文献情報
文献番号
201721055A
報告書区分
総括
研究課題名
AI等のICTを用いた診療支援に関する研究
課題番号
H29-医療-指定-015
研究年度
平成29(2017)年度
研究代表者(所属機関)
横山 和明(東京大学 医科学研究所 遺伝子・細胞治療センター)
研究分担者(所属機関)
- 井元 清哉(東京大学 医科学研究所)
- 湯地晃一郎(東京大学 医科学研究所)
- 古川 洋一(東京大学 医科学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
平成29(2017)年度
研究費
1,847,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
現在、人工知能(AI)は第3次ブームを迎えており、AIの利活用は医療分野に大きな影響
を及ぼすと予想される。医師による診療プロセスの一部にAIが介在することは、医療の質の向上に貢献し得る一方で、新たな社会的・法的問題を生じる潜在性がある。一般に、診療は、診察、検査、読影、診断、治療等のプロセスから成り立っているが、診療のどのプロセスにAIが介在しているかは必ずしも明らかではない。また、国内におけるAI等のICTを用いた診療支援等の研究状況も明らかでなく、これらの点について政策立案のための論点整理を行うことが必要である。
を及ぼすと予想される。医師による診療プロセスの一部にAIが介在することは、医療の質の向上に貢献し得る一方で、新たな社会的・法的問題を生じる潜在性がある。一般に、診療は、診察、検査、読影、診断、治療等のプロセスから成り立っているが、診療のどのプロセスにAIが介在しているかは必ずしも明らかではない。また、国内におけるAI等のICTを用いた診療支援等の研究状況も明らかでなく、これらの点について政策立案のための論点整理を行うことが必要である。
研究方法
本研究では、医師による診療プロセスにAIがどのように活用されているかを明らかにする目的で、国内でのAIを用いた診療支援研究について、診療のプロセスという観点から、それらの類型化を試みた。また、東大医科研病院でのWatson for Genomics(WfG)を用いた臨床シーケンスをAIを用いた診療支援先進例として取り上げ実際にレビューした。
結果と考察
1)診療のプロセスは、診察(早期診断仮説形成/検査戦略立案)→検査(後期診断仮説形成/結果判断)→診断(治療戦略立案)→治療から成る。
2)AIはこれらの診療プロセスの医師主体判断のサブステップにおいて、その効率を上げて情報を提示する支援ツールに過ぎない。
3)AIには知識量の制約がなく、医師主体判断のサブステップにおいて、医師にデバイアスによる気づきを与え得る。AIと医師との協働は医療の質向上に有用であると考えられる。
4)AIの推測結果には誤りがあり得るが、判断の主体である医師がAIを用いた診療の責任を負うべきである。その前提として医師に対してAIについての適切な教育を行うべきである。
5) 本邦におけるAIによる診療支援研究はまだ萌芽期段階である事、判断の主体は少なくとも当面は医師である事実を鑑みると、その規制の議論は時期尚早である。寧ろ開発に関わる医師や研究開発者などの人材育成と公的な支援体制の整備が急務である。
2)AIはこれらの診療プロセスの医師主体判断のサブステップにおいて、その効率を上げて情報を提示する支援ツールに過ぎない。
3)AIには知識量の制約がなく、医師主体判断のサブステップにおいて、医師にデバイアスによる気づきを与え得る。AIと医師との協働は医療の質向上に有用であると考えられる。
4)AIの推測結果には誤りがあり得るが、判断の主体である医師がAIを用いた診療の責任を負うべきである。その前提として医師に対してAIについての適切な教育を行うべきである。
5) 本邦におけるAIによる診療支援研究はまだ萌芽期段階である事、判断の主体は少なくとも当面は医師である事実を鑑みると、その規制の議論は時期尚早である。寧ろ開発に関わる医師や研究開発者などの人材育成と公的な支援体制の整備が急務である。
結論
1)AIはこれらの診療プロセスの医師主体判断のサブステップにおいて、その効率を上げて情報を提示する支援ツールに過ぎない。
2)AIと医師との協働は医療の質向上に有用であると考えられる。
3)AIの推測結果には誤りがあり得るが、判断の主体である医師がAIを用いた診療の責任を負うべきである。その前提として医師に対してAIについての適切な教育を行うべきである。
2)AIと医師との協働は医療の質向上に有用であると考えられる。
3)AIの推測結果には誤りがあり得るが、判断の主体である医師がAIを用いた診療の責任を負うべきである。その前提として医師に対してAIについての適切な教育を行うべきである。
公開日・更新日
公開日
2019-01-16
更新日
-