文献情報
文献番号
201803014A
報告書区分
総括
研究課題名
保健医療介護現場の課題に即したビッグデータ解析を実践するための臨床疫学・統計・医療情報技術を磨く高度人材育成プログラムの開発と検証に関する研究
課題番号
H29-ICT-一般-004
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
康永 秀生(東京大学 大学院医学系研究科公共健康医学専攻臨床疫学・経済学)
研究分担者(所属機関)
- 長瀬 隆英(東京大学医学部附属病院 呼吸器内科)
- 中山 健夫(京都大学医学研究科健康情報学分野)
- 小林 廉毅(東京大学大学院医学系研究科公衆衛生学)
- 松山 裕 (東京大学大学院医学系研究科生物統計学)
- 田宮 菜奈子(筑波大学医学医療系ヘルスサービスリサーチ)
- 笹渕 裕介(自治医科大学データサイエンスセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(臨床研究等ICT基盤構築・人工知能実装研究)
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
平成30(2018)年度
研究費
20,250,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、NDB等の医療ビッグデータ解析に精通する人材を継続的に養成するプログラムを開発することを目的とする。
平成30年度研究では、「ビッグデータハンドリング技術養成プログラム」および「ビッグデータ研究実践能力養成プログラム」を試行的に実施し、その効果を検証することを目的とした。また、並行して医療ビッグデータを用いた研究を進め、論文投稿を確実に進めた。
平成30年度研究では、「ビッグデータハンドリング技術養成プログラム」および「ビッグデータ研究実践能力養成プログラム」を試行的に実施し、その効果を検証することを目的とした。また、並行して医療ビッグデータを用いた研究を進め、論文投稿を確実に進めた。
研究方法
2018年8月6日-10日に人材育成セミナーを実施し、のべ約200名の受講者に、NDBの課題の理解、ビッグデータ統計技術の習得、ビッグデータハンドリングと解析に必要なソフトウェアやプログラミング言語(SQL、R、Python等)の習得を図るプログラムを提供した
結果と考察
定員は講義が各回200名、演習・ハンズオンは各回30名。受講者の内訳として、約40%は大学その他研究機関の研究者、約30%は企業関係者、約20%は医療介護従事者、約5%は行政、約5%はその他であった。
理解度について「とてもわかりやすい」「わかりやすい」、満足度について「とても満足」「やや満足」を占める割合ともに概ね90%前後であったが、データマネジメントの講義および応用統計学の講義に関しては習熟度、理解度・満足度とも70-80%程度であった。理解度が低得点(全体の25パーセンタイル以下)の群とそれ以外の群で属性を比較したが、明らかな差は認められなかった。小テストは各回概ね70-90%程度の正答率であった。定員30名の演習・ハンズオンでは時間内に課題を与え、到達度を測定し、概ね90%程度であった。
多数の若手研究者を指導し、H30年度中にも59編のNDB,DPC等を用いた原著論文が出版または受理された。
理解度について「とてもわかりやすい」「わかりやすい」、満足度について「とても満足」「やや満足」を占める割合ともに概ね90%前後であったが、データマネジメントの講義および応用統計学の講義に関しては習熟度、理解度・満足度とも70-80%程度であった。理解度が低得点(全体の25パーセンタイル以下)の群とそれ以外の群で属性を比較したが、明らかな差は認められなかった。小テストは各回概ね70-90%程度の正答率であった。定員30名の演習・ハンズオンでは時間内に課題を与え、到達度を測定し、概ね90%程度であった。
多数の若手研究者を指導し、H30年度中にも59編のNDB,DPC等を用いた原著論文が出版または受理された。
結論
今回我々が実践した人材育成プログラムは、NDBばかりでなくあらゆる保健・医療・介護ビッグデータに対応できる人材育成が可能である。これを継続的に実践することにより、ビッグデータのデータハンドリング、データベースマネージメントに関する総合的な技術を持つ研究者を多数輩出できる。また、日常臨床のクリニカル・クエスチョンを既存のビッグデータを用いて解明する研究実践能力を持つ研究者を多数輩出できる。さらに、データハンドリング技術と臨床研究実践能力の両方に長けた人材を多数育成でき、それによりわが国の医療ビッグデータ研究の進歩を加速できる。
公開日・更新日
公開日
2019-11-15
更新日
-