生活・療養環境による要望特性に応じたがん情報提供・相談支援体制の在り方:地域ニーズの検証と活性化人材の育成と普及

文献情報

文献番号
201808004A
報告書区分
総括
研究課題名
生活・療養環境による要望特性に応じたがん情報提供・相談支援体制の在り方:地域ニーズの検証と活性化人材の育成と普及
課題番号
H29-がん対策-一般-004
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
西山 正彦(国立大学法人群馬大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 片渕 秀隆(国立大学法人熊本大学 大学院生命科学研究部)
  • 相羽 惠介(東京慈恵会医科大学 医学部)
  • 調 憲(国立大学法人群馬大学 大学院医学系研究科)
  • 藤 也寸志(国立病院機構九州がんセンター)
  • 渡邊 清高(帝京大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん対策推進総合研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
6,390,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
生活圏で異なる多様なニーズに対応し、求められるものへと正確につなぐ地域完結型情報提供・相談支援システムの確立を目指し、地域の情報提供・相談支援体制とこれを補強する人材養成プログラムを検証・支援し、地域ニーズの抽出に基づく相談支援・情報提供体制の在り方、これを効率化する人材の育成と介入モデル、療養を含めた地域情報づくりモデル等を提案する。
研究方法
本研究では、Work Package (A). 地域ニーズに基づく情報提供体制の在り方研究と、Work Package (B). 支援体制活性化人材の養成並びにその介入モデルの確立研究を並行し、ともに3年間で①各地方の支援体制の実態把握・実効性検証、②ニーズの抽出、③対応モデル・マニュアルの提案の3ステップを消化し、総括に結ぶ。2年目となる平成30年度には、Work Package (A)では、平成29年度アンケート調査「がん患者さんとご家族向け支援の実態調査」を解析してまとめ、その内容を確認、深掘りするために、1都5県のアンケート回答施設を対象に、全国5会場でがん医療ネットワークナビゲーター(シニア及びナビゲーター)によるインタビュー調査を実施した。Work Package (B)では、情報提供・相談支援体制の活性化に資する人材の養成に関し、全国規模で組織的・継続的にこれを実施、検証している認定事業を再調査するともに、引き続き日本癌治療学会のがん医療ネットワークナビゲーター制度を対象に、その普及・展開を支援した。また、その有効性検証のため、資格取得者の実態調査をアンケートにて行った。
結果と考察
平成29年度のアンケート調査にて、a) 拠点病院のみならず、一般病院/診療所などの診療施設や薬局、介護療養支援施設、市町村窓口/保健所/公共図書館、患者会・患者支援団体等、各々で相談ニーズがあり、b) 施設属性により、また、c)相談件数によっても、相談内容に相違があること、が明らかとなった。ニーズの地域差が、地域特性によるものか、施設属性や各地域のその分布差、相談件数の差によるものか、相談対応マニュアル作成や介入モデルの構築時の作業仮設を明確にする必要が生じたため、アンケート調査の全国展開に変え、前年度アンケート回答763施設を対象に、インタビュー調査実施し(5会場)、計79施設の参加を得、調査データ入力・集計を終了した。現在、結果解析中であるが、同調査で、1)積極的医療相以降の医療とケアの継続性に課題があり、2)各相の相談支援体制も連携に乏しく、各病相でのニーズに十分対応できていない状況が示唆されている。情報提供・相談支援体制活性化人材の養成制度調査では、現在、厚生労働省委託事業 「がん総合相談に携わる者に対する研修事業」、厚生労働省「がん患者の仕事と治療の両立支援モデル事業公募要項がん患者等に対する就職支援事業」等が進行中で、その結果を注視していくこととした。がん医療ネットワークナビゲーター制度の普及・展開の支援により、シニアナビゲーター55名、ナビゲーター160名が資格認定され、資格取得予備軍となるe-LEARNING受講者も628名まで増加した。また、その実態調査により、資格取得者の活動体制の確保が課題であることが確認された。
結論
平成30年度は、初年度に行った「がん患者さんとご家族向け支援の実態調査」の回答をまとめ、その結果、予定していたアンケート調査の全国展開に替え、前回調査回答施設を対象とするインタビュー調査を全国5会場で実施した。詳細は次年度を待たねばならないが、アンケート調査で示唆された結果、a) 拠点病院のみならず、一般病院/診療所などの診療施設や薬局、介護療養施設、市町村窓口/保健所/公共図書館、患者会等、各々で相談ニーズがあり、b) 施設属性、相談件数により相談内容に差がみられること、がほぼ確認された。また、新たに、1)積極的医療相以降の医療とケアの継続性に課題があり、2)医療、介護、生活支援に関する相談体制も連携に乏しく、各病相でのニーズへの対応が不十分であることが示唆された。日本癌治療学会のがん医療ネットワークナビゲーター制度の普及・展開支援では、目標を大きく上回り、シニアナビゲーター55名、ナビゲーター160名が資格認定に至り、資格取得予備軍となるe-LEARNING受講者も620名まで増加した。さらに、新たに認定されたナビゲーターについてアンケート調査を実施し、資格取得者が効率的に機能する体制構築が課題であることを確認した。これらの研究結果に基づき、次年度(最終年度)には、病態や時相によって異なる多様な相談ニーズに対し、真に有効な地域完結型の情報提供、相談支援とそれに必要な人材育成体制の在り方、モデル、マニュアルを提案する。

公開日・更新日

公開日
2019-10-17
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2019-10-17
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201808004Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
8,306,000円
(2)補助金確定額
8,306,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 100,000円
人件費・謝金 2,926,897円
旅費 2,890,005円
その他 473,098円
間接経費 1,916,000円
合計 8,306,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2020-02-13
更新日
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