文献情報
文献番号
201811034A
報告書区分
総括
研究課題名
ライソゾーム病(ファブリ病含む)に関する調査研究
課題番号
H29-難治等(難)-一般-024
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
衞藤 義勝(東京慈恵会医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 酒井 規夫(大阪大学・医学系研究科)
- 高橋 勉(秋田大学・大学院医学系研究科)
- 高柳 正樹(帝京平成大学・健康医療スポーツ学部)
- 辻 省次(東京大学・医学部附属病院)
- 檜垣 克美(鳥取大学・研究推進機構)
- 鈴木 康之(岐阜大学・医学系研究科)
- 奥山 虎之(国立研究開発法人国立成育医療研究センター・臨床検査部)
- 坪井 一哉(名古屋セントラル病院・ライソゾームセンター 血液内科)
- 松田 純子(川崎医科大学・病態代謝学)
- 下澤伸行(岐阜大学・研究推進・社会連携機構)
- 今中 常雄(広島国際大学・薬学部)
- 小林 博司(東京慈恵会医科大学・医学部)
- 加我 牧子(東京都立東部療育センター)
- 横山 和明(帝京大学・薬学部)
- 渡邊順子(久留米大学・質量分析医学応用研究施設)
- 石垣 景子(東京女子医科大学・医学部小児科)
- 成田 綾(鳥取大学・医学部附属病院)
- 井田 博幸(東京慈恵会医科大学・医学部)
- 大橋 十也(東京慈恵会医科大学・医学部)
- 小林 正久(東京慈恵会医科大学・医学部)
- 福田 冬季子(浜松医科大学・医学部小児科学講座)
- 中村 公俊(熊本大学・大学院生命科学研究部)
- 濱崎 考史(公立大学法人 大阪市立大学・医学研究科発達小児医学)
- 秋山 けい子(一般財団法人 脳神経疾患研究所・先端医療研究センター&遺伝病治療研究所)
- 矢部 普正(東海大学・医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
18,612,000円
研究者交替、所属機関変更
研究者の交替:平成30年11月1日より
旧:柳澤比呂子⇒新:秋山けい子
(一般財団法人 脳神経疾患研究所・先端医療研究センター&遺伝病治療研究所 研究員)
<高柳 正樹>2019年4月より所属変更
旧:
帝京平成大学健康医療スポーツ学部 看護学科 教授 高柳 正樹
⇒
新:
帝京平成大学健康医療スポーツ学部 理学療法学科 教授 高柳正樹
研究報告書(概要版)
研究目的
ライソゾーム病、ペルオキシソーム病、ALD患者の全国調査、患者の現状調査又QOLの二次調査を行った。更にLSDの内、シスチノーシス、ゴーシェ病、ファブリ病の診療ガイドラインをマインズの手法に従い作成し、難病の診療に貢献した。又LSD、ALDの拠点病院構想を作成し、難病患者の診療ネットワーク構築を具体的に検討し、患者の啓蒙活動に役立てた。新生児スクリーニング体制のガイドラインを作成、今後の早期診断、治療への提言を行つた。LSD、ALDの遺伝子治療を含めた新規治療の啓蒙活動を行い、今後の新規治療に向けて貢献した。更にALD、LSDのレジストリーに向け、研究体制を検討した。
研究方法
①ライソゾーム病(LSD)・ペルオキシゾーム病(PD)・ADLのQOLを含む一次調査後の各ライソゾーム病の我が国における患者のQOLを明らかにし、又、二次調査内容を検討し、二次調査表を各施設に配布まとめた。②前年度に引き続いてファブリ病、ゴーシェ病、ムコ多糖症I型について、マインズの手法に基づく診療ガイドラインを作成、次年度に向けて学会承認を目指す。今後三つのガイドラインの学会承認を予定している。③ライソゾーム病に特化した診断、治療の難病拠点病院体、又啓蒙活動の為市民公開フォーラムを開催した。④LSDの新生児スクリーニング対象疾患のガイドライン並びに戦略を作成し、新生児スクリーニング対象疾患のガイドラインを作成した。又全国規模の新生児スクリーニング体制を整備の貢献している。⑤LSD&ALDの遺伝子治療を推進するため、遺伝子治療推進体制の基盤作りの為アンケート調査を施行した。
結果と考察
①ライソゾーム病、ALDの全国患者全国患者二次調査:このデータからライソゾーム病の報告患者数が1,217人、全国の推計患者数が2,958人(95%信頼区間は2,341~3,576人)となった。ペルオキシソーム病については報告患者数が126人、全国の推計患者数が303人(95%信頼区間は211~396人)を推定した。更に患者の現状をアンケート調査した。
②ライソゾーム病31疾患並びにPDの内、今回2年間で7疾患(ALD、MPSII、ポンぺ病、ゴーシェ病、ファブリ病、MPSI型、シスチノーシス、の診断、治療のガイドラインをマインズの手法に従い作成した。現在も継続して、MPS Iを除きガイドラインを出版した。今後ニーマンピックC病、MPSIV, VI型を含めLSD9疾患の診療ガイドラインを作成を目指している。2年目、3年目は初年度の疾患ゴーシェ病、ファブリ病ガイドライン完成させた。又今後MPS I型、ニーマンピックC 、MPSIV等の合計前年度合わせて9疾患の診療ガイドラインを作成を目指し、一般医に利用して頂くことを目的として、先天代謝異常学会で承認された本としても出版する予定である。
③ライソゾーム病、ALDの拠点病院構想は、都市部においては、患者集約が図れることから、分野別拠点病院を設定して早期診断、チーム医療、移行期医療など提供できる体制について議論し、今後手引き書を作成する予定である。地方においては疾患の希少性から難病支援全国ネットワークを作成し、難病拠点病院の役割を明確にし、行政に生かせるシステムを提言する。
④ライソゾーム病の新生児スクリーニングにしてのガイドラインはライゾーム病・ペルオキシソーム病の中でNBSを実施することが適当と考えられる疾患を対象として、その運用に関するガイドラインを検討し、具体的には、東京都、千葉県、愛知県、九州地区での実施体制に向けて努力している。ガイドラインの内容は、以下の5項目とする。1)スクリーニングの目的と必要性 2)スクリーニング方法、対象疾患 3)スクリーニング陽性者の診断確定にむけての問題点 4)診断確定者のフォローアップ 5)患者家族の家族内検索と心理社会的支援(遺伝カウンセリングを含む)などを検討した。
⑤遺伝子治療体制のアンケート調査:海外においてライソゾーム病・ペルオキシソーム病に対する遺伝子治療の治療研究が実施されている。そこで、現時点における、遺伝子治療に対する、患者または家族の理解度、知識および希望などを調査した。今後、患者への情報提供の内容や方法を充実させる為にアンケート調査内容を広く公表して、国民的理解を得る。
②ライソゾーム病31疾患並びにPDの内、今回2年間で7疾患(ALD、MPSII、ポンぺ病、ゴーシェ病、ファブリ病、MPSI型、シスチノーシス、の診断、治療のガイドラインをマインズの手法に従い作成した。現在も継続して、MPS Iを除きガイドラインを出版した。今後ニーマンピックC病、MPSIV, VI型を含めLSD9疾患の診療ガイドラインを作成を目指している。2年目、3年目は初年度の疾患ゴーシェ病、ファブリ病ガイドライン完成させた。又今後MPS I型、ニーマンピックC 、MPSIV等の合計前年度合わせて9疾患の診療ガイドラインを作成を目指し、一般医に利用して頂くことを目的として、先天代謝異常学会で承認された本としても出版する予定である。
③ライソゾーム病、ALDの拠点病院構想は、都市部においては、患者集約が図れることから、分野別拠点病院を設定して早期診断、チーム医療、移行期医療など提供できる体制について議論し、今後手引き書を作成する予定である。地方においては疾患の希少性から難病支援全国ネットワークを作成し、難病拠点病院の役割を明確にし、行政に生かせるシステムを提言する。
④ライソゾーム病の新生児スクリーニングにしてのガイドラインはライゾーム病・ペルオキシソーム病の中でNBSを実施することが適当と考えられる疾患を対象として、その運用に関するガイドラインを検討し、具体的には、東京都、千葉県、愛知県、九州地区での実施体制に向けて努力している。ガイドラインの内容は、以下の5項目とする。1)スクリーニングの目的と必要性 2)スクリーニング方法、対象疾患 3)スクリーニング陽性者の診断確定にむけての問題点 4)診断確定者のフォローアップ 5)患者家族の家族内検索と心理社会的支援(遺伝カウンセリングを含む)などを検討した。
⑤遺伝子治療体制のアンケート調査:海外においてライソゾーム病・ペルオキシソーム病に対する遺伝子治療の治療研究が実施されている。そこで、現時点における、遺伝子治療に対する、患者または家族の理解度、知識および希望などを調査した。今後、患者への情報提供の内容や方法を充実させる為にアンケート調査内容を広く公表して、国民的理解を得る。
結論
LSD・ALDの全国調査結果はAMED等の実用化研究へ活用利用できる。又LSD・ALDの診療ガイドラインは一般診療医や難病診療医に利用され、個人調査表記載などにも活用される。拠点病院構想並びにトランジション問題に関しては、今後、難病センター、拠点病院連携体制に重要な情報として利用可能である。又、新生児スクリーニング、遺伝子治療情報提供も重要な情報として難病センターへ利用の提供ができる。
公開日・更新日
公開日
2019-09-03
更新日
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