医療通訳認証の実用化に関する研究

文献情報

文献番号
201721060A
報告書区分
総括
研究課題名
医療通訳認証の実用化に関する研究
課題番号
H29-医療-指定-020
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
中田 研(大阪大学大学院 医学系研究科 スポーツ医学  国際・未来医療学(兼任))
研究分担者(所属機関)
  • 山田 秀臣(東京大学医学部附属病院 国際診療部)
  • 糸魚川 美樹(愛知県立大学 外国語学部 スペイン語学)
  • 押味 貴之(国際医療福祉大学 医学部 医学教育統括センター)
  • 南谷 かおり(大阪大学大学院 医学系研究科 国際・未来医療学)
  • 岡村 世里奈(国際医療福祉大学大学院 医療経営管理分野)
  • 田畑 知沙(大阪大学大学院 医学系研究科 国際・未来医療学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
4,088,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、医療通訳者の認証制度の実用化における課題を抽出し解決策を、文献、実地、アンケート調査等の学術調査研究にて明らかにし,関係者との意見交換や意見の分析を通して,医療通訳認証実用の可能性を示すことにより認定制度の策定と実施を推進することである。
研究方法
平成29年度は、以下について文献的、または、実地調査等にて調査研究を行った。1) 本研究期間の3年間における医療通訳の認定制度の実用化のスケジュールとゴール、各分担研究者の分担を決定、2) 医療通訳の定義と業務内容の検討、3) 医療通訳におけるリスクと対策、4) 医療通訳認定制度案のパブリックコメントとそれに対する意見、5) 医療通訳認定における既存の医療通訳従事者や希少言語に対する経過措置、6) 医療通訳者の研修について、医療通訳の認定制度の実現に向け研究を行った。
結果と考察
1)医療通訳認定制度の実用化のロードマップを策定した。H29年度は、認証制度案の提示公表とパブリックコメント公募を行い、またH30年度プレ試験・H31年度認定制度発足の案を示した。 2)医療通訳育成カリキュラム(改定)案のヒアリングを行い、認定試験の学習範囲、内容を調査した。3)「日本語が母語でない、もしくは日本語でのコミュニケーションに制限がある患者等(LJP:limited Japanese proficiency)に対して、日本語での医療・保健を安全かつ安心して提供するために、通訳技能と医学知識を用いて相互理解を支援する業務」「医療通訳にあたる専門職」と定義することを提案した。医療通訳および医療通訳者に関連するリスクとして、個人情報取り扱い、医療通訳者のメンタルヘルス、医療通訳者の感染リスク、医療通訳に関係する医療事故・訴訟リスクがあり、医療通訳が提供されなかったことのリスク、家族や友人の通訳のリスク、その場にいる医療職員等の「臨時的な通訳 (ad hoc interpreter)」の通訳のリスクがあり対策が必要であった。4)認定制度案を策定し、それに対するパブリックコメントから、必要とする意見が多数を占めた。認定方法や経過措置についての意見もあり、医療通訳の制度の課題、リスクも並行して検討され、現状で既に医療通訳者として実務している医療通訳経験者や実務者の経過措置や希少言語の医療通訳者の認定など、引き続き検討が必要であると考えられた。5)認定医療通訳の育成研修を調査し内容と量を示した。
結論
本邦における医療通訳の制度の実用化と、医療通訳者の育成に向けたスケジュール案が、国際臨床医学会から平成29年11月に公に示され、パブリックコメントを募集し意見を得て、必要とする意見が多数を占めた。認定方法や経過措置についての意見もあり、医療通訳の制度の課題、リスクも並行して検討され、現状で既に医療通訳者として実務している医療通訳経験者や実務者の経過措置や希少言語の医療通訳者の認定など、引き続き検討が必要であると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2018-06-27
更新日
2018-07-03

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2018-06-27
更新日
2018-07-03

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201721060Z