文献情報
文献番号
201806001A
報告書区分
総括
研究課題名
医療安全における医療機関の連携による評価に関する研究
課題番号
H30-特別-指定-001
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
石川 雅彦(公益社団法人地域医療振興協会 地域医療研究所 地域医療安全推進センター)
研究分担者(所属機関)
- 後 信(九州大学病院 医療安全管理部 )
- 稲葉 一人(中京大学 法務研究科)
- 斉藤 奈緒美(公益社団法人地域医療振興協会 地域医療研究所 地域医療安全推進センター )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
平成30(2018)年度
研究費
2,614,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
平成30年度診療報酬改定で、医療安全対策に関する医療機関の連携に対する評価(医療安全対策地域連携加算1と2)が新設された。算定要件は、複数の医療機関が連携し、医療安全対策に関する評価を行っていることである。この医療安全評価を効果的・効率的に実施するには、評価項目、評価方法の標準化が必定であるが、これまで特定機能病院以外の施設が、相互に医療安全評価を行うための適切な評価項目や評価方法に関する十分な研究は行われていない。本研究では、特定機能病院や既に連携して医療安全評価を実施している施設における評価項目や評価方法を整理し、さらに、新設の医療安全対策地域連携加算の算定を始めた施設の現状評価を行い、標準的な評価項目、評価方法を策定することを目的とした。
研究方法
既に実施されている医療安全管理体制の相互評価に関する実態 調査として、特定機能病院以外の施設、および特定機能病院等(国立大学附属病院、等)における相互チェックの状況に関して、ヒアリングやインタビュー調査等で実態調査を行った。そして、医療安全対策地域連携加算の算定を始めた、あるいは算定の準備をしている施設、および先行施設等に関する実態調査として、相互における評価の状況や、準備段階の課題等に関して、意見交換会等を実施した。
結果と考察
これらの調査等から、医療安全対策地域連携加算の施設基準等を参考にして、評価項目、評価方法を検討し、「医療安全地域連携シート」を作成した。 併せて、実際の相互評価として病院での試行を実施し、試行結果を参考にして、「医療安全地域連携シート」の内容を整えた。さらに、「医療安全地域連携シート」をより活用しやすくするために、「医療安全地域連携シート」の具体的な使用方法を解説した「医療安全地域連携シート 活用実践ガイド」を作成し、特定機能病院以外の医療機関でも効果的・効率的に実施しうる医療安全評価に関する標準的な評価項目や評価方法を示した。
結論
今後、「医療安全地域連携シート」を医療安全対策の相互評価に活用することで、地域において、特定機能病院以外の保険医療機関が相互に医療安全に関して連携し、医療安全対策地域連携加算の施設基準の整備はもとより、評価を実施する施設、および評価を受ける施設ともども、さらなる医療安全の推進と医療の質向上に資することが期待される。
公開日・更新日
公開日
2019-04-03
更新日
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