文献情報
文献番号
201811027A
報告書区分
総括
研究課題名
難治性腎障害に関する調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H29-難治等(難)-一般-017
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
成田 一衛(新潟大学大学院医歯学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
- 柏原 直樹(川崎医科大学 医学部 )
- 和田 隆志(金沢大学医薬保健研究域医学系)
- 丸山 彰一(名古屋大学大学院医学系研究科)
- 横山 仁(金沢医科大学医学部)
- 旭 浩一(岩手医科大学医学部)
- 長田 道夫(筑波大学医学医療系)
- 安藤 昌彦(名古屋大学医学部附属病院先端医療開発部)
- 鈴木 祐介(順天堂大学大学院医学研究科)
- 川村 哲也(東京慈恵会医科大学医学部)
- 山縣 邦弘(筑波大学医学医療系)
- 杉山 斉(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科)
- 猪阪 善隆(大阪大学医学系研究科)
- 中川 直樹(旭川医科大学内科学講座)
- 武藤 智(順天堂大学医学研究科)
- 望月 俊雄(東京女子医科大学医学部)
- 服部 元史(東京女子医科大学医学部)
- 岩野 正之(福井大学学術研究院医学系部門医学領域)
- 岡田 浩一(埼玉医科大学医学部)
- 安田 宜成(名古屋大学大学院医学研究科)
- 藤元 昭一(宮崎大学医学部医学科)
- 要 伸也(杏林大学医学部)
- 柴垣 有吾(聖マリアンナ医科大学医学部)
- 土谷 健(東京女子医科大学医学部)
- 金子 佳賢(新潟大学大学大学院医歯学総合研究科)
- 忰田 亮平(新潟大学医歯学総合病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
25,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究事業が重点的に対象としてきた 4疾患(IgA腎症、急速進行性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、多発性嚢胞腎)は、エビデンスに基づく診療ガイドラインが公表されているが、医療者・患者への周知と普及、腎予後、生命予後の改善に結びつく効果的な運用の実践には課題が残る。腎疾患登録システム (J-RBR/J-KDR)、電子カルテから直接データを抽出する全国規模の包括的データベース(J-CKD-DB)を有効に活用し、この課題の解決を目指す。ガイドラインの普及とともに、エビデンスの蓄積、診断基準・重症度分類・治療指針の検証(日本人の臨床データの収集と諸外国のガイドラインとの比較を含む)を通じて、診療ガイドラインの改訂を行うことが求められる。さらに重点4疾患以外のすべての難治性腎疾患に対し、普及・啓発、診療体制の構築を行い、医療水準向上を目指す必要がある。指定難病 7疾患 (IgA腎症、多発性嚢胞腎、急速進行性糸球体腎炎、抗糸球体基底膜腎炎、一次性ネフローゼ症候群、一次性膜性増殖性糸球体腎炎、紫斑病性腎炎)の判定・重症度分類の検証、申請書様式の見直し、申請書のデータベース化と2次利用、申請を促す普及活動、診療体制の整備、巣状分節性糸球体硬化症などの指定拡大なども重要な課題である。
研究方法
研究組織は、「研究代表者」が統括する「疾患登録・調査研究分科会」と「診療ガイドライン分科会」の2つの分科会、「研究管理推進委員会」「事務局」を合わせて研究班全体を統括する「研究運営委員会」で構成する。研究推進委員会は、「指定難病における重症度の見直しを行い、疾患間での重症度分類の整合性をはかる。医療提供体制における問題点についても全体を総括しながら、検討する。「疾患登録・調査研究分科会」では各WGにおいて各疾患の診療実態と予後を検討し、2次研究を行う。「診療ガイドライン分科会」は各疾患のガイドライン改訂を行う。
結果と考察
研究推進委員会は、指定難病の最適な普及・啓発の推進のため、システムの改良にあたり、MEDISへの病名登録を依頼した。さらに、疾患群間の診断基準や重症度分類の整合性や公平性を担保するための方策の検討では、疾患群間の重症度分類を均一化するにあたり、疾患群の見直しを行い、新しい疾患群分類を作成した。また、AMEDとも連携した腎臓病に関するJ-CKD-DBへの取り組みと腎臓病領域の指定難病の普及について検討を進めている。「疾患登録・調査研究分科会」では、ウェブによる登録システム(J-RBR/J-KDR)は累計38000例を超え、指定難病の対象疾患の10年間の疾患発症推移を明らかにしている。J-RBR/J-KDRの改訂が行われ、2018年1月16日より新システムでの登録・運用が開始されている。本年度は、新システム開始初年にあたり、運用上の問題点について継続して見直しと協議を行い、J-RBR/J-KDRの修正を行った。さらに、J-RBR/J-KDRに2018年1月16日から2018年12月17日までに登録された2,198例の初回腎生検確定例を解析した。さらに、J-RBRにリンクする形で、腎生検病理組織のバーチャルスライドシステムが、2019年3月から稼働し、画像登録症例を増やしている。IgA腎症WG、急速進行性糸球体腎炎WG、ネフローゼ症候群WG、多発嚢胞腎WGの各WGでは、行なっている研究課題に沿って、診療実体、予後、患者QOLを調査し、疾患の診断基準・重症度分類・治療指針の検証を進め、診療ガイドラインの改訂、治療法未確立の腎障害に対する普及・啓発、診療体制の整備に貢献するに資する充実した研究成果を挙げつつある。移行WGでは、移行医療の啓発・普及に対する取り組みを行なっている。本年度は、IgA腎症およびネフローゼ症候群に関する診療ガイドラインの認知度と思春期・若年成人患者の診療で主に活用している診療ガイドラインについて調査した。「診療ガイドライン分科会」では、統括委員会、作成グループ、SRチームをそれぞれ独立して組織して2020年度版ガイドラインの完成に向けて、作成を進めている。本年度は、4疾患のガイドラインのWGのメンバーによりCQが作成され、診療に関するアンケート調査を実施した。
結論
本研究全体として、滞りなく成果が上がっている。今後、AMEDとの連携、指定難病 7疾患の判定・重症度分類の検証、申請書様式の見直し、申請書のデータベース化と2次利用、申請を促す普及活動、診療体制の整備とバーチャルスライドの症例登録の充実、2020年度版ガイドライン改正を着実に履行していく。本研究は今までの積み上げられた研究内容を踏襲しつつ、新規性を取り入れている。腎臓疾患の発症・増悪の抑制、腎代替療法を要する患者数の抑制に結びつく医療水準の向上が期待される。
公開日・更新日
公開日
2019-09-02
更新日
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