がん患者の就労継続及び職場復帰に資する研究

文献情報

文献番号
201808011A
報告書区分
総括
研究課題名
がん患者の就労継続及び職場復帰に資する研究
課題番号
H29-がん対策-一般-011
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
若尾 文彦(国立がん研究センター がん対策情報センター)
研究分担者(所属機関)
  • 高橋 都(国立がん研究センター がん対策情報センター)
  • 森 晃爾(産業医科大学 産業生態科学研究所)
  • 立石 清一郎(産業医科大学 産業医実務研修センター)
  • 柴田 喜幸(産業医科大学 産業医実務研修センター)
  • 錦戸 典子(東海大学健康科学部看護学科)
  • 久村 和穂(石川 和穂)(金沢医科大学医学部腫瘍内科学)
  • 吉川 悦子(高橋 悦子)(日本赤十字看護大学)
  • 青儀 健二郎(独立行政法人国立病院機構四国がんセンター)
  • 岩田 広治(愛知県がんセンター中央病院)
  • 鈴木 聡(石巻赤十字病院)
  • 宗本 義則(福井県済生会病院)
  • 澤 祥幸(岐阜市民病院)
  • 坪井 正博(国立がん研究センター東病院)
  • 西田 俊朗(国立がん研究 センター中央病院)
  • 坂本 はと恵(国立がん研究センター東病院)
  • 山中 竹春(横浜市立大学大学院医学研究科)
  • 立道 昌幸(東海大学医学部)
  • 堀之内 秀仁(国立がん研究センター中央病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
10,270,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療機関におけるがん患者就労支援の包括的な仕組みの構築に向け、就労支援の共通基盤となるべき基本的要素を検討するとともに、働くがん患者が治療の時間軸の中で、いつ離職を考慮しているのかを明らかにし、それぞれの時期における有用な支援を解明すること。
研究方法
がん診療連携拠点病院に勤務する多職種医療者を対象とする質問紙調査を実施するとともに、国立がん研究センター東病院・神奈川県立がんセンターの2施設に初診した患者を対象に調査票を用いた前向き観察研究を実施した。研究登録は初診時、追跡調査は初診から6ヶ月後と初診から2年後に設定した。
結果と考察
探索因子分析の結果、多職種アプローチにより「患者の職場での心身のセルフケア能力を高める」、治療と仕事を両立できるよう、「患者の職場環境の支援獲得能力を高める」の2因子26項目を抽出した。また、患者登録は388名(同意取得率98.2%/回収率91.9%)であった。離職率は、初診時が220名(5.7%)、初診後6ヶ月が26名(12.4%)、初診後2年が22名(16.2%)であった。また、治療時期により変化する支援ニーズとしては、①診断初期の患者は利用可能な支援制度の情報ニーズや、治療に要する時間等の標準的ながん治療の情報に対するニーズが高いこと、②診断から時間がたつごとに制度や医学的情報では解決困難な他の患者の工夫を知る場を求めていることが明らかとなった。
結論
アクションチェックリスト(ACL)の各因子の項目内容を考慮し、因子負荷量の基準を0.4として、因子負荷量0.4未満の項目がみられなくなるまで解析を行い2因子26項目を抽出した。がん専門病院受診前から2年後に至るまで一定数の患者が離職を考慮しており、離職予防を目的とした介入は、がん検診等を実施する地域の医療機関で開始する必要性があること、治療を実施する専門病院が継続した支援を行う必要性が示唆された。これらの結果を「仕事と治療の両立 お役立ちノートdraft版」(平成30年度作成)に反映し最終版を発行した。今後、本ノートを用いた両立支援の有用性検証、および、ACL活用のための研修パッケージ策定と評価を計画している。

公開日・更新日

公開日
2020-02-17
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2020-02-17
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201808011Z