神経変性疾患領域における基盤的調査研究

文献情報

文献番号
201811043A
報告書区分
総括
研究課題名
神経変性疾患領域における基盤的調査研究
課題番号
H29-難治等(難)-一般-033
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
中島 健二(独立行政法人国立病院機構松江医療センター )
研究分担者(所属機関)
  • 青木 正志(東北大学 医学系研究科)
  • 桑原 聡(千葉大学 大学院医学研究院)
  • 祖父江 元(名古屋大学 大学院医学系研究科)
  • 高橋 良輔(京都大学 医学研究科)
  • 辻 省次(東京大学 医学部附属病院)
  • 戸田 達史(東京大学 医学部附属病院)
  • 中川 正法(京都府立医科大学 附属北部医療センター)
  • 長谷川 一子(独立行政法人国立病院機構相模原病院)
  • 池内 健(新潟大学 脳研究所)
  • 饗場 郁子(独立行政法人国立病院機構東名古屋病院)
  • 小野寺 理(新潟大学 脳研究所)
  • 梶 龍兒(徳島大学 大学院医歯薬学研究部)
  • 吉良 潤一(九州大学 大学院医学研究院)
  • 小久保 康昌(三重大学 大学院地域イノベーション学研究科)
  • 斎藤 加代子(東京女子医科大学 附属遺伝子医療センター)
  • 佐々木 秀直(北海道大学 大学院医学研究院)
  • 佐野 輝(鹿児島大学 学術研究院医歯学医学系)
  • 中島 孝(独立行政法人国立病院機構新潟病院)
  • 野中 雄一郎(東京慈恵会医科大学 医学部)
  • 服部 信孝(順天堂大学 大学院医学研究科)
  • 保住 功(岐阜薬科大学 薬物治療学研究室)
  • 松井 茂之(名古屋大学 大学院医学系研究科)
  • 西川 典子(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター)
  • 村山 繁雄(地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター)
  • 森田 光哉(自治医科大学 附属病院/医学部)
  • 吉田 眞理(愛知医科大学 加齢医科学研究所)
  • 渡辺 保裕(鳥取大学 医学部)
  • 望月 秀樹(大阪大学 大学院医学系研究科)
  • 下畑 享良(岐阜大学 大学院医学系研究科)
  • 埜中 正博(関西医科大学 医学部)
  • 古和 久典(独立行政法人国立病院機構松江医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
28,000,000円
研究者交替、所属機関変更
村田美穂(平成30年4月1日~平成30年9月10日)→西川典子(平成30年9月10日以降)

研究報告書(概要版)

研究目的
神経変性疾患領域の1)筋萎縮性側索硬化症(ALS)、2)脊髄性筋萎縮症(SMA)、3)原発性側索硬化症(PLS)、4)球脊髄性筋萎縮症(SBMA)、5)Parkinson病(PD)、6)進行性核上性麻痺(PSP)、7)大脳皮質基底核変性症(CBD)、8)Huntington病(HD)、9)神経有棘赤血球症(NA)、10)脊髄空洞症、11)前頭側頭葉変性症(FTLD)、12)Charcot-Marie-Tooth病(CMT)、13)ジストニア、14)脳内鉄沈着を伴う神経変性症(NBIA)、15)紀伊ALS/Parkinson認知症複合(紀伊ALS/PDC)、16)特発性基底核石灰化症(IBGC)、17)脊髄髄膜瘤に、本年度より18)本態性振戦を加えた合計18疾患を対象とし、疫学調査、患者レジストリの構築、患者情報・生体試料の収集、診断基準・重症度分類の作成・改訂の検討、診療ガイドライン・診療マニュアルの作成・改訂により難病医療の均てん化や療養の改善を図り、我が国における診療向上と厚生行政施策に貢献する。
研究方法
1)診療ガイドラインの作成・改訂について、関連学会や関連研究班と連携して検討する。
2)診断基準や重症度分類について、国際的に使用されているものを参考にすると共に、我が国に適した診断基準・重症度分類の作成に向けて検討する。
4)患者レジストリを構築し、患者・疫学調査、患者・自然歴調査と共に生体試料・ゲノムの収集も進める。
5)神経変性疾患の診断における臨床評価法やすでに報告されている生化学的・神経画像的・遺伝子検査などの臨床検査の有用性と活用を検討する。
6)神経変性疾患は臨床診断と病理診断が解離する例が少なくないところから、両者の比較検討についても検討する。
6)遺伝子診断の体制や、神経難病診療に関する診療・療養体制やリハビリテーションについても検討する。
結果と考察
1) 診断基準の次の改訂に向けて、患者データ収集を継続した。
2) これまでに提案されてきた診断基準と共に、海外から新たに報告された診断基準についても検討した。
2) 海外から報告されたPSP重症度評価法の日本語版について検討した。
3) 診療ガイドラインに関して、日本神経学会と連携してPD、ジストニアの診療ガイドライン2018」を公開した。ALSの改訂に向けて作成委員会を構成して組織体制を構築し、診療・研究のエビデンス収集を開始した。PSP・CBD、HD診療ガイドラインの原稿を作成した。紀伊ALS/PDCでは診療マニュアル改訂原案を作成した。「SMA診療ガイドライン」について委員会を開催して作業を開始し、脊髄髄膜瘤では関連学会と連携して作成メンバーを選定し、スコープ、CQ作成に着手した。
4)レジストリ研究として、ALS多施設共同コホートJaCALS、JaCALS-2、SMAレジストリ研究、リュープロレリン酢酸塩使用SBMA例の収集、PDの治験推進のための患者登録システムTeam JParis研究、PSP・CBDに関するJALPAC研究、CBDにおけるJ-VAC研究、HDレジストリの設立、FTLDのレジストリ組織FTLD-J、CMTレジストリCMTPR、ジストニアレジストリ研究、IBGCレジストリの作成、紀伊ALS/PDCレジストリ研究を進めた。
8) 臨床診断と病理診断の対比により診断の妥当性を検証した。遺伝子診断実施体制の整備、薬物療法とサイバニクス治療HALとの複合療法に関する検討、全国の難病コーデイネータに対する検討を行った。啓発活動に取り組んだ。
平成30年度は新たな研究期間3年間の2年目として研究を進め、概ね計画を達成できた。
結論
平成30年度には下記の研究を実施した。
1. 神経変性疾患領域の18疾病を対象として、政策研究を進めた。
2. 関連学会や関連実用化研究班などと連携し、神経変性疾患全体、並びに、担当各疾患に関して検討した。
3. 国際的な診断基準や重症度評価法日本語版を作成した。
4. 日本神経学会と連携し、PDとジストニアの診療ガイドラインを作成し、公開した。
5. PSP・CBD・HDの診療GL、紀伊ALS/PDCの診療マニュアル改訂案を作成した。
6. 神経変性疾患の各疾患に関するレジストリ研究も進めた。
8. 啓発活動も進めた。
9. HAL医療用下肢タイプの長期使用データの収集を開始した。難病コーデイネータについても検討した。

公開日・更新日

公開日
2019-09-02
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2019-09-02
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201811043Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
34,250,000円
(2)補助金確定額
34,248,000円
差引額 [(1)-(2)]
2,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 9,907,402円
人件費・謝金 1,832,352円
旅費 5,839,075円
その他 10,419,297円
間接経費 6,250,000円
合計 34,248,126円

備考

備考
自己資金91円と預金利息35円の合計126円を充当したため

公開日・更新日

公開日
2020-04-02
更新日
-