食品用器具・容器包装等に使用される化学物質に関する研究

文献情報

文献番号
201723015A
報告書区分
総括
研究課題名
食品用器具・容器包装等に使用される化学物質に関する研究
課題番号
H28-食品-一般-003
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
六鹿 元雄(国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部)
研究分担者(所属機関)
  • 阿部 裕(国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部)
  • 杉本 直樹(国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
平成28(2016)年度
研究終了予定年度
平成30(2018)年度
研究費
14,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
食品用器具・容器包装、おもちゃ及び洗浄剤(以下、「器具・容器包装等」)の安全性は、食品衛生法の規格基準により担保されているが、製品の多様化、新規材質の開発、再生材料の使用、諸外国からの輸入品の増加等により多くの課題が生じている。さらに近年では、食品の安全性に関する関心が高まり、その試験及び分析に求められる信頼性の確保も重要な課題となっている。また、食品には農薬、動物用医薬品、食品添加物、器具・容器包装からの移行物など多種多様な化学物質が混入する可能性があるが、それらの相互作用については情報収集が不十分である。そのため、健康に影響を及ぼすような相互作用が起こり得る組み合わせやそれらの食品中の濃度について把握することは重要である。そこで本研究では、器具・容器包装等に使用される化学物質に関する研究として、(1) 規格試験法の性能に関する研究、(2) 市販製品中に含まれる化学物質に関する研究、(3) 食品添加物等の複合影響に関する研究を実施した。
研究方法
(1) 規格試験の性能に関する研究では、食品衛生法における試験法について、試験法の改良や試験室間共同実験による性能評価を行った。(2) 市販製品に残存する化学物質に関する研究では、協力研究者より研究課題を募り、市販製品に残存する化学物質の実態調査等を行った。(3) 食品添加物等の複合影響に関する研究では、食品添加物の複合影響に関する文献調査を行った。
結果と考察
(1) 規格試験法の性能に関する研究では、おもちゃにおける着色料試験の試験室間共同試験及び蒸発残留物試験における残留物の乾燥操作に関する検討を行った。おもちゃにおける着色料試験の試験室間共同試験では、機関ごとの判定結果の検証、判定結果への影響要因に関する検討、比較液の導入による判定結果の統合性に関する検証を行った。その結果、試験機関間で結果が異なったり、試験機関内で同じ検体の判定結果が異なるケースが存在した。さらに、ブランク試料を「着色有」と判定した結果も見られた。判定結果への影響要因を検討したところ、試験経験の有無や比較液として水を用いることで判定結果に差が生じた。しかし、比較液として水を用いた場合は判断基準が明確となり、誤判定率及び同一濃度の検体における併行精度が向上した。着色した溶液を比較液として導入し、判定結果の統合性を検証したところ、判定結果をある程度一致させることができた。さらに、判定結果の併行精度の向上やブランク検体の誤判定率の低減化にも有効であった。以上の結果から、着色試験の判定に比較液を用いることを提案した。蒸発残留物試験における蒸発乾固後の乾燥操作に関する検討では、蒸発乾固後の乾燥操作が蒸発残留物試験に与える影響について検証した。その結果、乾燥器内の温度が概ね105℃±5℃の範囲内であれば、残存率の低下やばらつきに影響を及ぼす可能性は低いと考えられた。また、送風量及び容器の形状について影響を調べたところ、送風量は少なく、容器の高さは高い方が残存率は高くなる傾向があった。これにより、容器内の残留物に風があたることによって揮散量が増加することが示唆された。(2) 市販製品に残存する化学物質に関する研究では、紙製品中の蛍光物質の検査法改良に関する検討及び合成樹脂製器具・容器包装の製造に使用される化学物質の分析法に関する検討を行った。紙製品中の蛍光物質の検査法改良に関する検討では、分析機器を用いた分析法の検討を行った。公定法による判定結果は、TLCビジュアライザーによる判定結果とよく一致しており、分光蛍光光度計により得られた蛍光強度との相関も見られた。しかし、いずれの方法においても、蛍光の有無の判別をより正確に行うためには比較対象となる標準試料が必須であるため、比較の対象となる標準ガーゼ試料と予試験用標準試料を作製した。合成樹脂製器具・容器包装の製造に使用される化学物質の分析法に関する検討では、EUまたは米国の法規制において使用が認められている103物質について保持時間、マススペクトル及び定量下限を確認でき、そのうち85物質の検量線の形状を確認した。これにより、既報のものとあわせて約200種類の物質がGC/MSで分析可能となった。(3) 食品添加物等の複合影響に関する研究では、食品添加物の複合影響に関する文献調査を行った。使用頻度及び摂取量が多いと考えられる20品目に対象を絞り、複合影響に関する文献調査を行ったところ、悪影響を与えるとする文献は1件のみであった。しかしながら、本文献では、食品添加物の実際の使用濃度でのヒトへの複合影響については、今後の検討が必要と結論していた。
結論
以上の研究成果は、我が国の器具・容器包装等に使用される化学物質の安全性確保と食品衛生行政の発展に大きく貢献するものと考える。

公開日・更新日

公開日
2018-06-13
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2018-06-13
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201723015Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
14,000,000円
(2)補助金確定額
14,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 8,492,793円
人件費・謝金 0円
旅費 1,924,110円
その他 3,583,097円
間接経費 0円
合計 14,000,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2018-07-02
更新日
-