自己炎症性疾患とその類縁疾患の全国診療体制整備、重症度分類、診療ガイドライン確立に関する研究

文献情報

文献番号
201811030A
報告書区分
総括
研究課題名
自己炎症性疾患とその類縁疾患の全国診療体制整備、重症度分類、診療ガイドライン確立に関する研究
課題番号
H29-難治等(難)-一般-020
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
西小森 隆太(京都大学 大学院医学研究科発達小児科学)
研究分担者(所属機関)
  • 平家 俊男(京都大学・医学研究科)
  • 八角 高裕(京都大学・医学研究科)
  • 井澤 和司(京都大学・医学研究科)
  • 高田 英俊(国立大学法人筑波大学・医学医療系)
  • 谷内江 昭宏(金沢大学医薬保健研究域医学系)
  • 宮前 多佳子(東京女子医科大学・膠原病リウマチ痛風センター・小児科学)
  • 石村 匡崇(九州大学・九州大学病院)
  • 伊藤 秀一(横浜市立大学大学院医学研究科発生成育小児医療学)
  • 井田 弘明(久留米大学医学部 呼吸器・神経・膠原病内科)
  • 武井 修治(国立大学法人鹿児島大学大学院医歯学総合研究科)
  • 大西 秀典(岐阜大学・医学部附属病院)
  • 右田 清志(公立大学法人福島県立医科大学・リウマチ膠原病内科学講座・リウマチ学)
  • 森 臨太郎(国立研究開発法人国立成育医療研究センター・政策科学研究部)
  • 盛一 享徳(国立研究開発法人国立成育医療研究センター・研究所 小児慢性特定疾病情報室)
  • 金兼 弘和(国立大学法人東京医科歯科大学・大学院医歯学総合研究科・小児地域成育医療学講座)
  • 今井 耕輔(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科)
  • 森尾 友宏(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科・発生発達病態学分野)
  • 河合 利尚(国立成育医療研究センター・生体防御系内科部免疫科)
  • 笹原 洋二(東北大学・大学院医学系研究科)
  • 上松 一永(国立大学法人信州大学・医学部)
  • 小原 收(公財法人かずさDNA研究所)
  • 小林 正夫(国立大学法人広島大学・大学院医歯薬保健学研究科)
  • 野々山 恵章(防衛医科大学校・小児科学講座)
  • 山田 雅文(北海道大学・大学院医学研究院)
  • 金澤 伸雄(和歌山県立医科大学・医学部)
  • 神戸 直智(関西医科大学・医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
自己炎症性疾患は、自然免疫関連遺伝子異常を主たる原因とし、全身炎症や多臓器障害を呈する稀少疾患群である。H26-28年度“自己炎症性疾患とその類縁疾患の診断基準、重症度分類、診療ガイドライン確立に関する研究”班の事業により、1)自己炎症性疾患診療体制整備、2)患者登録システムの推進、3)診療ガイドライン作成、4)重症度分類作成、を行った。この期間内において抗IL-1療法などの新規治療法が保険承認され、今後その長期的な有効性と安全性の再評価が必要となっている。また自己炎症性疾患の新規責任遺伝子としてマクロファージ活性化症候群を反復するNLRC4異常症、若年性多発血管炎を発症するADA2欠損症、Behcet病様症状を呈するA20ハプロ不全症、ユビキチン化異常による炎症を呈するLUBAC関連異常症などが同定された本邦でもその罹患患者が確認され、既存治療に抵抗性で標準的な治療法が確立しておらず生活の質は著しく低下している。さらに自己炎症性疾患の診断には高度な遺伝子解析と専門家診断が必要であるが、対応可能な施設は限られており、地域による偏在が問題となっている。 本研究班の目的は、自己炎症性疾患の診療体制を確立させ、・患者登録システムを発展させるとともに、新規自己炎症性疾患の診療ガイドライン/フローチャートを作成することで、質の高い医療の国民に提供することである。
研究方法
本研究では前研究班で構築した体制を活用して、残存する問題点に対応すべく、診療体制・患者登録システムを発展させ、新規疾患を含めた診療ガイドライン・重症度分類の作成・改訂を行う。研究期間の3年間で全国の診療体制を整備し、保険収載・未収載ともに対応可能な遺伝子診断体制の整備を行う。また自己炎症性疾患WEBサイトを更新し、新規疾患を含めて最新知見の啓発行う。さらに新規疾患を含めて患者登録を発展させ、集積したエビデンスを反映させ、診療ガイドライン・重症度分類の新規作成・改訂を行う。
結果と考察
平成30年度においては、遺伝子検査体制がより整い多数の施設において検査可能となり、実際の運用が開始されている。国民に広く情報提供する目的に開設している自己炎症性疾患WEBサイトの改訂を行っている。疾患説明に関しても最新情報とするために、班会議にて検討を行い原稿はほぼ完成しており、まもなく自己炎症性疾患WEBサイトに登録予定である。昨年度作成した新規自己炎症性疾患(エカルディ・グティエール症候群、HOIL1欠損症、HOIP欠損症、OTULIN異常症、NLRC4異常症、ADA2欠損症、A20ハプロ不全性)に関してもWEBに登録予定である。新規の自己炎症性疾患としてSTING異常症の診療フローチャートを作成することができた。患者登録事業については日本免疫不全・自己炎症学会、難病プラットフォームと連携して行うこととなり倫理申請準備中である。難病プラットフォームへの登録項目について検討を行いドラフトが決定した。
結論
自己炎症性疾患の診療に必須である遺伝子検査体制が整いつつある。新規の自己炎症性疾患についての診療フローチャートの作成が進み、それに対応した遺伝子検査体制も構築予定である。日本免疫不全・自己炎症学会、難病プラットフォームと連携した患者登録についても準備が進んでいる。

公開日・更新日

公開日
2019-09-02
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2019-09-02
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201811030Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
26,000,000円
(2)補助金確定額
26,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 9,884,737円
人件費・謝金 45,571円
旅費 4,836,941円
その他 5,234,899円
間接経費 6,000,000円
合計 26,002,148円

備考

備考
自己資金

公開日・更新日

公開日
2020-03-17
更新日
-