超低出生体重児の成人期に達するまでの慢性疾患群合併の実態把握と支援方策の確立に向けた研究

文献情報

文献番号
201806019A
報告書区分
総括
研究課題名
超低出生体重児の成人期に達するまでの慢性疾患群合併の実態把握と支援方策の確立に向けた研究
課題番号
H30-特別-指定-017
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
河野 由美(自治医科大学 医学部 小児科)
研究分担者(所属機関)
-
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
平成30(2018)年度
研究費
4,960,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究報告書(PDF)

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201806019C

成果

専門的・学術的観点からの成果
これまでの超低出生体重児の予後の研究では、主に低年齢時の神経学的障害が報告されており、本研究により初めて成人に達するまでの各年齢における、複合的な慢性疾患の出現や経過の病態、医療的ケアや日常生活、受給されている福祉制度についての実態が把握された。加齢とともに症状が顕性化する疾患(眼科合併症、腎機能障害、行動発達の障害など)が明らかとなった。海外からの研究報告も少なく、成人に至った超低出生体重児の予後報告としての意義がある。
臨床的観点からの成果
超低出生体重児の、3歳から成人期までの年台別の身体発育・慢性疾患群の合併の実態、精神発達・発達障害の実態が明らかとなった。知的障害・発達障害と眼疾患を除き個々の合併疾患の割合は高率ではないが、複数の疾病を重複する例が比較的多いことが明らかになった。成人期まで定期受診する診療科のある例は40%を越えており、慢性的な疾患の出現の評価と合併疾患の管理のために、成人期までの継続的な医療機関への受診の必要性が示唆された。
ガイドライン等の開発
超低出生体重児のフォローアップ方法について、現在のところ日本ではハイリスク児フォローアップ研究会の提唱するマニュアルのみで、対象年齢も9歳(小学校3年生)までである。本研究結果を資料として、今後、中学生、高校生、成人期のフォローアップのマニュアルの作成を研究会および調査を連携しておこなった新生児成育医学会で検討する。現在ハイリスク児フォローアップ研究会で小学校高学年と中学生のフォローアップのマニュアルを作成中であり、今回の研究結果を反映させる。
その他行政的観点からの成果
超低出生体重児は成人期まで複数の慢性疾患群合併する割合が高率であるという研究結果を、小児慢性特定疾病対策の追加疾病として「超低出生体重児」について議論が行われる厚生労働省健康局難病対策課、「小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会」へ基礎資料として提出する。
その他のインパクト
超低出生体重児の成人期までの慢性疾患の合併について、学会や研究会で発表し、学会HPを通して周産期医療従事者や一般にも周知する予定である。全国調査を実施すべく準備中である。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
8件
その他論文(英文等)
2件
学会発表(国内学会)
5件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2022-05-26
更新日
2023-05-29

収支報告書

文献番号
201806019Z