国民健康・栄養調査結果を用いた栄養素及び食品の摂取状況の適切性の評価に関する研究

文献情報

文献番号
201809014A
報告書区分
総括
研究課題名
国民健康・栄養調査結果を用いた栄養素及び食品の摂取状況の適切性の評価に関する研究
課題番号
H29-循環器等-一般-006
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
横山 徹爾(国立保健医療科学院 生涯健康研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 村山 伸子(新潟県立大学 人間生活学部)
  • 村上 健太郎(東京大学大学院 医学系研究科)
  • 須賀 ひとみ(東京大学大学院 医学系研究科)
  • 横道 洋司(山梨大学大学院 総合研究部医学域社会医学講座)
  • 吉池 信男(青森県立保健大学 健康科学部栄養学科)
  • 石川 みどり(国立保健医療科学院 生涯健康研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
13,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
【テーマ1】国民健康・栄養調査結果を用いた国民の栄養素摂取量の適切性を、食事摂取基準との比較により性・年齢別に高い精度で評価する方法を開発し、国民の現状および経年的な動向を評価し、栄養施策推進のための根拠を充実させることを目的とする。
【テーマ2】健康の維持・増進及び生活習慣病予防の観点からみた食事の適切性の評価について、栄養素と食品の摂取状況との関係から、社会経済的側面も踏まえて明らかにする。また、案分法による食事記録の妥当性の検証をおこなう。
研究方法
【テーマ1】以下の3つの分担研究に取り組んだ。
1)国民健康・栄養調査から日本人の習慣的な栄養素摂取量を推定し食事摂取基準と比較する方法の開発。
2)高齢者の食事の適切性の評価法の検討。
3)国民健康・栄養調査等の生活習慣調査のオンライン実施に関する試行的検討。
【テーマ2】以下の6つの研究を実施した。
1)食事の適切性を評価するための食事スコアの検討
2)朝食・昼食・夕食別の食事パタンと全体の食事パタンへの寄与の検討
3)食事パタンの経年変化の検討
4)Nutrient-Rich Food Index 9.3(NRF9.3)と栄養素摂取量との関連
5)食事の適切性を評価するための食品種類数の検討
6)食事記録の妥当性の検証のため調査方法と対象地域の選定
結果と考察
【テーマ1】1)①AGEVAR MODEを応用し、たんぱく質を例として、既存の複数日調査の個人内/個人間分散比を統合し、他の調査の個人内/個人間分散比を外挿することの妥当性をクロス・バリデーションによって検討し、国民健康・栄養調査に外挿して習慣的な摂取量の分布推定を試みた。男性のたんぱく質ではある程度の妥当性があると考えられた。②栄養素等摂取量の個人内/個人間変動に関わる地域間差及び季節間差の検討するための新たな複数日の食事調査を開始し、順調にデータ収集を進めた。
2)AGEVAR MODEを用いて、K県50歳以上の男女の平日2日間の食事調査データの解析を行い、男性では、60歳を過ぎると摂取量が減少する栄養素(たんぱく質等)があること、また、栄養素による個人間・個人内変動に違いがあることが明らかになった。
3)国民健康・栄養調査における生活習慣調査でオンラインによる回答手法の導入が検討されていることから、地域などでの生活習慣調査におけるオンライン回答の有用性を検討するために、3つの集団において「野菜・果物摂取と食生活についてのアンケート調査」を実施した。その結果、20~40歳代という若い年代においては、受け入れ・協力率も比較的高く、データ入力やチェックのコストを考えると有効な手段と思われた。
【テーマ2】
1)食事の質の評価指標として、現在利用可能な4つの食事の質スコア(食事バランスガイドの遵守度を評価したスコア(JFGスコア)およびその修正版(修正版JFGスコア)、地中海食スコア(MDS)およびDASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)スコア)と各種栄養素摂取量および代謝危険因子とのあいだに一貫した関連は観察されなかった。
2)日本人が摂取する朝食・昼食・夕食における主要な食事パタンを抽出した。これらのパタンのそれぞれが1日全体の食事パタンと独自に関連していた。
3)対象者全員を含んだ解析では、「植物性食品と魚」パタンの得点は経時的に減少し、一方「パンと乳製品」パタンおよび「動物性食品と植物油」パタンの得点は経時的に増加した。
4)NRF9.3は全般的に望ましい栄養摂取状況と関連していた。NRF9.3が日本人の食事の全般的な質を評価するのに有用な尺度である可能性が示唆された。
5)摂取食品数、食品群数が多いほど、多くの栄養素等で摂取量が相対的に多いことが示された。
6)食事記録の妥当性の検証のため調査方法と対象地域の選定をおこなった。

結論
【テーマ1】習慣的摂取量の分布推定法を改良し、国調への応用の妥当性を検討し、食事摂取基準との比較がほぼ可能となった。
【テーマ2】食事の適切性を評価するための手法として食品種類数と栄養素摂取量との関連を検討した。

公開日・更新日

公開日
2020-01-07
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2022-10-12
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201809014Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
13,000,000円
(2)補助金確定額
11,323,000円
差引額 [(1)-(2)]
1,677,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,813,184円
人件費・謝金 5,155,028円
旅費 910,485円
その他 2,444,826円
間接経費 0円
合計 11,323,523円

備考

備考
自己負担523円。

公開日・更新日

公開日
2020-03-19
更新日
-