都市で行われる国際会議等における医療提供体制の構築に資する研究-2019年金融・世界経済に関する首脳会合(G20)における救急・災害医療体制-

文献情報

文献番号
201806006A
報告書区分
総括
研究課題名
都市で行われる国際会議等における医療提供体制の構築に資する研究-2019年金融・世界経済に関する首脳会合(G20)における救急・災害医療体制-
課題番号
H30-特別-指定-006
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
嶋津 岳士(大阪大学大学院医学系研究科 救急医学)
研究分担者(所属機関)
-
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
平成30(2018)年度
研究費
3,946,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究報告書(PDF)

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201806006C

成果

専門的・学術的観点からの成果
G20大阪サミット会議は37の国や国際機関の首脳が集まる会議で、日本での開催は初めてであり、また従来のG7サミットと異なり、都市部(大阪)での開催という特色があった。そのため、救急・災害医学、特にマスギャザリング医学における新たな課題が多数明らかとなった。多数の首脳(VIP)に対する医療提供における接遇、病院におけるセキュリティ確保(施設・運用面)、多言語対応、日常救急医療との両立、などの課題は、今後の東京オリンピック・パラリンピックなどのイベント準備にも有用である。
臨床的観点からの成果
サミット等の国際会議に対する医療体制を構築する際の基本的な手順を確立することができた。特に、医療だけではなく、最初から開催地の自治体等(大阪府、大阪市、関西広域連合)ならびに地元の消防・警察、保健所、海上保安庁とも連携を取って組織整備を行うことにより、従来の国際会議やマスギャザリングよりも高度な救急医療・災害医療を提供するための協力体制を確立することができた。国際会議等のイベントに備えた医療対応の「大阪モデル」として、今後の国際会議等の運用で準拠されることが期待される。
ガイドライン等の開発
国際会議等のマスギャザリングに対する医療対応における課題をとりまとめた。特に、首脳等のVIP医療の諸問題、なかでも病院受診と入院加療に関わるセキュリティ確保を考慮して、首脳対応病院を選択する基準を示した。また、メディア関係者等への医療対応での多言語化の課題についてもとりまとめた。テロを含む特殊災害に対してはNBC対応を中心に病院でのマニュアル整備のための手引書を作成した。
その他行政的観点からの成果
ミット会議に対する医療対応を整備するために、当初より行政(大阪府・市)、消防、警察、保健所、海上保安庁の関係者と協力体制を構築し、大阪府・市の会議体(G20大阪サミット救急・災害医療推進会議(事務局:大阪府医療対策課))とも連携して厚生労働科学研究を推進することができた。医療や行政の各組織が早期から協力することにより、情報交換や問題点の共有が促進された。このことにより、サミット会議等の大規模国際会議への医療対応を整備する上でのモデル的な体制(大阪モデル)を構築することができた。
その他のインパクト
G20サミット会議に対する医療対応は首脳(VIP)に関わる内容を含み、機微情報やセキュリティ上の問題があるため、医療体制に関してはメディアへの公開は積極的に避けてきた。そのなかで、訪日外国人に対する多言語医療対応に関わる取組みとして、服用薬やアレルギーに関わる情報を記載するカード状の「救急タグ」(多言語対応)を作成し、その日本語版を試験的に地域のイベントや医師会を通じて市民に配布し、好評を得た。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
2件
第46回日本救急医学会総会(2018.11.20)、第24回日本災害医学会(2019.02.01)
学会発表(国際学会等)
1件
第14回アジア太平洋災害医学会(2018.11.20)
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2022-05-26
更新日
-

収支報告書

文献番号
201806006Z