患者調査における総患者数推計の妥当性の検証と応用に関する研究

文献情報

文献番号
201802003A
報告書区分
総括
研究課題名
患者調査における総患者数推計の妥当性の検証と応用に関する研究
課題番号
H29-統計-一般-003
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
橋本 修二(藤田医科大学 医学部衛生学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 谷原 真一(久留米大学 医学部公衆衛生学講座)
  • 村上 義孝(東邦大学 医学部社会医学講座医療統計学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(統計情報総合研究)
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
平成30(2018)年度
研究費
3,320,000円
研究者交替、所属機関変更
所属機関異動 研究分担者 谷原真一  帝京大学大学院公衆衛生学研究科(平成30年5月31日まで)→久留米大学医学部公衆衛生学講座(平成30年6月1日以降) 所属機関の名称の変更 研究代表者 橋本修二 藤田保健衛生大学(平成30年10月9日まで)→藤田医科大学(平成30年10月10日以降)

研究報告書(概要版)

研究目的
 平成27・28年度の厚生労働科学研究費補助金による「患者調査に基づく受療状況の解析と総患者数の推計に関する研究班」の研究成果として、総患者数の新しい推計方法への変更が提言された。本研究の目的としては、総患者数の新しい推計方法について、妥当性を検証し、その応用を検討することである。昨年度は2年計画の初年度として、基礎的検討と準備および一部の本格的検討を行った。本年度は最終年度として本格的検討を完了し、2年間の研究結果を総括した。
研究方法
 研究の進め方としては、第1回研究班会議を平成30年6月に開催し、研究計画を具体化するとともに、研究課題に関する意見交換を行った。その後、各研究者が互いに連携しつつ研究を進め、必要に応じて会議を随時開催した。10月末に各分担課題の進捗状況を確認した。第2回研究班会議を平成31年1月に開催し、研究結果を議論した。その議論を踏まえて、各研究結果をまとめるとともに、2年間の研究結果を総括した。
結果と考察
 分担課題「(1)レセプトデータに基づく妥当性の検証」では、大規模なレセプトの1年間の個人単位リンクデータに基づく、高血圧性疾患と糖尿病における通院継続中患者数、一日患者数と平均診療間隔の算定結果から、総患者数推計の新しい方法の妥当性および現行方法の過小評価が示唆された。「(2) 保健医療統計データに基づく妥当性の検証」では、1999~2010年における高血圧性疾患と糖尿病の1か月の診療実日数について、総患者数推計の新しい方法による推移は社会医療診療行為別調査のそれに類似し、一方、現行方法による推移はかなり異なった。「(3)新しい推計方法による総患者数の応用」として、「総患者の受療率の応用に関する検討(疾病分類表の検討を含む)」、「総外来患者の診療間隔の検討」と「総患者数を用いた脳血管疾患の特性把握」の検討結果から、年齢分布と地域分布などで傷病の様々な特性が把握されるとともに、疾病分類表の検討への適用可能性が示唆された。
結論
 総患者数の新しい推計方法について妥当性が検証されるとともに、その応用の有用性が示唆され、当初の研究目的がおおよそ達成されたと考えられた。

公開日・更新日

公開日
2019-12-10
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2019-12-10
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201802003B
報告書区分
総合
研究課題名
患者調査における総患者数推計の妥当性の検証と応用に関する研究
課題番号
H29-統計-一般-003
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
橋本 修二(藤田医科大学 医学部衛生学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 谷原 真一(久留米大学 医学部公衆衛生学講座)
  • 村上 義孝(東邦大学 医学部社会医学講座医療統計学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(統計情報総合研究)
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
平成30(2018)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 平成27・28年度の厚生労働科学研究費補助金による「患者調査に基づく受療状況の解析と総患者数の推計に関する研究班」の研究成果として、総患者数の新しい推計方法への変更が提言された。本研究の目的としては、総患者数の新しい推計方法について、妥当性を検証し、その応用を検討することである。平成29年度は2年計画の初年度として、基礎的検討と準備および一部の本格的検討を行った。30年度は最終年度として本格的検討を完了し、2年間の研究結果を総括した。
研究方法
 研究の進め方としては、平成29年度と30年度とも第1回研究班会議を6月に開催し、研究計画を具体化するとともに、研究課題に関する意見交換を行った。その後、各研究者が互いに連携しつつ研究を進め、必要に応じて会議を随時開催した。10月末に各分担課題の進捗状況を確認した。第2回研究班会議を1月に開催し、研究結果を議論した。その議論を踏まえて、各年度の研究結果をまとめた。最終年度にすべての研究結果を総合した。
結果と考察
 分担課題「(1)レセプトデータに基づく妥当性の検証」では、29年度、大規模なレセプトの1年間のデータを個人単位にリンクした。30年度、同リンクデータに基づく、高血圧性疾患と糖尿病における通院継続中患者数、一日患者数と平均診療間隔の算定結果から、総患者数推計の新しい方法の妥当性および現行方法の過小評価が示唆された。「(2) 保健医療統計データに基づく妥当性の検証」では、29年度の研究結果により、国民生活基礎調査の通院者数に対して、新しい方法の推計値は多くの傷病で比較的一致し、一方、現行方法の推計値は少ない傾向であった。30年度の研究結果により、1999~2010年における高血圧性疾患と糖尿病の1か月の診療実日数について、総患者数推計の新しい方法による推移は社会医療診療行為別調査のそれに類似し、一方、現行方法による推移はかなり異なった。「(3)新しい推計方法による総患者数の応用」として、「総患者の受療率の応用に関する検討(疾病分類表の検討を含む)」、「総外来患者の診療間隔の検討」と「総患者数を用いた脳血管疾患の特性把握」の両年度の検討結果から、年次推移、年齢分布と地域分布などで傷病の様々な特性が把握されるとともに、疾病分類表の検討への適用可能性が示唆された。
結論
 総患者数の新しい推計方法について、平成29年度と30年度の研究によって、妥当性が検証されるとともに、その応用の有用性が示唆され、当初の研究目的がおおよそ達成されたと考えられた。

公開日・更新日

公開日
2019-12-10
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201802003C

成果

専門的・学術的観点からの成果
患者調査における総患者数の新しい推計方法について、レセプトデータと保健医療統計データに基づいて妥当性が検証されるとともに、様々な面への応用の有用性が示唆された。
臨床的観点からの成果
特記事項なし。
ガイドライン等の開発
特記事項なし。
その他行政的観点からの成果
国の基幹統計である患者調査における、総患者数の新しい推計方法への変更にあたっての根拠資料を提供した。
研究成果の一部が『第1回 患者調査における「平均診療間隔」及び「総患者数」の算出方法等の見直しに関するワーキンググループ』(2021年2月8日)の審議資料となった。
令和2年の患者調査において、『患者調査における「平均診療間隔」及び「総患者数」の算出方法等の見直しについて』が公表され、新しい推計方法による総患者数が表章された。
その他のインパクト
特記事項なし。

発表件数

原著論文(和文)
3件
2017年:厚生の指標1編、2018年:厚生の指標1編、2021年:厚生の指標1編。
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
12件
2018年:日本公衆衛生学会ほか6報、2019年:日本公衆衛生学会ほか5報、2020年:日本公衆衛生学会1報。
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
谷原真一,辻 雅善,川添美紀,他
社会医療診療行為別調査と健保組合レセプトデータにおける傷病大分類別人口当たりレセプト件数の比較
厚生の指標 , 64 (13) , 1-8  (2017)
原著論文2
橋本修二, 川戸美由紀, 山田宏哉, 他
患者調査における総患者数の推計の妥当性と応用に関する研究
厚生の指標 , 65 (12) , 1-6  (2018)
原著論文3
三重野牧子, 橋本修二, 川戸美由紀, 他
医療施設の曜日別診療状況と患者調査の総患者数の推計方法
厚生の指標 , 68 (1) , 29-33  (2021)

公開日・更新日

公開日
2021-05-26
更新日
2023-05-25

収支報告書

文献番号
201802003Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
3,650,000円
(2)補助金確定額
3,650,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 682,357円
人件費・謝金 329,763円
旅費 794,524円
その他 1,513,356円
間接経費 330,000円
合計 3,650,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2019-12-10
更新日
-