医薬品の適正使用推進に資する薬剤師業務の在り方に関する研究

文献情報

文献番号
199800675A
報告書区分
総括
研究課題名
医薬品の適正使用推進に資する薬剤師業務の在り方に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成10(1998)年度
研究代表者(所属機関)
高橋 隆一(国立病院東京医療センター)
研究分担者(所属機関)
  • 久保鈴子(薬剤師研修センター)
  • 永田泰造(練馬薬剤師会)
  • 加賀谷肇(北里大学病院)
研究区分
厚生科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬安全総合研究事業
研究開始年度
平成10(1998)年度
研究終了予定年度
平成12(2000)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
薬剤師が医薬品の適正使用に資するためには、薬歴管理、服薬指導および情報提供などを的確に行い得る資質の向上が必須であり、病院薬剤師と開局薬剤師が連携して患者本位の医療に携わっていくことが重要である。そのためには医薬品に関する知識ばかりでなく治療の対象となっている疾患とそれに対する実際的薬物療法を十分理解して患者と医師への的確な情報提供をすることが必要である。そのような研修のためには現在的確な資料がないので、代表的疾患についてのフォーマットを作成して役立てることとした。
研究方法
日常遭遇することが多く、長期間に亙って薬物療法の必要な対象である心筋梗塞、高血圧、喘息、消化性潰瘍、糖尿病および抗凝固療法を選び、研修用フォーマットを作成することにした。作成に際しては各対象の患者カルテと薬歴調査を基にDrugs in Use、医薬品服薬指導情報集、日本内科学会雑誌、医学大辞典などを基本的参考資料として普遍性を高めた。また必要に応じて各対象の専門的資料を参考とした。フォーマット案については頻回に検討を重ねた。
結果と考察
1.研究結果=今回作成した研修用フォーマットは、各対象の入院-外来を通しての治療経過、エッセンシャルドラッグに関する薬学的管理事項の問題点とその解説、病院薬剤師と開局薬剤師のための臨床的注意事項(主要検査値、注目すべき副作用、服薬指導項目など)のチェックリスト、標準的薬歴簿から成る。
2.考察=今回作成した研修用フォーマットに基づいて臨床の現場においてフィールド研究を行って使用面での問題点を明らかにする。また各地の病院や保険調剤薬局に対するアンケート調査と患者の満足度調査を合わせて行い、フォーマットの改善に反映する。本フォーマットの改善によって患者は、入院から外来へ移行しても同じレベルで薬学的管理を受けることが可能となる。また薬剤師から医師と患者により良い情報提供が可能となり、薬剤師が医薬品の適正使用に資することが出来る。
結論
薬剤師が医薬品の適正使用に資するためには、薬歴管理、服薬指導および情報提供などを的確に行なうことが出来る資質が必須であり、病院薬剤師と開局薬剤師が連携して患者本位の医療に携わっていくことが重要である。今回そのために必要と考えられる研修フォーマットのモデル案を作成した。

公開日・更新日

公開日
-
更新日
-