角膜難病の標準的診断法および治療法の確立を目指した調査研究

文献情報

文献番号
201811021A
報告書区分
総括
研究課題名
角膜難病の標準的診断法および治療法の確立を目指した調査研究
課題番号
H29-難治等(難)-一般-011
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
西田 幸二(大阪大学大学院医学系研究科 脳神経感覚器外科学(眼科学))
研究分担者(所属機関)
  • 東 範行(国立成育医療研究センター 眼科・視覚科学研究室)
  • 村上 晶(順天堂大学医学部 眼科学)
  • 島崎 潤(東京歯科大学市川総合病院 眼科)
  • 宮田 和典(医療法人明和会 宮田眼科病院)
  • 山田 昌和(杏林大学医学部 眼科学教室)
  • 外園 千恵(京都府立医科大学大学院医学研究科 眼科学)
  • 白石 敦(愛媛大学大学院医学系研究科 眼科学)
  • 榛村 重人(慶應義塾大学医学部 眼科学教室)
  • 臼井 智彦(東京大学医学部附属病院 眼科・視覚矯正科)
  • 山田 知美(大阪大学医学部附属病院 未来医療開発部)
  • 大家 義則(大阪大学大学院医学系研究科 脳神経感覚器外科学(眼科学) )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
13,847,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では難治性角膜疾患である無虹彩症、前眼部形成異常、Fuchs角膜内皮ジストロフィ、眼類天疱瘡、膠様滴状角膜ジストロフィの5疾患を対象として、これまでに作成した診断基準と重症度分類をより質の高いものに改定する。またMinds準拠の診療ガイドラインを作成し、これらを医師、患者ならびに広く国民に普及・啓発活動を行うことで、国内における診療の均てん化を図ることを目的とする。さらに対象疾患における視覚の質の実態調査を行い、患者の療養生活環境改善への提案に資することとする。これにより希少難治性角膜疾患の医療水準の向上、予後改善が期待でき、最終的には医療費や社会福祉資源の節約に大きく寄与すると期待される。
研究方法
診療ガイドラインの作成についてはMindsに準拠して行うこととする。まず初めにガイドライン統括委員会、診療ガイドライン作成グループ、システマティックレビュー(SR)チームの3層構造を構築し、外部評価委員を設定する。
次いで診療ガイドライン作成グループがスコープを作成し、作成したクリニカルクエスチョン(CQ)およびバックグラウンドクエスチョン(BQ)に対してSRチームが文献の検索およびエビデンスの評価を行う。診療ガイドライン作成グループは評価結果をもとに推奨およびガイドライン草案を作成し、外部評価、パブリックコメントを経て最終版とする。
視覚の質の実態調査に関しては、NEIが作成したVFQ-25アンケートを用いて行うこととする。アンケート結果は症例報告書(CRF)と共に研究班事務局へ集約し、レジストリ登録および解析を行う。
また難病レジストリ等への協力として、難病プラットフォームと連携し、臨床情報等をデータベースに登録・共有する。
結果と考察
診療ガイドラインの作成については、前年度に作成したスコープ案をもとに議論を行い、最終版とした。各CQ,BQごとにSRチーム2名が大阪大学図書館員協力のもと、キーワードとシソーラスを組み合わせた検索式を設定し、文献検索を行った。対象疾患がいずれも希少疾患である事から検索式による絞り込みは緩めに設定し、スクリーニングにて絞り込む方式とした。一次スクリーニングではタイトル、アブストラクトからCQに合致しないものを除外し、二次スクリーニングでは文献全文から選択基準に合致しているものを採用した。来年度はSRレポートをもとにガイドライン作成グループが推奨文および草案を作成し、外部評価等を経て最終化する。
視覚の質の実態調査に関しては、無虹彩症およびFuchs角膜内皮ジストロフィについてアンケートを実施した。来年度は引き続きアンケート調査を実施し解析を行う。
診断基準および重症度分類の改定については、昨年度は無虹彩症において遺伝子検査の実施困難により難病認定できない状況があることから、遺伝子検査を行わなくとも認定可能となるよう診断基準を修正した。今年度は乳幼児等、視力測定が困難な場合に臨個票の視力の項が空欄となる事を避けるため、重症度分類の付記に追記を行った。
難病レジストリへの協力については、来年度より難病プラットフォーム(AMED)レジストリへの登録を開始できるよう、準備を進めている。
結論
今年度はMindsに準拠した診療ガイドラインのスコープ作成およびシステマティックレビューを行った。VFQ-25アンケートによる視覚の質の実態調査については、無虹彩症およびFuchs角膜内皮ジストロフィについてアンケート調査を行った。また指定難病の重症度分類について、改訂を行った。難病プラットフォームとの連携については準備を進めているところである。

公開日・更新日

公開日
2019-09-02
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2019-09-02
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201811021Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
18,000,000円
(2)補助金確定額
17,757,000円
差引額 [(1)-(2)]
243,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,082,815円
人件費・謝金 6,871,909円
旅費 3,332,252円
その他 1,317,258円
間接経費 4,153,000円
合計 17,757,234円

備考

備考
243,000円返還

公開日・更新日

公開日
2020-02-18
更新日
-