究科 難治性高血圧/内分泌代謝疾患地域連帯寄附講座)
  • 田島 敏広(自治医科大学 医学部)
  • 勝又 規行(国立成育医療研究センター研究所 分子内分泌研究部)
  • 棚橋 祐典(旭川医科大学 小児科)
  • 石井 智弘(慶應義塾大学 医学部 小児科学教室)
  • 上芝 元(東邦大学 医学部)
  • 方波見 卓行(聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 医学部)
  • 大月 道夫(大阪大学 医学系研究科 内分泌代謝内科)
  • 栗原 勲(慶應義塾大学 医学部 腎臓代謝内科学教室)
  • 高橋 克敏(公立昭和病院 診療部門 代謝内科)
  • 田辺 晶代(国立国際医療研究センター 糖尿病内分泌代謝科)
  • 西本 紘嗣郎(埼玉医科大学国際医療センター 包括的がんセンター)
  • 齋藤 淳(横浜労災病院 内分泌/糖尿病センター)
  • 前田 恵理(秋田大学 大学院医学系研究科)
  • 向井 徳男(旭川厚生病院 小児科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
11,955,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の最終目的は、副腎ホルモン産生異常症の全国レベルでの診療体制の構築と患者QOLの向上である。具体的には、21水酸化酵素欠損症、リポイド過形成症、先天性副腎低形成症、カーニー複合、原発性アルドステロン症、潜在性副腎性Cushing症候群、顕性副腎性Cushing症候群、副腎偶発腫、褐色細胞腫、両側副腎皮質多結節性過形成、副腎クリーゼ、副腎ホルモン産生異常に関して全国調査による実態把握に基づき、診断基準、重症度分類、診療指針の作成・検証・改訂を行い、学会承認を得る。本年度は、二次調査を含む実態調査実施と解析、レジストリの構築と継続、我が国の新規のエビデンス創出、文献検索、診療ガイドライン作成、等を行う。
研究方法
21水酸化酵素欠損症に関する小児科から成人科へのトランジション、出生前診断・治療の現状、合併症等に関する実態把握の追加二次調査を行い、結果をまとめる。リポイド過形成症に関する二次調査を行い、古典型と非古典型の割合、および非古典型の表現型を明らかにする。先天性副腎低形成症の診断・治療指針概要(診断基準を含む)の改定案を日本小児内分泌学会で学会承認を受ける。カーニー複合全国調査の解析を継続する。原発性アルドステロン症に関し、日本高血圧学会と連携しガイドラインを作成する。潜在性副腎性Cushing症候群の新診断基準を英文論文として公表する。潜在性副腎性Cushing症候群の患者登録データベース(レジストリ)を構築・継続する。顕性副腎性Cushing症候群においても患者登録データベース(レジストリ)を構築・継続する。副腎偶発腫に関する国内外のエビデンスを様々の角度から収集する。褐色細胞腫に関する診療ガイドラインを刊行する。褐色細胞腫の患者登録データベース(レジストリ)を構築・継続する。両側副腎皮質多結節性過形成に関して文献検索し、構造化抄録を作成する。副腎クリーゼの実態調査をおこない、さらにハイドロコルチゾン在宅自己注射保険収載を目指す。副腎ホルモン産生異常に関する保険未収載の臨床検査に関して全国調査を行う。昨年度確立した単一遺伝子病として発症する副腎ホルモン産生異常症における遺伝子診断システムを継続運用する。副腎ホルモン産生異常に関し、国民・患者・一般医師を対象とした普及と啓発を行う。なお、本研究は慶應義塾大学医学部倫理委員会および/または各研究分担者施設の倫理委員会の承認のもとに行った。また「厚生労働科学研究における利益相反 (Conflict of Interest : COI)の管理に関する指針」を遵守した。
結果と考察
21水酸化酵素欠損症に関する追加二次調査を行い、結果を解析中である。中間解析として、移行期医療、出生前診断の現状、成人期の体格および合併症の実態をまとめた。リポイド過形成症の古典型と非古典型の割合をそれぞれ78.8%、21.2%と算出した。と非古典型リポイド過形成症は成人期以降も性ホルモン補充を要さないことを示した。作成した先天性副腎低形成症の診療ガイドライン改定案に関し、日本小児内分泌学会の承認を得た。カーニー複合の疾患としての認知度は15.6%、疾患として認知していた者のうち難病に指定されたことを知っていたのは33.2%にとどまっていた。原発性アルドステロン症に関し、日本高血圧学会と連携し、高血圧治療ガイドライン2019を作成した。潜在性副腎性Cushing症候群の新診断基準を英文論文として公表した。さらに潜在性副腎性Cushing症候群のレジストリを構築・開始した。顕性副腎性Cushing症候群のレジストリを構築・開始した。副腎偶発腫に関する長期予後調査の継続的解析を行った。褐色細胞腫の診療ガイドラインを発刊した。また褐色細胞腫のレジストリを継続している。両側副腎皮質多結節性過形成に関して文献検索し、一部の構造化抄録を作成した。副腎クリーゼの実態調査をおこない、厚生労働省に対するハイドロコルチゾン在宅自己注射保険収載要望書を作成した。副腎ホルモン産生異常に関する保険未収載の臨床検査をまとめ、17αヒドロキシプロゲステロンの重要性を確認した。昨年度確立した、単一遺伝子病による副腎ホルモン産生異常症の遺伝子診断システムを継続運用した。市民公開講座などを通じ、国民・患者・一般医師に対して副腎ホルモン産生異常の普及と啓発を行った。
結論
副腎ホルモン産生異常症、すなわち21水酸化酵素欠損症、リポイド過形成症、先天性副腎低形成症、カーニー複合、原発性アルドステロン症、潜在性副腎性Cushing症候群、顕性副腎性Cushing症候群、副腎偶発腫、褐色細胞腫、両側副腎皮質多結節性過形成、副腎クリーゼ、副腎ホルモン産生異常症に関して多くの治験を得た。

公開日・更新日

公開日
2019-09-30
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2019-09-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201811056Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
15,540,000円
(2)補助金確定額
15,540,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 7,407,488円
人件費・謝金 0円
旅費 1,231,170円
その他 3,356,116円
間接経費 3,585,000円
合計 15,579,774円

備考

備考
自己資金 39,774円の為。

公開日・更新日

公開日
2020-03-11
更新日
-