新型インフルエンザワクチンの開発・製造・品質管理に関する研究

文献情報

文献番号
199800669A
報告書区分
総括
研究課題名
新型インフルエンザワクチンの開発・製造・品質管理に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成10(1998)年度
研究代表者(所属機関)
田代 眞人(国立感染症研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 根路銘国昭(国立感染症研究所)
  • 堺春美(東海大学医学部)
  • 五條堀孝(国立遺伝学研究所)
  • 豊田哲也(久留米大学医学部)
研究区分
厚生科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬安全総合研究事業
研究開始年度
平成10(1998)年度
研究終了予定年度
平成12(2000)年度
研究費
36,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
新型インフルエンザを含むインフルエンザ対策の中心は、ワクチン接種体制の確立である。その為には、流行ウイルスの的確な予測とこれに対応したワクチン開発、および緊急時のワクチン生産、供給、品質管理を如何に効率よく短時間で行うかという準備体制を確立しておく必要がある。本研究では、これらの問題解決のため、1)過去の分離ウイルスの遺伝子解析成績を基にウイルスの系統樹を作製して、これを公開のデーターベースとして整理し、新たな分離株のデーターを入れると直ちにその位置づけと今後の流行株の傾向が示されるような自動化システムを開発する。2)新型インフルエンザに対するワクチンを速やかに開発するための遺伝子操作技術およびワクチンの安全性試験方法を確立する。3)ワクチンの品質管理として、一ヶ月を要する現行の卵内中和法に変えて、国際的な一次元放射免疫拡散法による迅速なワクチン力価測定法を確立する。4)脳炎・脳症等の合併症症例について、対策検討のためにウイルス側および宿主側要因を解明する。5)現行HAワクチンを経鼻接種することにより局所粘膜免疫を付与する新しいワクチン投与方法を開発する。
研究方法
研究方法及び1)インフルエンザウイルスデーターベースの設計と構築。インフルエンザデーターバンクからの塩基配列・アミノ酸配列を基礎のして系統樹を作製し、これと単離年、単離地、亜型等を加味したデーターベースと検索ソフトを作製した。2)リバースジェネティクスによるインフルエンザウイルス変異株作製方法の開発。ウイルス RNAからcDNAを作製し、これに遺伝子変異を加えて、更にヘルパーウイルスに取り込ませた変異ウイルスを回収する技術を、様々な亜型ウイルスについても応用しうる技術を検討した。3)1次元免疫拡散法(SRID法)によるワクチン抗原量、力価測定法の検討。SRID法によるワクチン抗原量測定条件を検討し、これによる成績を従来からの卵内中和法と比較した。4)インフルエンザ脳炎・脳症における背景因子の解明。患者からの分離ウイルスを分子レベルで解析し、また患者のデーターと比較して、その背景となるウイルス側および宿主側の要因を検討した。5)経鼻噴霧型不活化ワクチンの開発。現行HAワクチンの経鼻接種による局所粘膜免疫賦活方法を検討した。安全性確保の面から製剤の精製度、経鼻接種用の器具、接種条件、免疫反応等を検討した。

結果と考察
結論

公開日・更新日

公開日
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更新日
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