難治性血管腫・血管奇形・リンパ管腫・リンパ管腫症および関連疾患についての調査研究

文献情報

文献番号
201811024A
報告書区分
総括
研究課題名
難治性血管腫・血管奇形・リンパ管腫・リンパ管腫症および関連疾患についての調査研究
課題番号
H29-難治等(難)-一般-014
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
秋田 定伯(福岡大学 医学部 形成外科・創傷再生学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 佐々木 了  (国家公務員共済組合連合会斗南病院・血管腫 脈管奇形センター・センター長 )
  • 三村 秀文  (聖マリアンナ医科大学・医学部放射線医学・教授 )
  • 力久 直昭  (千葉労災病院・形成外科・部長 )
  • 大須賀 慶悟  (大阪大学大学院・医学系研究科・准教授 )
  • 田中 純子  (広島大学 大学院医歯薬保健学研究科・疫学・疾病 教授 )
  • 小関 道夫(岐阜大学医学部附属病院・小児科・講師 )
  • 森本 哲  (自治医科大学とちぎ子ども医療センター小児科・教授 )
  • 掛江 直子 (国立成育医療研究センター・ 臨床研究センター 生命倫理研究室・室長 )
  • 康 勝好  (埼玉県立小児医療センター・血液腫瘍科・科長兼部長 )
  • 木下 義晶(新潟大学医学部・小児外科・准教授)
  • 神人 正寿  (和歌山県立医科大学・医学部・教授 )
  • 藤野 明浩    (国立成育医療研究センター・臓器 運動器病態外科部外科・診療部長 )
  • 杠 俊介(信州大学・医学部・教授 )
  • 野村 正(神戸大学医学部附属病院・特命講師)
  • 野崎太希(聖路加国際病院・医幹)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
14,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は血管腫・血管奇形・リンパ管腫・リンパ管腫症およびその関連疾患を対象とする。関連各学会、患者団体の意見を統合して提言し、広く医学会・社会の認知を得ることを目的としており、平成28年度末に完成した、『血管腫・血管奇形・リンパ管奇形診療ガイドライン2017 公開のお知らせと次回改訂に向けてのお願い』の書面を、平成29年度内に日本形成外科学会、日本皮膚科学会、日本医放射線学会、日本小児外科学会、日本IVR学会、日本病理学会の6つの学会事務局に送付し周知しご協力を得る。
研究方法
1.ガイドラインの英文化、2.平成25年度血管腫血管奇形全国疫学調査(日本形成外科学会認定施設及び日本IVR学会認定施設の合計85施設)から得た静脈奇形患者2199例のデータから、疼痛合併の有無、初診時年齢、病変部位、病変深達度(皮膚皮下まで、または筋骨腱に達する)、病変の大きさ(直径5cm未満、5cm以上10cm未満、10cm以上)、性別を抽出し、疼痛との関係について解析した。3.難病プラットフォーム連携の当班での疾患レジストリ作成、4.移行期医療の周知検討、5.国民への周知方法と政策提言
結果と考察
幅広くかつ多岐にわたる活動を行った。
1.「血管腫・血管奇形・リンパ管奇形診療ガイドライン2017」の英訳を英文雑誌に投稿するため、草稿を作成した。2.全国の健康保険組合1,500組合, 対象数3,000万人のうち日本医療データセンター(JMDC)が保有する全国に出張所がある52の事業所に2014-2016に所属する本人、及び家族(0歳-74歳)の3,460,783人が有する診療報酬記録77,793,046件を対象とした。65歳以上の対象が少ないため、0-64歳の3,362,460を解析対象として1年期間有病率を算出した。算出した有病率を元に、0-64歳の日本人口92,175,546における患者数を推計した。2014年の血管腫関連患者数は118,662(95%CI:106,139-131,187)、うちリンパ管腫6,566(95%CI:3,509-9,665)。2015年の血管腫関連患者数は126,247(95%CI:113,509-138,986)、うちリンパ管腫7,133(95%CI:3,955-10,326)。2016年の血管腫関連患者数は132,330(95%CI:119,187-145,472)、うちリンパ管腫6,956(95%CI:3,814-10,095)であった。3.難病プラットフォームと連携したレジストリーシステムの構築をめざし、登録内容の基本骨格の検討を行った。4. 小児慢性特定疾病、および、特定疾患の対象となる、血管腫・血管奇形・リンパ管腫・リンパ管腫症およびその関連疾患の診断基準、重症度分類、診療ガイドライン、小児期から成人期への移行期医療について検討した。血管腫・血管奇形・リンパ管腫・リンパ管腫症およびその関連疾患の疾患レジストリの立ち上げを進めた。乳幼児健康診査身体診察マニュアルにおける乳児血管腫の記載について、子ども・子育て支援推進調査研究事業と連携して検討した。乳児血管腫に対するプロプラノロール療法の安全性と使用上の注意点について検討した。
5.脈管系疾患については、患者、一般国民のみならず医療者もその疾患概念や自然歴、治療について十分難知識を有していない。このような状況下では小児慢性特定疾病などの制度の拡充を図るとともに、医療者、特に小児科医への啓発・普及が重要である。今年度は平成29年度に小児慢性特定疾病に入れることができた、1. 青色ゴムまり様母斑症候群、2. 巨大静脈奇形、3. 巨大動静脈奇形、4. クリッペル・トレノネー・ウェーバー(Klippel-Trenanay-Weber)症候群、5. 原発性リンパ浮腫の5疾患についての啓発、普及に努めた。また乳児血管腫のプロプラノロール内服治療についても普及・啓発を図り、実態調査を進めた。また、保険収載収載を目指した臨床研究の推進計画をした。
結論
本研究班の目的に沿って、ガイドライン作成、社会、患者、学会などへの疾病と対策についての提案と周知、科学的見地からのデータベース(レジストリ)作成と疾患数 分布の解析をしている

公開日・更新日

公開日
2019-09-02
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2019-09-02
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201811024Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
18,720,000円
(2)補助金確定額
18,459,000円
差引額 [(1)-(2)]
261,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,174,467円
人件費・謝金 905,851円
旅費 4,389,575円
その他 6,669,381円
間接経費 4,320,000円
合計 18,459,274円

備考

備考
神戸大学野村先生 補助金300,000円に対し、支出金額41,040円のため
聖路加国際病院野崎先生 補助金300,000円に対し、支出金額298,234円のため

参加する予定の学会に行かなくなったため。全額執行に向けて必要経費を検討しましたが、結果的に必要経費が申請内容以上に無く返還することといたしました。

公開日・更新日

公開日
2020-04-02
更新日
-