医薬品、医薬部外品の承認基準制定にあたっての基本的考え方に関する研究

文献情報

文献番号
199800643A
報告書区分
総括
研究課題名
医薬品、医薬部外品の承認基準制定にあたっての基本的考え方に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成10(1998)年度
研究代表者(所属機関)
石橋 康正(東京逓信病院院長)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬安全総合研究事業
研究開始年度
平成10(1998)年度
研究終了予定年度
-
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
一般用医薬品及び医薬部外品の承認審査にあたっては、事務処理の効率化と迅速化を図る観点から、成分及び分量、用法及び用量、効能又は効果等に関する承認基準を制定し、これに基づいて審査することとされており、昭和45年の「かぜ薬」以降、平成10年までに医薬品14薬効群、医薬部外品4製品群及び新指定医薬部外品に承認基準が制定され、併せて承認権限が一部地方委任されてきた。しかしながらこれまで承認基準の制定にあたっての基本的な考え方は示されてこなかったことから、本研究では、医薬品及び医薬部外品について、新たな承認基準の制定にあたっての基本的な考え方をまとめることを目的とするものである。
研究方法
本研究を進めるにあたっては以下の観点から検討を行った。
①承認基準の制定を検討すべき薬効群(医薬部外品の製品群)の特定を検討。
②対象薬効群(医薬部外品の製品群)について承認基準に盛り込むべき項目内容を検討。
③検討項目毎に必要とされる科学的データの内容の特定と評価の観点を検討
④基本的考え方のとりまとめについての考察
結果と考察
①承認基準の制定を検討すべき薬効群(医薬部外品の種類)の特定について

新たに承認基準の制定を検討していくべき薬効群や製品群を検討する場合には、ある程度まとまった数の製品がその群に属していること、それらの製品の間に共通性(パターン)があって評価が標準化できることが必要と考えられる。また、承認基準の拡大が望まれ、これまでにも地域の製造企業が既知の成分の組み合わせを変えて申請する品目が多い群については承認基準制定の意義が高いと考えられる。

一般用医薬品でこれまでに承認基準が制定された薬効群の見直しにあたっては、対象となる範囲の拡大が望まれている群から進めていくのが効率的であり、承認基準内の品目と承認基準外の品目との動向を踏まえ、事務処理の効率化も勘案して基準の拡大を検討していくことが望ましいと考えられる。

医薬品の販売規制緩和に伴う新指定医薬部外品のうち、健胃剤、ビタミン主薬製剤については、医薬部外品に移行しても医薬品と同様に承認基準が制定されることが望ましい。また、それら以外の製品群についても、カテゴリー移行の際の承認基準を基本として承認権限の移譲が随時可能と考えられる。
②承認基準に盛り込むべき項目内容についての検討

承認基準の各項目については医薬品と医薬部外品とでできるだけ共通であることが望ましく、また、品質、有効性、安全性の観点から、同一投与経路ではその内容にも極端な程度の差があるのは好ましくないと考えられる。
③検討項目毎に必要とされる科学的データの内容の特定と評価の観点の考察

有効成分の配合上限については副作用が問題とならない範囲で設定することが必要であり、また、新たな知見に基づいて見直していくことが必要と考えられる。

有効成分の配合下限値については有効性を確保しておく量が必要であり、食品の1日必要量以上とするなど、薬効を期待される量として各々の製品群あるいは処方毎に設定していくとかが必要と考えられる。

添加物については承認基準に規定しておくことは必要ないが、安全に使用しうる添加物の種類と配合量の範囲は示しておくことが必要と考えられる。

効能効果については画一的な取扱いができるよう、統一した表現が望ましい。

使用上の注意については、作用が緩和な新指定医薬部外品等では企業等の自主的な対応に委ねることで承認基準に規定しないことで構わないと考えられるが、企業間で内容に差の生じないことなどのために情報交換が重要と考えられる。

剤型、用法用量等についても、標準化された内容で普遍的画一的な判断が可能であること、承認の判断について地方委譲可能であること等の考慮が必要と考えられる。
④基本的考え方のとりまとめ(考察)

承認基準の考え方については整合性を図りながら、その明確化を図ることが必要である。また、医薬品と医薬部外品の間で承認基準の項目や内容については、できるだけ共通化を図ることを目指していくべきと考えられる。

承認基準の具体的内容や検討に必要とされるデータ等については、各製品群毎の製品開発等を踏まえ、更に検討していくことが必要と考えられる。




結論

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研究報告書(紙媒体)

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