ロボット型内視鏡操作支援システムのAIによる高度化と各種医療機器統合インターフェースとしての展開

文献情報

文献番号
201803022A
報告書区分
総括
研究課題名
ロボット型内視鏡操作支援システムのAIによる高度化と各種医療機器統合インターフェースとしての展開
課題番号
H29-ICT-一般-012
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
江口 晋(国立大学法人長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 小坂 太一郎(長崎大学病院)
  • 伊藤 信一郎(長崎大学病院)
  • 足立 智彦(長崎大学病院)
  • 喜安 千弥(長崎大学 工学研究科・電気情報科学部門)
  • 柴田 裕一郎(長崎大学 工学研究科・電気情報科学部門)
  • 薗田 光太郎(長崎大学 工学研究科・電気情報科学部門)
  • 諸麥 俊司(中央大学 理工学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(臨床研究等ICT基盤構築・人工知能実装研究)
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
12,645,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究課題では開発したロボット型内視鏡操作支援システムを他の手術関連機器と接続し、またAIを組み込むことで術者らとコミュニケーションを取りながら、術中に外科医を適切にサポートするシステムとして発展させる。本システムは、外科医の負担軽減と精度の高い判断を支援すると同時に、各種術中のデータを体系的に統合・収集できるインターフェースとしても機能する。
研究方法
■実施課題
ロボット型内視鏡操作支援システムのAIによる高度化に向けて本研究で計画している実施課題は次の7つである。

課題1)操作支援、(自動操作)、ナビゲーションシステムのためのデータベースの構築(データベース共通化・標準化の検討含む)(江口、伊藤、足立、小坂、(収集情報の決定、収集方法の検討担当)喜安、柴田(情報収集技術担当))

課題2)AI知能化とその評価を目的としたロボット型内視鏡操作システムの製作(諸麥、柴田、喜安)

課題3)手術ナビゲーション機能の実装(喜安、柴田、諸麥)

課題4)手術ナビゲーション機能の評価(江口、伊藤、足立、小坂)

課題5)内視鏡操作支援機能の実装(喜安、柴田、諸麥)

課題6)内視鏡自動操作機能の実装(喜安、柴田、諸麥)

課題7)操作支援機能、自動操作機能の評価(江口、伊藤、足立、小坂)
結果と考察
課題1)操作支援、(自動操作)、ナビゲーションシステムのためのデータベースの改良
昨年同様に胆嚢摘出術内視鏡手術動画よりキー画像となる、静止画を抽出。これに胆嚢、胆嚢管、総胆管部位を外科医がマーキングしたものを教師画像として、AI画像診断システムに学習を施行させた。その後検証を行っている。
まず、セグメンテーションの正答率(全画素のセグメンテーション結果を教師データと比較したとき、全画素数に占める正しいクラスに分類された画素数の割合)の評価を行った。その結果は、ノード数が12のとき79.7%、ノード数が16のとき82.9%、ノード数が20のとき81.7%であった。
 
課題2)AI知能化とその評価を目的としたロボット型内視鏡操作システムの製作、改良
ワイヤ駆動による操作を実現し、操作性、軽量化によるポータビリティの向上を実現した。また、手術野に行けるパーツをすべて滅菌可能化し、臨床応用可能な状態とした。

課題3)手術ナビゲーション機能の実装
課題5)内視鏡操作支援機能の実装
課題6)内視鏡自動操作機能の実装
データベースを学習したAI画像診断システムを元に、リアルタイムに画面上に臓器(胆嚢、総胆管、胆嚢管など)を色調変化として臓器上に重ねて表示。画面上の適切な位置に適切なタイミングで執刀医の安全・確実な施術に役立つ情報をリアルタイムで提示する術中画像ナビゲーションシステムを確立した。
また、操作支援、自動操作機能に重要となる対象物追尾機能を内視鏡操作支援システムに実装。これとナビゲーションシステムの画像データを組み合わせて、対象臓器をセンタリングするシステムを実装した。
これをブタ手術モデルで検証した。

以下に本研究の成果と思われる項目を挙げる。
課題1)セグメンテーションについては概ね80%程度の良好な正答率が得られている。一方、ノード数が20のときの正答率は、ノード数が16のときよりもわずかに低下しており、この結果は過学習の影響が反映されたものと解釈できる。クラスラベリングの結果画像についても、臓器の位置を概ね妥当に捉えることができていることが確認できた。
課題3)手術ナビゲーション機能の実装
課題5)内視鏡操作支援機能の実装
課題6)内視鏡自動操作機能の実装
 内視鏡操作支援システムに手術ナビゲーション、内視鏡操作支援、自動操作機能の実装を行い、動物実験において基本機能の実装可能であることを確認した。
結論
 本年度で、AIシステムのための学習データの収集・作成を完了し、術中ナビゲーションシステム、操作支援、動操作機能の実装までを施行し得た。現時点では更なる制度の向上に向けてシステムの改良、検証を施行していく必要がある。

公開日・更新日

公開日
2019-11-15
更新日
-

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公開日・更新日

公開日
2019-11-15
更新日
-

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文献番号
201803022Z