文献情報
文献番号
199800670A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機関における安全対策に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成10(1998)年度
研究代表者(所属機関)
一山 智(京都大学医学部)
研究分担者(所属機関)
- 荒川宜親(国立感染症研究所)
- 岩田進(日本臨床衛生検査技師会)
- 飯沼由嗣(名古屋大学医学部附属病院)
研究区分
厚生科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬安全総合研究事業
研究開始年度
平成10(1998)年度
研究終了予定年度
平成12(2000)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
わが国においては、薬剤耐性菌検出のための標準化と精度管理は、臨床病理学会あるいは臨床検査技師会が中心となって行っているが、これらは一般的な細菌の同定と薬剤感受性についてである。本研究は耐性菌の検出に目的を絞ったものであり、細菌検査室での薬剤感受性試験の標準化と精度管理を目的としている。さらに、厚生科学研究「新興・再興感染症研究事業:薬剤耐性菌による感染症のサーベイランスシステムの構築に関する研究」の目的に合致させるものである。
研究方法
検討する病原細菌はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)、ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)、広域スペクトラムβラクタマーゼ産性菌(ESBL)、カルバペネム耐性緑膿菌の5菌である。3年計画の1年目においては、このうちESBLを除く4菌種とした。各々の菌種のうち、MRSAについてはオキサシリン低度耐性株2株と高度耐性株2株、VREについてはVanC遺伝子保有株2株、PRSPについてはペニシリン低度耐性株2株と高度耐性株2株、カルバペネム耐性緑膿については2株、合計12株を選定した。
これらの菌株を日本臨床衛生検査技師会に登録されている全国主要17医療施設に配布した。各施設において米国臨床検査標準委員会(NCCLS)で定められた抗菌薬感受性試験方法で正しく判定できるか否かを検討した。具体的な試験方法はデイスク拡散法と微量液体希釈法の2法である。試験薬剤はMRSAについてはオキサシリン(MPIPC)、バンコマイシン(VCM)、テイコプラニン(TEIC)、アルベカシン(ABK)の5薬剤、VREについてはVCM、TEIC、アンピシリン(ABPC)、ゲンタマイシン(GM)の4薬剤、PRSPについてはペニシリンG、MPIPCの2薬剤、カルバペネム耐性緑膿菌についてはイミペネム(IPM)、セフタジジム(CAZ)の2薬剤とした。
これらの菌株を日本臨床衛生検査技師会に登録されている全国主要17医療施設に配布した。各施設において米国臨床検査標準委員会(NCCLS)で定められた抗菌薬感受性試験方法で正しく判定できるか否かを検討した。具体的な試験方法はデイスク拡散法と微量液体希釈法の2法である。試験薬剤はMRSAについてはオキサシリン(MPIPC)、バンコマイシン(VCM)、テイコプラニン(TEIC)、アルベカシン(ABK)の5薬剤、VREについてはVCM、TEIC、アンピシリン(ABPC)、ゲンタマイシン(GM)の4薬剤、PRSPについてはペニシリンG、MPIPCの2薬剤、カルバペネム耐性緑膿菌についてはイミペネム(IPM)、セフタジジム(CAZ)の2薬剤とした。
結果と考察
MRSAにおいてはディスク法よりも微量液体希釈法にて良好な再現性が得られた。VanC陽性腸球菌ではディスク法の信頼性は乏しく微量液体法による検査が必須である。ペニシリン耐性肺炎球菌ではMPIPCディスクによるスクリーニングは信頼性があったが、PCGの微量液体法では施設間格差が著しかった。メタロβラクタマーゼ陽性緑膿菌ではCAZディスク法にてスクリーニング可能と考えられた。
結論
各種耐性菌の感受性検査でも特に施設間格差の著しい項目があり、検査精度を高めるためには統一した精度の高い検査手技の確立が重要である。本研究による現時点での推奨される耐性菌検査法は以下の通りである。
1. MRSAにおける微量液体希釈法によるMPIPC及びVCMのMIC測定
2. VanC陽性バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)における微量液体希釈法によるVCMのMIC測定、ディスク拡散法によるTEIC感受性測定、ディスク拡散法及び微量液体希釈法によるABPC感受性検査、VITEK以外の機器による微量液体希釈法によるGM感受性測定
3. MPIPCのディスク拡散法によるペニシリン耐性肺炎球菌のスクリーニング
4. CAZのディスク拡散法によるメタロβラクタマーゼ陽性緑膿菌のスクリーニング。
特に、より安定した結果を示す腸球菌におけるVCM耐性検出法ならびに肺炎球菌におけるPCG耐性検出法の確立が急務と考えられた。
次年度からは、本年度の研究の各施設における複数回測定ならびに保存株による繰り返し測定を行い、その結果をもととして精度管理に適した菌株の選定、より精度の高い耐性菌検出法の確立並びにさらに多くの施設での精度管理検査を実施する予定である。
1. MRSAにおける微量液体希釈法によるMPIPC及びVCMのMIC測定
2. VanC陽性バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)における微量液体希釈法によるVCMのMIC測定、ディスク拡散法によるTEIC感受性測定、ディスク拡散法及び微量液体希釈法によるABPC感受性検査、VITEK以外の機器による微量液体希釈法によるGM感受性測定
3. MPIPCのディスク拡散法によるペニシリン耐性肺炎球菌のスクリーニング
4. CAZのディスク拡散法によるメタロβラクタマーゼ陽性緑膿菌のスクリーニング。
特に、より安定した結果を示す腸球菌におけるVCM耐性検出法ならびに肺炎球菌におけるPCG耐性検出法の確立が急務と考えられた。
次年度からは、本年度の研究の各施設における複数回測定ならびに保存株による繰り返し測定を行い、その結果をもととして精度管理に適した菌株の選定、より精度の高い耐性菌検出法の確立並びにさらに多くの施設での精度管理検査を実施する予定である。
公開日・更新日
公開日
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