運動失調症の医療基盤に関する調査研究

文献情報

文献番号
201811019A
報告書区分
総括
研究課題名
運動失調症の医療基盤に関する調査研究
課題番号
H29-難治等(難)-一般-009
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
水澤 英洋(国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター  )
研究分担者(所属機関)
  • 阿部 康二(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 脳神経内科学 教授)
  • 池田 佳生(群馬大学大学院医学系研究科 脳神経内科学 教授)
  • 石川 欽也(東京医科歯科大学医学部附属病院 長寿・健康人生推進センター 教授)
  • 宇川 義一(福島県立医科大学医学部 神経再生医療学講座 教授)
  • 小野寺 理(新潟大学脳研究所 神経内科学分野 教授)
  • 勝野 雅央(名古屋大学大学院医学系研究科 神経内科学 教授)
  • 吉良 潤一(九州大学大学院医学研究科 神経内科学 教授)
  • 桑原 聡(千葉大学大学院医学研究院 神経内科学 教授)
  • 佐々木 秀直(北海道大学大学院医学研究院 神経病態学分野神経内科学教室 特任教授)
  • 高尾 昌樹(埼玉医科大学医学部 教授)
  • 高嶋 博(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 神経内科・老年病学 教授)
  • 瀧山 嘉久(山梨大学大学院総合研究部医学域 神経内科学講座 教授)
  • 武田 篤(国立病院機構仙台西多賀病院 院長)
  • 田中 章景(横浜市立大学大学院医学研究科 神経内科学・脳卒中医学 教授)
  • 辻 省次(東京大学医学部附属病院 分子神経学 特任教授)
  • 花島 律子(鳥取大学医学部医学科 脳神経医科学講座脳神経内科学分野)
  • 宮井 一郎(社会医療法人大道会森之宮病院 副理事長・院長代理)
  • 吉田 邦広(信州大学医学部 神経難病学講座 特任教授)
  • 金谷 泰宏(国立保健医療科学院 健康危機管理研究部 部長)
  • 大西 浩文(札幌医科大学医学部 公衆衛生学講座 教授)
  • 高橋 祐二(国立精神・神経医療研究センター病院 脳神経内科診療部 部長)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
23,080,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
当研究班の対象疾患は脊髄小脳変性症(SCD)、多系統萎縮症(MSA)、痙性対麻痺(HSP)及び脳表ヘモジデリン沈着症(SH)である。共通課題として、診断基準・重症度指標・臨床調査個人票(個票)の検証と見直し・改訂による実態把握・診断精度向上・国際共同研究、ガイドラインの普及と診療の質の標準化、個票のデータ収集・分析、患者レジストリを活用した自然歴研究・診断支援、生体試料収集による診療・研究基盤および病態解明、バイオマーカー開発による定量評価指標確立、治療法・リハビリテーション法の最適化と普及を進める。
研究方法
特発性小脳失調症(idiopathic cerebellar ataxia, IDCA)の診断基準案に基づく全国調査を実施する。MSA統一臨床評価尺度(UMSARS)の日本語訳を完成する。MSAについては分科会を立ち上げて診断基準の改定を検討し、脳MRI画像の読影の精度を検証する。SHの実態を明らかにする。SCD・MSA診療ガイドラインを完成し、周知・普及を推進する。厚生労働省の難治性疾患データベースを活用した疫学研究を行う。患者登録システムJ-CAT(Japan Consortium of ATaxias)を運営し、臨床・ゲノム情報の蓄積、リソースの収集を推進する。SCA34・SCA36や地域別の分子疫学を明らかにする。レジストリを活用した診断支援を行う。遺伝性SCDを対象とし次世代シークエンサーを用いたエクソーム解析を行う。赤外線深度センサー・視覚誘導性サッケード課題と記憶誘導性サッケード課題・iPatax検査・3次元触覚/力覚インターフェイスデバイス・3軸加速度計・錯視知覚を用いて小脳機能の定量的評価を行う。MAO-B特異的PET・単球表面マーカー・血漿のmicroRNA発現量のバイオマーカーとしての妥当性を検討する。HSPに対するITB療法の治療効果に関する多施設共同研究を計画し、評価項目の検討を行う。SCD・MSAに対する短期集中リハのGoal Attainment Scale(GAS)の有用性を検討する。リハビリテーション分科会を構成して統一メニューの検討を行う。いずれの研究も該当する倫理指針を遵守し各倫理委員会で研究の審査と承認を得て行う。
結果と考察
IDCAの診断基準案に基づいて全国調査を開始し、2019年1月時点で31名のProbable IDCAが集積された。自己免疫性小脳失調症は余り検討されていない実態が明らかになった。UMSARSの日本語版を完成し妥当性を検証した。MSAの早期診断基準を検討し、起立性低血圧判定基準の緩和を提唱、MSAの脳画像の診断ピットフォールを明らかにした。これらの成果を踏まえてMSA分科会では診断基準の改訂案を作成した。SHの実態を明らかにした。SCD・MSA診療ガイドラインを刊行し、学会・講演会・総説等で活用を推進した。個票に基づき人工知能を用いた診断検討を行った。J-CATでは936例を登録し、700検体のリソース収集を達成し、381例で一次スクリーニングが完了し、160例で病型を確定した。SCA31,SCA1,IDCAの前向き自然歴研究分科会の活動を開始した。JASPAC及びJAMSACの従来の臨床試料収集も順調に進捗した。地域別・SCA34・SCA36の分子疫学を解明した。エクソーム解析により新規原因遺伝子COA7を同定した。赤外線深度センサー、サッケード課題、iPatax、3次元触覚/力覚インターフェイスデバイス、3軸加速度計、錯視知覚を用いて小脳機能の定量的評価を行いバイオマーカーとしての妥当性・有用性を検証した。MAO-B特異的PET、末梢血単球、miRNAの分析を行いバイオマーカーの候補を同定した。ITB療法の痙性対麻痺に対する治療効果を検証する評価項目を選定した。短期集中リハビリテーションにおけるGASの有用性を検証した。リハビリテーション分科会において統一メニュー案を作成した。
結論
IDCA診断基準案の検証と全国調査の開始・MSA早期診断基準の提唱、診療ガイドライン刊行と普及、患者登録システムの運用とそれを活用した診断支援・前向き自然歴研究開始、疫学情報の充実、生体試料収集、分子マーカー候補発見、運動失調症状の定量的評価法の確立、治療支援の基盤構築を達成した。運動失調症の医療基盤の整備に向けて着実に研究が遂行された。

公開日・更新日

公開日
2019-09-05
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2019-09-05
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201811019Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
30,000,000円
(2)補助金確定額
29,657,000円
差引額 [(1)-(2)]
343,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 8,718,186円
人件費・謝金 2,394,799円
旅費 1,777,770円
その他 9,846,725円
間接経費 6,920,000円
合計 29,657,480円

備考

備考
343,000円 返還

公開日・更新日

公開日
2020-02-18
更新日
-