食品衛生検査を実施する試験所における品質保証システムに関する研究

文献情報

文献番号
201723024A
報告書区分
総括
研究課題名
食品衛生検査を実施する試験所における品質保証システムに関する研究
課題番号
H29-食品-一般-005
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
渡辺 卓穂(一般財団法人食品薬品安全センター 秦野研究所 食品衛生事業部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
23,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
分析値の品質保証に関する取組みの指針となる業務管理要領を改訂し、品質保証に組み込まれる要素である新たな技能試験プログラムを開発することを目的とした。
研究方法
国際整合性を踏まえた業務管理要領案の開発に関する研究では、我が国の試験所による品質保証を含む取組の指針となる業務管理要領案を、国際整合性を踏まえその改訂案となるガイドライン案の中心となる本文を開発した。ISO/IEC 17025認定取得に向けた試験所の検討に関する研究では、ISO/IEC17025認定取得あるいはISO/IEC 17025に準拠した業務管理要領が地方自治体の試験所に導入された場合、品質保証にどのような影響を与えるかを考察するために、研修会を通じてISO/IEC 17025規格について理解を深めた。既存技能試験プログラムの改善及び新規技能試験プログラムの導入に関する研究では、残留農薬の技能試験プログラム用試料の安定性と均質性の改善を目標にコメを基材とした使用の妥当性を検討し、パイロットスタディを実施した。また、安定性と均質性の向上を期待し、粉体工学技術(スプレードライヤ)を応用し、コメの重金属を対象としたPT試料の作製条件の検討を行った。新規技能試験プログラムの開発及び統計学的評価に関する研究では、ホタテガイを基材とした試料を作製し、均質性を確認した。この試料を用いて技能試験パイロットスタディを実施し、少数の参加者の技能試験評価のための手順を適用した。新規技能試験プログラム用試料の開発に関する研究では、ホタテガイをマトリクスとしたオカダ酸類の新規技能試験用PT試料の開発を行った。
結果と考察
国際整合性を踏まえた業務管理要領案の開発に関する研究では、Codex委員会が発行するガイドライン等を根拠とし、我が国の試験所がその取組を国際的に整合させる上で基礎とすべき文書としてISO/IEC 17025を特定し、より具体的かつ限定的とならない内容で、ガイドライン案の本文を開発した。ISO/IEC 17025認定取得に向けた試験所の検討に関する研究では、ISO/IEC 17025に関する研修会を実施し、また、多くの地方自治体が参加する全国衛生化学技術協議会の教育講演において講師を招聘し、ISO/IEC 17025を基礎とする品質保証について学んだ。既存技能試験プログラムの改善及び新規技能試験プログラムの導入に関する研究では、コメの残留農薬用PT試料として新たに紛体の玄米試料を用い、農薬混合アセトン溶液にこれを浸漬しロータリーエバポレーターで溶媒を留去し、乾燥させて作製した。安定性及び均質性は確認され、16機関参加の元パイロットスタディが実施できた。また、紛体工学技術(スプレードライヤ)で作製したコメの重金属PT試料は、カドミウムについていずれの濃度でも理論値にほぼ一致し、スプレードライヤが有用であることが示された。新規技能試験プログラムの開発及び統計学的評価に関する研究では、開発したホタテガイを基材とした試料の均質性及び安定性の評価を行い、PT試料としての妥当性を確認し、パイロットスタディには28試験所が参加した。この結果に、少数のデータから参加者の技能を評価する方法を適用した。新規技能試験プログラム用試料の開発に関する研究では、ホタテガイを基材としオカダ酸類を分析対象としたPT試料を開発した。
結論
業務管理要領の改定案については、Codex委員会が発行するガイドライン等を根拠とし、試験所を国際的に整合させる文書としてISO/IEC 17025を基本とし、より具体的かつ限定的とならない内容で、ガイドライン案の本文を開発した。また、技能試験プログラムの開発においては、コメの残留農薬用PT試料の開発を行い、パイロットスタディが実施できた。紛体工学技術(スプレードライヤ)で作製したコメの重金属PT試料は、均質な試料ができ、スプレードライヤがその作製に有用であることが示された。一方、新規技能試験プログラムの開発においては、ホタテガイを基材としたオカダ酸類を分析対象としたPT試料が開発できた。

公開日・更新日

公開日
2018-06-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2019-06-04
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201723024Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
30,000,000円
(2)補助金確定額
30,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 12,661,147円
人件費・謝金 131,411円
旅費 964,833円
その他 9,342,650円
間接経費 6,900,000円
合計 30,000,041円

備考

備考
受取利息41円

公開日・更新日

公開日
2019-03-13
更新日
-