文献情報
文献番号
201802005A
報告書区分
総括
研究課題名
死亡・死因に関する情報の収集とその流れおよびデータ分析に関する国際比較
課題番号
H30-統計-一般-001
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
木下 博之(国立大学法人 香川大学 医学部 人間社会環境医学講座 法医学)
研究分担者(所属機関)
- 林 玲子(国立社会保障・人口問題研究所 国際関係部)
- 池松 和哉(国立大学法人 長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 法医学分野)
- 宮武 伸行(国立大学法人 香川大学 医学部 人間社会環境医学講座 衛生学)
- 田中 直子(国立大学法人 香川大学 医学部 人間社会環境医学講座 法医学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(統計情報総合研究)
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
3,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
死亡診断書(死体検案書)による死亡・死因に関する情報の収集とその流れおよびデータ分析に関して、諸外国の死亡診断書様式、中央集計に至る情報の流れ、電子化の進捗状況について調査、比較する。さらにその結果から、わが国の死因統計調査システムの利点と、さらに改善が期待できる点についての洗い出しを行う。
研究方法
本研究では文献調査と研究対象国の担当者へのヒアリングを中心に調査をすすめる。具体的な事項としては、死亡診断書様式、中央集計に至る情報の流れ、電子化の進捗状況について調査する。文献調査については、既存の文献資料やインターネットの情報を活用するが、文献にて得られにくい情報を中心に、予備的調査を十分に行った上で、海外調査にて実情の把握に努める。
様々な領域の専門家から構成される各分担研究者、研究協力者の協力の下、対象とする国々の死亡診断書等の様式、最新のICD-10(2016年版)の死亡診断書書式の適用状況、さらには各国の死因統計調査システムにおける情報の流れ等の調査を行う。
様々な領域の専門家から構成される各分担研究者、研究協力者の協力の下、対象とする国々の死亡診断書等の様式、最新のICD-10(2016年版)の死亡診断書書式の適用状況、さらには各国の死因統計調査システムにおける情報の流れ等の調査を行う。
結果と考察
各国における中央集計に至る情報の流れについては、同一国内でも州レベルで若干制度の異なる場合があり、平成30年度には、文献調査、海外調査および、学会等で来日した海外の研究者との接触の機会から、イギリス、ドイツ、韓国、中国、フランスの関係者からヒアリングを行った。また、アルバニア、セルビアの関係者とは現在調査継続中である。
これまでに調査した国のうち、死亡の医学的証明の書類の様式は概ねWHOの様式を基礎にしているが、書式内にICDのコード欄がある国もあった。死亡証明の書式の表題に「死亡診断書」と「死体検案書」の区別があるのは韓国のみであった。書式または届出の電子化が行われている国・地域はまだわずかである。 死因統計は、わが国の保健衛生行政や社会的にも広く活用されており、保健衛生政策を実施していく上での基盤データのひとつである。わが国ではその情報の流れについてはしっかりとしたシステムが構築されているものの、諸外国の情報は少なく、比較する検討や文献的資料も乏しい。初年度の調査により明らかになった事項としては、死亡の医学的証明の書類の様式は概ねWHOの様式を基礎にしているが、書式内にICDのコード欄がある国もあり、今後、わが国でも様式の改定が行われる場合には参考にできると思われた。また、わが国では表題に「死亡診断書」と「死体検案書」を区別しているが、区別している書式があるのは少数であり、その必要性は少ないように思われる。この点はわが国での歴史的経緯もふまえた検証が必要かもしれない。
これまでに調査した国のうち、死亡の医学的証明の書類の様式は概ねWHOの様式を基礎にしているが、書式内にICDのコード欄がある国もあった。死亡証明の書式の表題に「死亡診断書」と「死体検案書」の区別があるのは韓国のみであった。書式または届出の電子化が行われている国・地域はまだわずかである。 死因統計は、わが国の保健衛生行政や社会的にも広く活用されており、保健衛生政策を実施していく上での基盤データのひとつである。わが国ではその情報の流れについてはしっかりとしたシステムが構築されているものの、諸外国の情報は少なく、比較する検討や文献的資料も乏しい。初年度の調査により明らかになった事項としては、死亡の医学的証明の書類の様式は概ねWHOの様式を基礎にしているが、書式内にICDのコード欄がある国もあり、今後、わが国でも様式の改定が行われる場合には参考にできると思われた。また、わが国では表題に「死亡診断書」と「死体検案書」を区別しているが、区別している書式があるのは少数であり、その必要性は少ないように思われる。この点はわが国での歴史的経緯もふまえた検証が必要かもしれない。
結論
死亡に関する情報の中央集計に至る流れについては、各国におけるシステム成立の歴史的背景も関係していると思われるが、際だった差は少ないように思われる。届出の電子化を含めた取り組みに関しては、まだその進捗の歩みは十分ではないが、具体的な理由については調査を継続している。わが国での導入に際しても先行する海外の動向にも注意を払う必要がある。
公開日・更新日
公開日
2019-12-10
更新日
-