文献情報
文献番号
201811002A
報告書区分
総括
研究課題名
Perry病診断基準の確立
課題番号
H28-難治等(難)-一般-016
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
坪井 義夫(福岡大学 医学部神経内科学教室)
研究分担者(所属機関)
- 服部 信孝(順天堂大学大学院医学研究科)
- 藤岡 伸助(福岡大学医学部神経内科教室)
- 三嶋 崇靖(福岡大学医学部神経内科教室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成30(2018)年度
研究費
1,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
Perry症候群はパーキンソニズム、うつ、体重減少、中枢性低換気をきたす遺伝性疾患で、複数の臨床的に類似した家系が報告されている。2009年に共同研究グループにより DCTN1 が原因遺伝子として同定され、病理学的には中脳黒質を含んだ神経細胞内にTDP-43蛋白凝集体がみられることが判明した。本研究目的はこの疾患の重症度の策定を行い、診療ガイドラインの策定をめざす。
研究方法
これまでの日本家系を含めた87例のPerry症候群患者の臨床症状から主要症候、指示的症候と遺伝子情報を合わせた診断基準が完成し、欧文誌に投稿した。この掲載により新たな家系の報告を促す可能性がある。今年度はすでにフォローしている家系調査 (FUK-1、FUK-4、OMT、MZK)を継続し、日本の新規家系の発掘を行う。新規発症者についてパーキンソニズム、うつ、体重減少、中枢性低換気の4徴候やその他精神症状等の出現頻度、時期、死因や罹病期間、治療反応性を検討する。臨床症状は定量的評価を用い詳細に検討した。剖検例は中脳黒質、青斑核や腹側被蓋野の神経脱落や神経細胞内のTDP-43蛋白凝集体の有無について検討する。
結果と考察
国内のPerry症候群疑いの患者のスクリーニング検査を行ったが新規のDCTN1遺伝子変異を有した患者は発見できなかった。経過を観察している2症例(FUK-1、OMT家系)フォローの臨床評価を行った。OMT家系から長期フォロー患者の剖検病理報告を行った。この中では従来知られているTDP-43陽性封入体のほかにリン酸化タウの凝集がみられている。Perry病とタウ病理との関連は今後の課題である。
結論
我々の提唱した国際診断基準を基礎にさらなる症例の蓄積と重症度と診療ガイドラインを確立することが必要である。
公開日・更新日
公開日
2019-09-02
更新日
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