小児期から移行期・成人期を包括する希少難治性慢性消化器疾患の医療政策に関する研究

文献情報

文献番号
201811025A
報告書区分
総括
研究課題名
小児期から移行期・成人期を包括する希少難治性慢性消化器疾患の医療政策に関する研究
課題番号
H29-難治等(難)-一般-015
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
田口 智章(国立大学法人九州大学 大学院医学研究院)
研究分担者(所属機関)
  • 松藤 凡(聖路加国際大学 聖路加国際病院)
  • 武藤 充(鹿児島大学 医歯学総合研究科)
  • 中島 淳(横浜市立大学 医学研究科)
  • 曹 英樹(地方独立行政法人大阪母子医療センター 小児外科)
  • 金森 豊(国立研究開発法人国立成育医療研究センター 臓器・運動器病態外科部)
  • 吉丸 耕一朗(九州大学 大学病院)
  • 家入 里志(鹿児島大学 学術研究院医歯学域医学系)
  • 小幡 聡(九州大学 大学院医学研究院)
  • 黒田 達夫(慶應義塾大学 医学部)
  • 内田 恵一(三重大学 医学部附属病院 医療福祉支援センター)
  • 位田 忍(地方独立法人大阪府立病院機構大阪母子医療センター 消化器・内分泌科)
  • 虫明 聡太郎(近畿大学 医学部奈良病院)
  • 土岐 彰(昭和大学 小児外科)
  • 米倉 竹夫(近畿大学 医学部奈良病院)
  • 工藤 孝広(順天堂大学 医学部)
  • 新井 勝大(国立研究開発法人国立成育医療研究センター 器官病態系内科部消化器科)
  • 水落 建輝(久留米大学 医学部)
  • 虻川 大樹(宮城県立こども病院 総合診療科)
  • 大賀 正一(九州大学 大学院医学研究院)
  • 加藤 聖子(九州大学 大学院医学研究院)
  • 木下 義晶(新潟大学 医歯学系)
  • 江頭 活子(九州大学 大学病院)
  • 田尻 達郎(京都府立医科大学 医学(系)研究科(研究院))
  • 臼井 規朗(地方独立法人大阪府立病院機構大阪母子医療センター 小児外科)
  • 松浦 俊治(九州大学 大学病院)
  • 仁尾 正記(東北大学 大学院医学系研究科)
  • 藤野 明浩(国立研究開発法人国立成育医療研究センター 臓器・運動器病態外科部 外科)
  • 野坂 俊介(国立研究開発法人国立成育医療研究センター 放射線診療部)
  • 八木 実(久留米大学 医学部外科学講座小児外科学部門)
  • 川原 央好(浜松医科大学 小児外科)
  • 越永 從道(日本大学 医学部)
  • 渕本 康史(慶應義塾大学 医学部)
  • 伊崎 智子(九州大学 大学病院)
  • 尾花 和子(埼玉医科大学 小児外科)
  • 掛江 直子(国立研究開発法人 国立成育医療研究センター 臨床研究開発センター 生命倫理研究室)
  • 森 正樹(九州大学 大学院医学研究院)
  • 盛一 享徳(国立研究開発法人国立成育医療研究センター 研究所 小児慢性特定疾病情報室)
  • 中島 直樹(九州大学病院 大学病院)
  • 奥山 宏臣(大阪大学 大学院医学系研究科)
  • 北岡 有喜(独立行政法人国立病院機構 京都医療センター  臨床研究センター)
  • 小田 義直(九州大学 大学院医学研究院)
  • 義岡 孝子(国立研究開発法人国立成育医療研究センター 病理診断部)
  • 上野 豪久(大阪大学 大学院医学系研究科)
  • 和田 基(東北大学 大学院医学系研究科)
  • 玉井 浩(大阪医科大学 小児科)
  • 楠田 聡(東京女子医科大学 院長室)
  • 和田 和子(地方独立法人大阪府立病院機構大阪母子医療センター 新生児科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
20,984,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
小児期から移行期・成人期にまたがる希少難治性消化管疾患の多くが、難病や小慢に指定されてない、登録システムなどの体制整備に至っていない等種々の問題を抱えている。本研究は、上記に該当する12疾患について、難病・小慢指定に向けた要件の整備、登録システムやコンサルテーションシステムの整備、全国調査による現状の把握と診療のてびき等の作成といった、疾患の啓発と情報提供を目的とする。
研究方法
疾患ごとに疾患横断的なグループが検証を行う。関連7学会の代表すべてを分担研究者とし、悉皆性の高い調査と情報交換が行える体制を構築する。疾患グループの状況に応じて、以下の作業を進める。
-全国調査の実施
-疾患概要、診断基準、重症度の整備
-診療ガイドライン作成および改訂
-疾患登録と長期フォローアップ体制の構築
-国際研究体制の構築
結果と考察
(1)ヒルシュスプルング病類縁疾患:H類縁(指定難病)松藤、田口、松藤、武藤、中島淳、曺、金森、吉丸
診療ガイドラインは学会承認を得て出版に至る。MINDSでの公開を申請中。レジストリや長期フォローアップの体制について協議中。患者および医療従事者向け情報サイト「ヒルシュスプルング病類縁疾患ステーション」を開設。

(2)ヒルシュスプルング病:H病(指定難病)家入、田口、小幡
CQを作成、診療アルゴリズムを作成し、システマティックレビューを終了した。今後推奨文の作成を行う。長期フォロー登録項目案を作成。

(3)乳幼児巨大肝血管腫(指定難病)黒田
CQを見直して文献の体系的収集作業を開始。リンパ管腫公開シンポジウムと共同で患者向けの公開講座を開催。参加者アンケートをもとに内容を改善し、次年度も開催予定。

(4)非特異性多発性小腸潰瘍症(指定難病・小慢)内田
難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班と連携を取り、遺伝子診断を含めた新しい診断基準策定へ向けて、調査研究・遺伝子検査に関する報告を英文論文として発信した。2019年より新たに小慢に指定されることが決定。

(5)難治性下痢症(指定難病・小慢 未指定混在)位田、虫明、土岐、米倉、工藤、新井、水落、虻川、大賀、友政、柳、竹内
診断アルゴリズムとその説明・解説文を作成。このアルゴリズムに沿った診療ガイド[指針]を作成した。政策研究の観点では、当疾患を再定義したうえで小児慢性特定疾患の分類についての見直しを提案する。

(6)総排泄腔遺残症・外反症・MRKH症候群(指定難病・小慢)加藤、木下、江頭
レジストリ構築を見据えて既存の登録事業との連携を新たに探る。諸学会・研究会において、本疾患がメインテーマとして取りあげられた。シンポジウム開催の働きかけや情報提供、情報収集を行う。

(7)仙尾部奇形腫(小慢)田尻、臼井
ガイドラインを完成させWeb上に公開、関連学会HPに掲載した。広報として、学会での発表を予定しており、英文雑誌にも投稿中である。長期フォローアンケートを計画中である。

(8)短腸症(小慢)松浦、仁尾
CQを作成。文献を収集しているが、未だ中途のためシステマティックレビューを完了することはできなかった。次年度完了見込みである。

(9)腹部リンパ管疾患(小慢)藤野、木下、野坂、森川
難病助成対象に関し部位制限の削除について提言。小慢では脈管奇形という新たな疾患群の中に指定された。登録データ利用の整備、難治性度スコアのvalidationを進行中。ホームページ「リンパ管疾患情報ステーション」をrenewal openするとともに、第3回小児リンパ管疾患シンポジウムを開催した。

(10)胃食道逆流症(未指定)八木、川原
実態把握のための全国調査を行う準備が整った。1次調査および2次調査を順次施行し、調査票回収次第データ解析を行う。

(11)先天性食道閉鎖症(未指定)越永
実態把握のための全国調査を実施する。当初予定していた全国での全例調査でなく、アンケートを19施設に限定し、すでに1次調査を開始。順次、2次調査を行う。

(12)高位・中間位鎖肛(未指定)渕本、伊崎
全国調査の準備中。直腸肛門奇形研究会運営委員会および研究責任施設において承認を得た。現在までの病型登録施設から該当症例を検索してその施設に調査依頼をかける方法と決まる。
結論
研究対象12疾患のうち、疾患1,7はガイドライン完成、疾患2はガイドライン作成が順調に進行、疾患5は診断アルゴリズムを作成しこれに沿った診療ガイド[指針]を作成した。疾患3,9は先行ガイドライン研究班と共同でガイドライン作成を進めている。疾患4は遺伝子解析をすすめるとともに小慢となった。昨年度より追加された3疾患(疾患10,11,12)は全国調査を開始または調査準備を終了した。新規の2疾患(疾患6, 8)についても今後の方針を決定しえた。

公開日・更新日

公開日
2019-09-20
更新日
-

研究報告書(PDF)

分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2019-09-27
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201811025Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
27,279,000円
(2)補助金確定額
27,275,000円
差引額 [(1)-(2)]
4,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 5,756,531円
人件費・謝金 2,538,025円
旅費 7,638,539円
その他 5,047,535円
間接経費 6,295,000円
合計 27,275,630円

備考

備考
4,000円 返還

公開日・更新日

公開日
2020-03-11
更新日
-