がんと診断された時からの緩和ケアの推進に関する研究

文献情報

文献番号
201808022A
報告書区分
総括
研究課題名
がんと診断された時からの緩和ケアの推進に関する研究
課題番号
H29-がん対策-一般-022
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
武藤 学(京都大学 医学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 森田 達也(聖隷三方原病院)
  • 恒藤 暁(京都大学 医学研究科 )
  • 清水 千佳子(国立国際医療研究センター病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
3,075,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班の2年目は1、「がんと診断された時からの緩和ケア」に対する考え方・態度の調査の質的解析と2、その阻害/促進因子の同定、そして3、その評価指標の策定を行う。3について、初年度の調査結果を受け、診断時からの緩和ケアに関する評価指標の探索を目的に用いられた学術的文脈における「オンコロジーと緩和ケアの連携」の国際評価指標で、現場で各因子が有効に機能しているかまで測定することは困難と考えられた。そこで、患者の立場から診断時から経時的なニードの実態を時期別・がん種別に捉えなおし、患者が求める診断時からの緩和ケアの在り方を検討し、その評価指標を探索することとした。
研究方法
1、初年度に実施した調査票を用いた郵送法による横断調査の質的解析
2、医療従事者を対象とした調査票を用いた郵送法による横断調査
3、がん患者の診断期、治療期のニーズに関するインターネットを介した横断的調査研究
結果と考察
1、地域がん診療病院を含む拠点病院等は433施設、非拠点病院は478施設が調査対象となり、自由記述での回答はそれぞれ106施設(24.5%)、68施設(14.2%)から得られた。「「診断時からの緩和ケア」に対する考え方・態度」「「診断時からの緩和ケア」を阻害する因子」「「診断時からの緩和ケア」を促進する因子」の3つのテーマが同定された。「「診断時からの緩和ケア」に対する考え方・態度」のサブテーマとして、「肯定的考え方・態度」「否定的考え方・態度」が挙げられた。「「診断時からの緩和ケア」を阻害する因子」のサブテーマとして、「患者・家族、がん治療に関わる医療スタッフ、緩和ケアに関わる医療スタッフ、医療機関の考え方・態度」、「日本の医療文化」、「医療資源の不足」、「医療現場のプロセス」「政策」、「医療格差」が挙げられた。「「診断時からの緩和ケア」を促進する因子」として、「医療スタッフ、医療機関、患者・一般市民への教育啓発」、「医療資源・インフラの充実・整備」、「医療現場のプロセスの改善」「政策」が挙げられた。
2、地域がん診療病院を含む拠点病院等437施設で勤務する、乳がん治療医、消化器がん治療医、肺がん治療医、緩和ケア担当医、がん看護責任者を対象とした。それぞれ215名(49.2%)、202名(46.2%)、200名(45.8%)、249名(57.0%)、249名(57.0%)から回答を得た。
3、 早期がん(乳がん、胃・大腸がん、肺がん)に罹患経験を有するモニター208名(診断期120名、治療期88名)、根治不能な進行再発がんに罹患したモニター206名(診断期63名、治療期143名)から回答を得た。
結論
1、典型的な回答は、診断時からの緩和ケアの重要性は一般的に認知あれているものの、専門的緩和ケアを提供する医療者と比較して緩和ケアのニーズのある患者・家族は相対的に多く、一次緩和ケアの充実が最も重要であるとの意見であった。緩和ケアに関わる医療資源の限界がある中、より効果的・効率的な緩和ケアサービスの提供の在り方について、さらなる検討が必要と考えられた。
2、3 現在、これらの課題については、集計結果を鋭意解析中である。最終結果・考察・結論は本研究班の最終年度の報告書にて報告予定である。

公開日・更新日

公開日
2020-01-15
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2020-01-15
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201808022Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
3,997,000円
(2)補助金確定額
3,997,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 4,952円
人件費・謝金 0円
旅費 327,270円
その他 2,742,778円
間接経費 922,000円
合計 3,997,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2020-03-17
更新日
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